


キヒトデ(黄海星、黄人手、学名"Asterias amurensis")は、棘皮動物門ヒトデ綱の生物。一般に「ヒトデ」と呼ばれる生物群の中で、日本でもっとも普通に見られる種の一つのため、かつては単にヒトデと呼ばれた。やや平たい長三角形の腕を、一般的に5本放射状に伸ばすが、個体により4本や6本のものも存在する。体表にはイボ状の棘が密生している。体色は白色から黄色、濃褐色まで個体差が大きい。北太平洋沿岸に広く分布する。近年は船舶のバラスト水により移動し、オーストラリア沿岸にも増殖が認められ、漁業に被害を与えている。肉食であり、魚介類の死骸のほかアサリなどの貝類を捕食する。輻長は大型個体では20cmを超える大型のヒトデである。体内にサポニンを含むため他の生物に捕食されにくい。元々の生息地は北太平洋で、日本・中国北部・朝鮮半島からロシアの沿岸。オーストラリア南部にも移入種として分布する。水温7-10℃を好むが、0-25℃に耐えることができる。塩分濃度18.7-41‰、深度220m以浅に生息する。日本では北海道以南の浅海から海岸の岩礁から砂泥底に広く生息する。有性生殖と分裂による無性生殖を行うことができる。オーストラリアでの有性生殖は6-10月で、雌は2千万個の卵を放出する。孵化した幼生は着底まで120日間のプランクトン生活を過ごす。およそ12か月、直径10cmで性成熟する。本種の「標準和名」は文献によって「ヒトデ」、「キヒトデ」、「マヒトデ」などが使用されている場合がある。これは、1980年代頃まではヒトデが本種の和名として使用されていたが、ヒトデ綱の総称としてもしばしば「ヒトデ」(=ヒトデ類)が使用されて紛らわしいため、発生学者などらによりキヒトデと呼ばれ始め、さらに本種の体色は上記の写真のように黄色とは限らないことからマヒトデが提唱されたという複雑な経緯を持つためである。日本では、ホタテガイやアサリなどの漁業資源を捕食するため、しばしば駆除の対象となる。熊本県の一部の地域では卵巣を食用とするが、基本的に利用価値は低く、多くは邪魔者として扱われている。世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種の一つである。
出典:wikipedia
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