『もじゃもじゃペーター』(ドイツ語:Der Struwwelpeter)は、1845年にハインリッヒ・ホフマン(Heinrich Hoffmann、1809年6月13日 - 1894年9月20日)により発表された、ドイツの子供向け絵本である。本書は韻を踏んだ文章による挿絵付きの10作の物語から構成され、そのほとんどは子供が主人公である。どの作品でも、不品行とその結果による悲劇の顛末が誇張された表現で描かれ、明確な教訓が示される。最初の物語の題名が本書全体の表題となっている。原題のStruwwel-Peterとは、ドイツ語で「もじゃもじゃ頭のペーター」の意味である。1844年のクリスマスに、フランクフルトの精神科医ホフマンは、息子に絵本を買い与えようと考えていた。書店が薦めた絵本は彼に感銘を与えなかったため、彼は本の代わりにノートを一冊買い求め、彼自身の手で物語と挿絵を書き綴った。1845年にホフマンは友人らの勧めを受けて、この物語を『Lustige Geschichten und drollige Bilder mit 15 schön kolorierten Tafeln für Kinder von 3-6 Jahren(3歳から6歳児のための、15枚の美麗に彩色された滑稽な挿絵と愉快な物語)』の題で、匿名で出版した。1858年に第3版が出版されるまで、本書は『Struwwelpeter』の題では出版されなかった。『もじゃもじゃペーター』は複数の言語に翻訳されている。最初の英訳は1848年に行われた。マーク・トゥエインによる本書の翻訳は、『Slovenly Peter(だらしないピーター)』と題されていた。2006年に、ボブ・スタークの翻訳と挿絵による『もじゃもじゃペーター』の最初の完全なデジタルバージョンを、ファンタグラフィックス・ブックスが発行した。1848年に発行された本書の英訳版では、「真っ黒な男の子達の話」に登場するニコラスは、「のっぽのアグリッパ(Tall Agrippa)」に改名されている。同版では他にも原文からの改変が行われている。例えば、「乱暴な狩人の話」は「猟に出かけた男の話("The Story of the Man Who Went Out Shooting")」と改題されている。「マッチによる悲惨な話」(同版では「……ハリエットとマッチ ("...Harriet and the Matches")」と改題)では、オリジナルのドイツ語版では「ミンツ(Minz)」と「マオンツ(Maunz)」と名付けられている猫たちに名前が与えられていない。更にこの版では、「スープのカスパーの話」は「絶対にスープを飲もうとしなかったオーガスタスの話("The Story of Augustus Who Would Not Have Any Soup")」に改題された。日本では、本書は1936年に『ボウボウアタマ』の題で、伊藤庸二の訳で帝都書院から初めて翻訳出版された。『ショックヘッデッド・ピーター("Shockheaded Peter"、SHP)』は、『もじゃもじゃペーター』に基づくミュージカルであり、ジュリアン・ブリーチ、アンソニー・ケアンズ、ジュリアン・クラウチ、グレーム・ギルモア、タムジン・グリフィン、ジョー・ポコック、フェリム・マクダーモット、マイケル・モリス、そしてザ・タイガー・リリーズ(マーティン・ジャック、エイドリアン・ヒュージ、エイドリアン・スタウト)らにより制作された。『SHP』はパントマイムと人形劇の要素を組み合わせた、この韻文のミュージカルバージョンである。基本的に歌詞は元詩のテキストを忠実になぞっているが、元詩よりもはるかに暗鬱な雰囲気を歌詞に与えているいくつかの顕著な相違点がある。元詩に登場する子供達は常に死ぬとは限らないが、ミュージカルでは全員が死ぬ事になる。リーズのウェスト・ヨークシャー・プレイハウスと西ロンドンのハンマースミス・リリックの依頼により、このミュージカルは1998年にリーズで初公演され、次にロンドン公演を行い、ワールドツアーを行った。2006年8月に本書の新たな舞台化である『Struwwelpeter - In English!』が、第60回エジンバラ・フェスティバルで上演された。この舞台化では様々なマジックやパントマイム、フィジカル・シアター、ブラック・コメディを用いて、本書を再解釈した。このショーはチケット完売で終了し、2007年の再上演でもチケットを完売した。「もじゃもじゃ頭のペーター(シュトルッヴェルペーター)」を除いた他の物語、特に「落ち着きのないフィリップ(ツァッペルフィリップ)」と「上の空のハンス(ハンス・グック・イン・ディー・ルフト)」の話は、注意欠陥障害(ADD)の児童を描写した物語であると強く信じられている。ドイツ語ではしばしばADDは、「ツァッペルフィリップ症候群」と呼ばれる。
出典:wikipedia
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