


ハナデンシャ(花電車)は本州中部以南の沿岸に生息するウミウシの一種。鮮やかな赤や黄色の斑点を持ち、その鮮やかさから「花電車」(パレード用に電飾を施した路面電車)の名が付いた。体長10~15センチとウミウシのなかでは大型。全体的には楕円形で、厚みのある体をしている。頭部は半円形に広がり、その周囲には短い樹状突起が16-17個ならぶ。体の側面からはやや長い樹状突起が4対伸び、先端はこぶ状。頭部背面からは1対の触角が伸びるが、これは完全に体内に引っ込めることが出来る。体の背面やや後部の鰓は羽状で5-6個。後端は幅広い。体色は基本色が白で、黄味や赤みを帯びることもある。背中の樹状突起は基部が赤く、先端が黄色く染まる。(以上は岡田他(1976)より)しかし網にかかってもすぐに死んでしまい、体も縮むため捕獲はまれで、生態もあまり知られていない。海底の泥質地に棲み、海中に浮いていることもある。柳沢(1995)は、水槽内の観察例で、匍匐状態から、体を内側に丸くして、水面を漂うことがしばしばあった旨を記している。日本では本州中部以南から知られ、インド洋海域に広く分布する。本来は温かい海に生息している場合が多いため、南方から黒潮に乗って来たと思われる。何を食べているかといった、生態的な性質はほとんどわかっていない(中野、2004)。また、貝の仲間では珍しく、刺激を受けると青白く生物発光をする。柳沢(1995)は、自ら積極的に光ることはなく、軽く握りしめたときにのみ光ったことを記している。
出典:wikipedia
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