


トリグラウ山(Triglav、)は、スロベニア(かつての旧ユーゴスラビア全土とイリュリア州)とジュリア・アルプス山脈に位置するスロベニアの最高峰の山である。標高2,864m。名前はボーヒニの谷からの山景によりスラヴ語で"三つの峰"と名付けられたとされるが、一方で西スラヴの神話に伝わる軍神から取られたとされる説もある。1981年にトリグラウ山を取り巻く一帯が国立公園に指定された。スロベニアの象徴であるトリグラウ山の三つの頂は、スロベニアの国章や国旗の他、国内発行の50セントユーロ硬貨にもデザインされている。1778年8月26日にスロベニア人の自然科学者シグムンド・ゾワが数名の仲間と共に初めてトリグラウ山の登頂に成功した。山頂の「」はスロベニアのランドマークであり、国の重要なシンボルとされている。トリグラウの一帯は他にもスロベニアの伝承に登場する、「金の角を持つ雄シャモアのズラトロク」の地として知られている。伝説の獣ズラトロクはスロベニア最大のビール会社である社のビールのブランドロゴにもなっている。ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフには、歌劇『ムラダ』からの抜粋編曲として、『トリグラウ山の一夜』という交響詩がある。登山ルートは多数あるが、どれも登山口から山頂までの距離が長く、少なくとも山中に1泊は必要。2泊すれば、余裕ある山行が楽しめる。登山道の岩には、日本と同じようにペンキ印(赤丸に白、赤い直線やカギ型の線など)が随所に描かれているので、これに注意していれば道に迷うことはない。標高差が最も少ないのは、1347mのルドノポリエ(ブレッド湖より、タクシーまたは夏のシーズン中のみ朝一便だけ出る登山バスで約1時間)から登るルート。バスを降りると、30分ほど林道を歩き、1430mの標高あたりで右に登山道に入る。初めは森林の中のジグザグの登りであるが、ほどなく1550mの等高線に沿ったトラバースとなる。樹林帯を出ると道は再び高度を上げ、ルドノポリエから約2時間で、スツドルスキー峠 (1892m) に達する。ここから少し下ると、1850mの等高線に沿った斜面のトラバースが長く続く。峠から1時間半ほどで、最初の小屋、フドニコウ小屋 (1819m)。ブレッドを早発ちしたなら、ここから2時間半から3時間のプラニカ小屋 (2401m) まで頑張ること。なお、この小屋は至便な場所にあるのでいつも混んでいる。電話予約しても満員で断られたら、トリグラフ小屋 (2515m) に泊まることができる。翌朝はトリグラフ小屋からいよいよ急な岩壁の登りとなる。小屋から見上げると凄まじい岩場の急登にビビるが、ヴィア・フェラータのワイヤとスタンスがしっかりつけられているので、きちんとハーネスを装着しビレイをとって慎重に登れば心配はない。夏の最盛期は、沢山の子供連れ、家族連れが、日本アルプス最難関の西穂~奥穂を超えるとさえ思える岩場のルートに挑戦している。いったん小トリグラフの頂上に出て、プラニカ小屋からの道を合わせる。因みに、プラニカ小屋から登ったほうが難度は低い。その後、両側が切れ落ちたヤセ尾根をヴィア・フェラータで確保して通過し、ひとしきり急登するとトリグラフ小屋から緊張が連続した1時間半から漸く解放され、円筒状の鉄製で屋根に旗がある小さな避難小屋が目印の頂上につく。天候が良ければ、360度の大展望が見える。スタンプや登頂者の記録帳も用意されている。当日中に下山するには来た道をルドノポリエまで戻ることになるが、ピストンでは少し寂しい。できれば下山は美しい「トリグラフ七湖」に沿って南下し、氷河壁のスリルある急下降を経てボーヒニ湖に至るルートをとること(ただし、この場合は山中の小屋にもう一泊を要する)。この場合は、山頂から登ってきた方向にさらに進み、南西稜を下る。下りの道も急で、随所にヴィア・フェラータのワイヤがあるがこれがついていない急斜面もあり、慎重な下降を強いられる。およそ1時間でトリグラフスカ鞍部に到着、プラニカ小屋への道を左に分け、右を下る。ここも急で、途中足元が切れ落ちた垂直の崖をヴィア・フェラータのワイヤと足場でトラバースする難所がある。約30分で岩場から解放されると、あとはよく整備された道の快適な下りとなる。1時間で下りきったところにドリチュ小屋 (2151m) があり、昼食をとるのにちょうど良い。ここから再びフリバリセ峠 (2358m) まで約1時間で登り返し、そこからは長い下りとなる。峠からの最初の下降部分の道はあまり整備されていないが、やがて道ははっきりして約1時間でゼレノ湖のほとりに着く。歩きやすい登山道はさらに南下、標高1800mあたりで樹林帯に入る。2時間で、トリグラフ湖小屋 (1685m) に到達する。また、森と湖に囲まれた美しいアルプスの景観を望むこの小屋で一夜を明かすこともできる。翌朝は、森の中ベラスカラと呼ばれるジグザグの道を下る。下り切ると左手に高い崖が並行する道となり、ほぼ平坦の展望のない登山道を長々と歩かされる。2時間ほど進んでいい加減退屈した頃、右手にツルノ湖が現れる。ここをしばらく進むと、標高約1300m地点で道はいきなり、ヴィア・フェラータの急降下に変ずる。上部は、目がくらむ高さの垂直に近い氷河壁の下降で、いやが上にも緊張が高まる(夏午後6時以降のこの区間の通過は危険で薦められない)。U字谷なので、進むに連れて徐々に傾斜は緩やかとなり、途中で右にサビカ滝の水が石灰岩の洞穴から出てくるありさまが見られる道を分ける。時間があれば行ってみると良い。そのまま下ると崖の頂部から約1時間半で林道に出る。ここを右折するとすぐにサビカ滝の駐車場 (653m) があり、滝を見た場合はここから登り返すことになる(入場料が必要。先程の源頭が見られる場所のすぐ下が滝なので、道は繋がっていない)。夏のシーズン中は、この駐車場から夕刻に途中ボーヒニ湖、ブレッド湖を経由してリュブリアナ駅に直行するバスが出ている。山域には、食事を出す営業小屋が半日行程くらいの間隔で20以上整備されている。宿泊には事前に小屋に直接電話予約(電話番号は登山地図にあり)が望ましいが、空きベッドがあれば予約なしでも泊まれる。料金は素泊りで、日本の山小屋に似た床にマットレスを敷いた相部屋タイプ(男女同室)の場合、一人20€。予約すれば少し高いが、グループの個室もある。食事は別払いで、1食が10€程度、コーヒー一杯2€程度と日本の山小屋より安い。朝食は朝6時からなので、早発ちの場合は小屋で朝食が取れない。欧州の登山者は、日本のように山で異様に早寝早起きという習慣がなく、朝6時頃まで寝て、夕刻は午後5時を過ぎても行動している。小屋は昼食時間帯も食堂を営業しているので、弁当を持参しなくても小屋に立ち寄って昼食をとれる。小屋では行動食の菓子やペットボトルの飲み物、缶ビール、絵葉書など豊富に取り揃えている。
出典:wikipedia
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