株式会社ガイナックス()は、日本のアニメ制作会社。日本動画協会正会員。アニメーション等のメディア制作を中心に行っている。中でもアニメーション部門に関しては世界的にも有名であり、1990年代には社会現象を巻き起こした大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を制作。他の代表作には『ふしぎの海のナディア』『トップをねらえ!』など。1980年代末からのコンピュータゲーム制作では『プリンセスメーカー』シリーズなどのヒット作品を残した。現在では書籍等の出版も行っている。実制作を行う場合は他社へ委託する形をとっていた(テレビシリーズの多くが他社との共同制作名義である)が2004年開始のビデオシリーズ『トップをねらえ2!』から『王立宇宙軍 オネアミスの翼』以来の制作部門が立ち上がり、自社単独名義による元請制作のほか従来の作画協力等ではなく他社のテレビシリーズのグロス請けも行っている。社名は島根県の東部、鳥取県の西部の方言(雲伯方言)で「大きい、凄い」という意味の「がいな」に未知を表す「X」をつけたもの。なお「がいな」という方言自体は紀南、四国の一部、また愛媛県から海を隔てた大分県の沿岸部でも使用される。当初は企画・演出・作画に特化した制作会社で所属するアニメーター・演出家も他社に比べてそれらの個性(少々悪く言えばクセ)が強く、原作・キャラクターデザインから脱線した感が出るほどに際立つ場合もある。各話ラストで「つづく」のテロップを挿入する演出は、『トップをねらえ!』から歴代ガイナックスオリジナル作品へと引き継がれている。また最終話サブタイトルにSF小説の題名を流用している作品も多い。比較的緩い。ファンによるエヴァンゲリオンの画像のウェブ上での使用を部分的に許諾する公式サイトのトップページでの漫画家・イラストレーターとのコラボレーション、上記のような所属スタッフの他社への出向・制作協力、公式同人誌のコンスタントな発行等を積極的に行うなど他社と一線を画した活動で注目されている。本社のスタッフとの協同作業を行う機会が多い外部の監督として、大地丙太郎・細田守・押井守が挙げられる。他社が自社作品のイメージを保つ為に18禁同人作品に対して厳しい姿勢を示している中、ガイナックスは自社の一般アニメ作品のキャラクターを使った『電脳学園III トップをねらえ!』『エヴァと愉快な仲間たち 脱衣補完計画!』や現存する社員を扱った『ガイナックス連続殺人事件(エロ)』といった成人向けゲームを自ら制作している。ただし、先述の『エヴァと愉快な仲間達 脱衣補完計画』では『ふしぎの海のナディア』のキャラクターは対象外になっている。1981年の日本SF大会「DAICON 3」のオープニングアニメーションに関わった関西の学生らが、「DAICON FILM」として映像制作を行っていた。岡田斗司夫、武田康廣、赤井孝美、山賀博之、庵野秀明、村濱章司といった面々である。彼らは学生時代から大阪府門真市の海洋堂の常連であった。DAICON 3の後、岡田と武田は大学を中退しSFグッズショップ「ゼネラルプロダクツ」を大阪寺田町で設立。ゼネラルプロダクツは学生主体のDAICON FILMと密接な関係を持ちながら活動した。DAICON 3が評価され、山賀と庵野が『超時空要塞マクロス』に参加。マクロスは人手が足りなく下請けに発注したカットが使えるかどうかも問題となっていた状況で山賀は赤井から前田真宏と貞本義行を紹介され、『マクロス』に参加を依頼。前田、貞本との出会いとなる。ゼネラルプロダクツの経営が軌道に乗ったところで、「もう何もすることが無い」と1人中心から外れていた岡田に山賀が「プロになる」ことを持ちかける。ゼネラルプロダクツは、プロとしての映像制作を模索する岡田と山賀に200万円の活動資金を提供。DAICON FILMとゼネラルプロダクツは、ガイナックスの母体となった。1984年秋、岡田は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(劇場公開時の題名)を企画。制作にあたり、12月24日にガイナックスを設立した。これに、ゼネラルプロダクツとDAICON FILMのメンバーと岡田の知人でテレビアニメ『レンズマン』のプロデューサーを務めていた井上博明が加わった。ガイナックスは『王立宇宙軍』のパイロットフィルムを制作、4分ほどの作品が1985年4月に完成した。村濱章司によると「鉛筆削りのクズ」がガイナックス社内では大量に出ており、「いかに絵を描くのが好きな人たちが集まっている会社なのか、よくわかった」と述べている。岡田は『王立宇宙軍』のパイロットフィルムと企画書をバンダイ(DAICON FILM最後の作品となった自主製作特撮映画『八岐之大蛇の逆襲』の販売元)の役員会に持ち込み、(バンダイがそれまで経験したことがない)映像事業に投資するようプレゼンテーションを行った。バンダイは投資を決断、『王立宇宙軍』は劇場用映画として制作され1987年に公開された。この当時『オネアミスの翼』への制作過程は「月刊モデルグラフィックス」において詳細に連載されており経緯を知ることができる。樋口真嗣によるとこの頃はまだガイナックスが「硬派」だったが、次回作の『トップをねらえ!』で「軟派に変貌を遂げた」と述べている。ガイナックスは当初『王立宇宙軍』が完成すると同時に解散する予定であったが、同作品の制作費が予定を大きく超過したため超過分は借金となった。そのため借金を返済すべく経営を続け、OVA作品の『トップをねらえ!』を制作した。同作品は好評だったもののこちらにも過大な制作費をかけてしまったため、結果的に借金は膨らんだ。ガイナックスはさらに経営を続けざるを得なくなり、アニメ制作の下請けや孫請けも行なうようになっていく。1989年から1990年にかけては、池沢さとしが「週刊プレイボーイ」に連載した漫画『ビートショット!!』『サーキットの狼II モデナの剣』をOVAで制作。また『サイレントメビウス』のゲーム化も手掛けている。これらを企画した岡田はクリエティブな発想による発案でなく、借金を返済するための「これは売れる」というセールス優先の完全に売れ線狙いの作品だったと後に語っている。1989年からは岡田の発案により、パソコン向けコンピュータゲーム制作にも乗り出しアニメと両輪の企画・制作を続けた。ゲーム製作開始にともないパソコン雑誌『I/O』編集部の柏原康雄を迎え入れ、I/O系のゲームプログラマーを中核として陣容を固めた。北久保弘之も監督した『電脳学園』シリーズ、眠田直による『バトルスキンパニック』などがあり特に赤井が監督とキャラクターデザインを担当した1991年の『プリンセスメーカー』シリーズは大ヒットを飛ばし他メーカーが追随したことにより育成シミュレーションゲームというジャンルの先駆けとなり、また赤井も人気クリエイターの仲間入りを果たした。1992年、ゼネラルプロダクツはワンダーフェスティバルの権利を海洋堂に委譲した後にガイナックスと合併した。この年には、創設メンバーだった前田真宏らが独立して、GONZOを設立。DAICON FILM時代以来、ずっと舵取りをして来た社長の岡田もこの年に退社し、澤村武伺が第二代社長となった(2000年迄)。1988年からのOVA『トップをねらえ!』で注目を集め始め、テレビアニメ『ふしぎの海のナディア』はアニメ雑誌の表紙や巻頭特集を度々飾り、人気投票でも1位を取る1990年の最大の話題作となった。1991年に発表したOVA『おたくのビデオ』は、1970年代末から1980年代前半のアニメブームを背景として活躍したDAICON FILM時代からのガイナックス自身をセルフパロディ化した作品。一説にはこの作品がアメリカの日本アニメファンの間に「おたく」という言葉を広めたとも言われる。そして、1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』はアニメの枠を乗り越えて社会現象を巻き起こし、ガイナックスは一躍脚光を浴びた。その中、1997年の『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版では完結編の公開が延期になる事態が起きた。2006年取締役だった庵野秀明が退社独立し9月にアニメ制作スタジオ「カラー」設立。鶴巻和哉、摩砂雪なども同社へ移籍。2007年には久しぶりとなるガイナックスオリジナルのアニメ作品『天元突破グレンラガン』を製作。また、『新世紀エヴァンゲリオン』のリメイク作品である『』が劇場公開されたが、本作は庵野秀明が新たに興したアニメ製作会社「カラー」の作品である。エヴァンゲリオンの諸々の権利を持つガイナックスは原作協力としてクレジットされているのみで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの著作権はカラーが所有している。2010年には子会社として、CG制作を主業務とする「吉祥寺トロン」を設立。2011年1月には本社を小金井市から三鷹市下連雀(旧・春日電機株式会社本社ビル)に移転。同年2月には最新作である“ SUBARU x GAINAX Animation Project ”第1弾アニメ『放課後のプレアデス』をネット配信中(富士重工業(スバル)とのコラボレーションアニメ)。同年8月、大塚雅彦と今石洋之が独立し、トリガーを設立した(すしお、吉成曜なども同社へ)。同時期から秋にかけて貞方希久子、山口智、錦織敦史、上村泰ら複数人が退社している。2011年には赤井の郷里である鳥取県米子市に『ヨナゴフィルム』を設立。映画祭『米子映画事変』の支援を行う。2012年4月には初の実写連続テレビドラマ『エアーズロック』を制作、東・名・阪 ネット6で放送。2013年2004年以降のガイナックス制作部門を立ち上げた白石直子プロデューサーが退社独立し「ミルパンセ」を設立。2014年2月にはイオン米子駅前店にレンタルスペース「ガイナックスシアター」をオープン。2015年1月には福島県で閉校になった中学校に制作スタジオやミュージアムを開設することを発表。同年4月からは『Panty & Stocking with Garterbelt』以来4年ぶりとなる30分オリジナルテレビアニメシリーズ『放課後のプレアデス』(テレビシリーズ版)を放送した。2016年3月には神戸アニメストリート内に関西支部「GAINAX WEST」を新設することを発表した。太字は元請制作作品。ゲームの他にもCG集やデスクトップアクセサリー集なども発売。他社からも版権作品が発売されている。以下はガイナックスの元スタッフが興した制作会社群
出典:wikipedia
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