金 益見(キム・イッキョン、、1979年7月14日 - )は、日本の民俗学者(地域文化論・ラブホテル研究)。学位は博士(人間文化学・2009年)。神戸学院大学人文学部講師。コラムなどでは筆名として金 いっきょん(きむ いっきょん)名義を使用する場合もある。音楽活動ではいっきょんゴールド名義を使用する。在日韓国・朝鮮人三世として大阪府大阪市生野区に生まれる。10代で父を心筋梗塞で亡くし、母子家庭に育つ。神戸学院大学進学後、卒業論文のテーマに悩んでいた際、列車内の中吊り広告に発想を得てラブホテルの研究を開始する。人文学部長(当時)のトイレ研究専門家・水本浩典に卒業論文指導教員となってもらい、大宅壮一文庫や国立国会図書館などで雑誌文献調査を中心としたアプローチで研究を進め論文を完成させ卒業した。しかし、神戸学院大学大学院人間文化学研究科に進むと、「卒論の時、自分はすごいことをしていると思ったが、当時は資料を集めているだけだった」との思いから、フィールドワークを中心にしたアプローチで再度ラブホテルに取り組むことにした。出版社に「ただ働きでいいから、取材について行かせて欲しい」と電話し、ラブホテル特集雑誌の記者に同行し、ホテル経営者にインタビューを申し入れる手法を採った。5年間で1000室超のラブホテルを訪れ、「本来の目的にこだわるか、付加的なサービスを求めるか」といった視点を交えつつ、日本のラブホテルの変遷を研究成果として纏めあげた。また、参考文献として『「変態」の時代』を購入する際、店頭で『マンガ嫌韓流』や『「在日コリアン」ってなんでんねん?』といった書籍を見かけたことから、在日韓国・朝鮮人と日本人との相互理解に関心を抱くようになった。その後、在日韓国・朝鮮人へのインタビュー記事を掲載するウェブサイトの運営に携わることになり、大阪市立大学大学院経済学研究科教授の朴一らに取材を行っている。現場取材を重視するスタイルをとる。2008年、著書『ラブホテル進化論』により橋本峰雄賞を受賞した。2009年、神戸学院大学大学院にて人間科学研究科の博士後期課程を修了し、博士(人間文化学)の学位を取得した。博士論文のタイトルは『「消費される女性・消費する女性」に関する風俗史的研究』であった。大学院修了後は、2009年より大手前大学の講師を非常勤で務めた。また、2013年より神戸女学院大学においても講師を非常勤で務めている。同年、神戸学院大学の人文学部にて、専任の講師に就任した。学術団体としては、現代風俗研究会、日本出版学会、日本編集者学会などに所属している。キムの著書について、『讀賣新聞』紙上では「羞恥心という日本人の性意識を底流に、ホテルの持つ陰と陽を描いた」作品とされ「一つの文化論にまで昇華した」と評されている。国際日本文化研究センター教授の井上章一は、ラブホテル専門設計事務所に対するキムの論考について「現場へ力をそそぐあまり、日本を世界の中で相対化する目がうしなわれた」と指摘しつつ、「主知的で現場取材をおっくうがる若い学徒も多い今日、この健脚ぶりは貴重」であり「かしこげな社会学より、ずっと読みごたえがある」と評している。また、「石川県とラブホテルのつながり」を知り「台湾系、韓国系あたりの人々がかかわっている先入観もこれを読めばぬぐいされる」と評している。著述家の青木るえかは「『はじめに』には蛇足を感じた」と指摘し「こんなのはナシでさっさとラブホテル内部に切り込んでくれたらよかった」と評しているが、「この本は『ラブホテルがいかに不思議な(しかし下世話な本能の求めるままに)工夫と進化をしていったか』を教えてくれる」とも評している。フィールドワークの際は(在日同胞を含む)経営者側から協力を断られることも多かったが、火災に遭ったホテルの経営者が著書を読んで勇気づけられ「一言お礼が言いたい」と出版社に連絡してくることもあったという。好きなミュージシャンとして小沢健二、好きな作家としてよしもとばなな、宮本輝、好きなタイプの男性として朴一を挙げている。音楽活動時は「いっきょんゴールド」と名乗っており、インディーズデビュー時もこの名義でCDを発売しているが、これは本名の「金」を「ゴールド」と捩ったものである。研究を通じ「さげすまれる中、企業努力で、理想を形にするホテル作りにロマンを感じる」とする一方、「ラブホテルの持つ卑わいさ」には未だに抵抗を感じている。「(このテーマを続けていたら)嫁にいかれんかもしれん」と心配し「あの人ラブホに行きまくってるらしいよ、なんて学部内で後ろ指さされるし、親にも卒論のテーマは最後まで内緒」にしていた。雑誌記者とラブホテルを訪れた際は、男性2人にキム1人の3人組での取材だったため、廊下ですれ違う利用客のカップルが声を潜めて噂し合い、恥ずかしさで思わず柱の陰に隠れた逸話を持つ。なお、2008年3月現在、研究以外の目的でラブホテルを利用した経験はない。文春新書から初めて自著を出版した際、本に付けられた帯にキムのバストアップ写真が掲載された。また、『讀賣新聞』紙上にて自著が取り上げられた際には、ラブホテルの客室で撮影されたポートレートが掲載された。
出典:wikipedia
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