檜(ひのき)は、大日本帝国海軍の駆逐艦。松型(丁型)の16番艦である。日本海軍の艦名としては2代目(初代は二等駆逐艦「桃型」3番艦)。丁型一等駆逐艦第5502号艦として横須賀工廠で建造された。就役後、訓練部隊の第十一水雷戦隊(高間完少将・海軍兵学校41期)に編入。燃料ポンプの歯車破損の修理を行った上で瀬戸内海に回航され訓練に従事する。10月17日、アメリカ軍がフィリピン、レイテ湾のに上陸し、日本軍は捷一号作戦を発動した。この作戦は小沢治三郎中将(海兵37期)が率いる機動部隊が囮となって第38任務部隊(マーク・ミッチャー中将)をひきつけ、その隙に栗田健男中将(海兵38期)率いる第二艦隊主力がレイテ湾に突入しアメリカ軍の上陸部隊を撃破するというものであった。第十一水雷戦隊旗艦の軽巡洋艦「多摩」は「杉」とともに機動部隊に加わり、海戦に出陣しない高間少将はこれを機会に第十一水雷戦隊の旗艦を変更することとなる。10月18日10時を期して第十一水雷戦隊の旗艦となり、11月23日に「楓」に変更されるまで旗艦の任務を務めた。11月15日に「桑」「杉」「樫」「樅」とともに第五十二駆逐隊(岩上次一大佐・海兵60期)を編成。11月23日付で第五十二駆逐隊は第三十一戦隊(江戸兵太郎少将・海兵40期))に編入された。11月25日、昭南に向かうヒ83船団を空母「海鷹」、「樅」「榧」などとともに護衛して門司を出撃。高雄到着後はヒ83船団と別れ、12月3日に高雄を出港して馬公経由で呉に帰投後、12月17日に「時雨」「樅」とともにマニラ方面への緊急輸送任務に就く空母「雲龍」を護衛して呉を出撃する。しかし、2日後の12月19日に「雲龍」は東シナ海でアメリカ潜水艦レッドフィッシュ ("USS Redfish, SS-395") の攻撃により沈没する。「雲龍」沈没後から反撃を開始し、約46メートル、次いで約70メートルの深度に潜むレッドフィッシュに対して12発の爆雷を投下。二度目の攻撃では爆雷9発を投下して油圧計や音響装置を破壊し、1人の乗組員が突然開いたドアに頭部を激突させ、その衝撃で耳がちぎれ飛んだ。電池も亀裂が走り電気系統もダメになった。レッドフィッシュは沈没を免れたものの、これ以上の哨戒を断念して真珠湾に戻っていった。レッドフィッシュを追い払った後はそのまま南下して高雄に入港し、12月22日に出港して12月24日にマニラに到着。12月中は樅とともにマニラとサンジャック、カムラン湾との間で輸送任務に従事した。12月31日、樅とともに特設給糧船「生田川丸」(元イタリア船カリテア、4,013トン)を護衛してサンジャックを出港し、1945年(昭和20年)1月4日にマニラに到着。翌日には「生田川丸」を連れてマニラを出港。しかし、この時ルソン島西岸部にはリンガエン湾を目指すアメリカ艦隊と輸送船団が、幾度かの神風特別攻撃隊の攻撃に遭いながらも北上中だった。これを見た南西方面艦隊司令長官大川内傳七中将(海兵37期)は、輸送船団への殴りこみ攻撃を命令する。「生田川丸」を逃した後、午後には掃海担当の第77.6部隊の背後に躍り出て第77.6部隊を驚かせた。第77.6部隊を護衛していたオーストラリア海軍スループの ("HMAS Warrego, U73") と ("HMAS Gascoyne, K354") 、助太刀に来たアメリカ駆逐艦 ("USS Bennion, DD-662") と交戦するが、約一時間の交戦でさしたる戦果も被害もなかった。避退後間もなく、第77任務部隊の護衛空母から発進した艦載機の攻撃が始まり、多数の至近弾を受けて缶室が焼け、一時航行不能となる。さらに潜水艦の雷撃を受けたが回避し、応急修理で12ノットの速力が出るまでに回復させてマニラに帰投した。ともに行動していた「樅」は、舵を損傷した後の19時10分に航空魚雷が命中して沈没した。1月7日午後、再度サンジャックへの脱出を試みてマニラを出港する。しかし、リンガエン湾へ向かう輸送船団のうちサン・ファビエン上陸に派遣された輸送船団と遭遇。その護衛艦艇の内の駆逐艦 ("USS Charles Ausburne, DD-570") がレーダーで「檜」を捉えて調査に向かい、照明弾で「檜」を照らし出した。チャールズ・オースバーンは「檜」に対して砲撃を行い、その間別の駆逐艦 ("USS Braine, DD-630") が「檜」を照らし出した。「檜」は東方へ逃走するも砲火を散々浴びた末に爆発を起こし、後部から沈没していった。「檜」も反撃したが、チャールズ・オースバーンには命中弾はなかった。駆逐艦ラッセル (USS Russell, DD-414) が生存者を捜索したものの発見できず、岩上司令、駆逐艦長山口浩少佐(海兵64期)以下乗員全員が戦死した。4月10日に除籍。
出典:wikipedia
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