


ケナガネズミ(毛長鼠、"Diplothrix legata")は、ネズミ科ケナガネズミ属に分類される齧歯類。本種のみでケナガネズミ属を構成する。日本(奄美大島、沖縄島北部、徳之島)固有種模式標本の産地(模式産地)は沖縄島。体長22-33センチメートル。尾長24-37.2センチメートル。体重400-680グラム。700グラム超えるものさえいる。日本に分布するネズミ科の構成種では最大種。背面は2.9センチメートルの体毛で被われるが、5-6センチメートルの長い剛毛と長さ2.5センチメートルの扁平な刺状の体毛が混じる。尾は0.3-0.4センチメートルの体毛で被われる。背面の毛衣は黄褐色、腹面の毛衣は暗褐色。尾は黒褐色だが、先端(尾の2/5)は白い。後足長4.9-6センチメートル。四肢には鉤状の爪があり、木に登るのに適している。ネズミ科内ではクマネズミ属やセレベスオオネズミ属に近縁とする説がある。アラカシやスダジイなどからなる常緑広葉樹林に生息する。樹上棲。夜行性で、昼間は樹洞で休む。樹洞に木の枝や枯れ葉を組み合わせた直径30センチメートルに達する球状の巣を作る。食性は雑食と考えられ、果実、種子、サツマイモ、昆虫などを食べる。繁殖形態は胎生。秋季から冬季が繁殖期と考えられている。1回に2-5頭の幼獣を産む方言名としてドオジロ(奄美大島)、ヤマアジ、ヤマアージ(沖縄島)、ジュジュロ、ヤマアラシ(徳之島)がある。日本では1972年に国の天然記念物に、2016年に種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されている。開発による生息地の破壊、人為的に持ちこまれたノイヌ、ノネコ、フイリマングースなどによる捕食などにより生息数は減少している。また、交通事故による事故死も問題となっている。
出典:wikipedia
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