酪酸(らくさん、butyric acid)、IUPAC名ブタン酸 (butanoic acid) もしくは"n"-ブタン酸 ("n"-butyric acid) は、分子式 CHO、示性式 CH(CH)COOH の直鎖カルボン酸である。構造異性体にイソ酪酸 (CH)CHCOOH がある。哺乳類は極微量でも臭いを探知することができ、イヌでは 10 ppb、ヒトでは 10 ppm まで嗅ぎ分けることができる。融点 −7.9 、沸点 164 の無色の油状液体で、特有の不快臭を有する。p"K" 4.82 の弱酸である。水とはよく混和するが、食塩水には溶けにくいことから、酪酸水溶液に多量の食塩を加えると分離することができる。揮発性が低いため、建物の壁や柱に染み付くとリフォームを施してもなかなか臭いが取れない。バターから得られたのでこの名で呼ばれるようになった。銀杏の異臭の原因でもあり、足の悪臭の原因でもある。脂肪酸の分解過程で生合成されるほか、バターやチーズ、皮脂に含まれている。哺乳類の大腸や反芻胃では細菌が食物の中のセルロースやヘミセルロースを嫌気発酵し、酪酸などの短鎖脂肪酸を生成しており、これが草食性動物の体内では重要なエネルギー源となっている。酪酸は、β酸化により酢酸に相当するアセチルCoAに分解され、クエン酸回路によりエネルギー源として利用される。工業的にはブタノールやブチルアルデヒドの酸化によって作られている。また、酪酸エチル、酪酸イソアミルなどのエステルはパイナップルの香気成分(香料)として知られる。皮膚や粘膜に対する腐食性があり、水生生物に有害。ICSCでは「漏洩物処理」項目で、環境中への放出を禁じている。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する。
出典:wikipedia
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