「待ちぼうけ」(まちぼうけ)は、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の唱歌(童謡)である。1924年(大正13年)に、満州唱歌の一つとして発表された。相対音階において、ドで始まらずドで終わらない珍しい曲である。ちなみに原曲はニ長調である。歌詞は中国の法家の思想書の一つ『韓非子五蠹篇』の中にある説話「」から録られたものである。説話の内容は、昔宋に農民がいた。彼の畑の隅に切り株があり、ある日そこにうさぎがぶつかり、首の骨を折って死んだ。獲物を持ち帰ってごちそうを食べた百姓は、それに味をしめ、次の日からは鍬を捨て、またうさぎがこないかと待っていたが、二度と来なかった。そのために作物は実らず、百姓は国の笑いものになった。ここからという成句ができた。本来は、古い習慣に確執し、全く進歩がないこと、また、臨機応変の能力がないことの意味であり、韓非はこの説話を、古の聖人の行ったような徳治を行うべきだという儒家の主張を批判し、「昔の統治方法をそのまま用いるのではなく、時代に合わせて変えるべきだ」という文脈で用いた。「改新」や「改革」などということばが悪しく取られかねない「滅私奉公」の時代であったため、偶然の幸運を当てにして時間を無為に過ごすな。楽をして金儲けをしようと思うなというふうに教えられた。この歌は、満洲(中国東北部)に在住する日本人たちに、満洲にちなんだ、しかも格調の高い音楽教材をほしいという満洲教育會の依頼によって作られたものである。そのために、説話では作物の種類は示されていない(歴史考証からは粟と思われる)が、この歌では「きび畑」である。後に内地にも紹介され、戦前の節食、倹約の思想と相まって、人々に愛唱された。
出典:wikipedia
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