『柳生十兵衛あばれ旅』(やぎゅうじゅうべえあばれたび)は、日本のテレビ時代劇。主演 : 千葉真一、制作 : テレビ朝日・東映。『柳生あばれ旅シリーズ』の第2作である。ANNにて1982年10月19日 - 1983年4月26日の毎週火曜日21時から21時54分に全26話放送された。千葉真一が当たり役である柳生十兵衛三厳に扮した5度目の作品で、1980年に放送された『柳生あばれ旅』の続編。本作では乱心者を装った十兵衛が賞金首のお尋ね者になりながら、中山道六十九次を巡検する妹・柳生茜を助けていく物語で、十兵衛の変装(幻天狗・権兵衛爺さん)も見所の一つになっている。茜の志穂美悦子は、映画・テレビドラマ『柳生一族の陰謀』以来の再演。山村聡・黒崎輝・真田広之・小島三児が前作に引き続き同じ役柄で出演し、裏柳生には千葉率いるジャパンアクションクラブ ("JAC" ) のメンバーが配役された。2012年のハリウッド映画『アベンジャーズ』のサミュエル・L・ジャクソンが扮した役柄は千葉真一の柳生十兵衛を参考としているなど後世の作品にも影響を与え、福岡ソフトバンクホークスの監督・秋山幸二は「あなたにとってサムライとは?」という問いに「千葉真一の柳生十兵衛は、生きるか死ぬか究極の真剣勝負というイメージがいい」と評し、根強い人気がある。中山道六十九次を旅していく物語だが、前作と異なり各話サブタイトルに宿場の表記はなく、劇中で宿場が示され、第10 - 11, 13, 15 - 23, 25 - 26話の柳生十兵衛がクライマックスで戦うシーンではテレビ時代劇『柳生一族の陰謀』のオープニングテーマ、各話に『柳生一族の陰謀』のBGMも使われ、第10, 21話ではテレビ時代劇『服部半蔵 影の軍団』のBGMが流れている。第7話「宿場に散った花一輪」の裏柳生の櫓、第10話「くノ一の赤い唇」の十兵衛が敵の鞭を躱す体術と戦い、第18話「偽りの生き埋葬」の十兵衛と裏柳生の峡谷での崖登り、第22話「裏切りの忍び文字」の又平と弥平次の戦い、第24話「古城の謎を見た女」の十兵衛が石火矢の大爆破を躱す体技と戦いなど、随所に千葉真一以下"JAC" のアクロバティックな殺陣やスタントが盛り込まれている。徳川家光と徳川忠長の争いは忠長の配役こそ変わっているものの、前作の第7話「駿府城(秘)女の斗い」から第5話「八百万石を狙う男」へ繋がり、第24話「古城の謎を見た女」は三上藩のお家騒動を脚色した内容となっている。江戸時代の徳川家光の治世時、寛永年間に入るとようやく安定しつつあったが、家光は太平の世に奢ることなく、武道奨励になお一層の力を注いでいた。寛永十年、江戸城の吹上御苑にて、諸国から選りすぐられた武芸者たちによる武芸試合が催された。世に言う寛永御前試合である。家光をはじめ、薩摩藩主・島津家久(島津宰相)ら幕閣諸侯が臨席し、行司には将軍剣術指南の柳生但馬守宗矩、後見には柳生十兵衛三厳がいた。幾多の試合を経て、薩摩示現流の南郷三兄弟の活躍は目覚しく、最強流派の栄誉に輝いた。家光が「薩摩示現流は日本一の剣」と褒め称えたものの、南郷三兄弟の次兄は「柳生新陰流と戦わずして日本一とは言えず、柳生十兵衛三厳殿とこの場で戦わせてほしい」と申し出る。宗矩は「柳生新陰流は将軍家お家流のため、他流試合は禁じられている」と断るが、島津宰相や南郷兄弟から「机上の剣法、逃げるか」と挑発。宗矩は「他流との試合は禁じられているが、将軍家との申し合いはご披露できる」と返し、家光へ「締めくくりに倅・十兵衛三厳と一手いかがでしょう?」と誘う。「幾多の試合を観て、ウズウズしてた」と家光は言い、十兵衛と試合を始めた。家光は幾度も打ち据えられるが、徐々に十兵衛は手加減なしに打ち込んでいく。異様な雰囲気になっていくなか、南郷三兄弟が日本刀を持ち出し、割って入り十兵衛に決闘を申し込むが、十兵衛は長兄を容易く木刀で撲殺してしまう。宗矩の制止を聞かず、十兵衛は宗矩とも脇差で斬り合い、場は騒乱と化す。乱心した十兵衛を誰も止められず、高笑いしながら十兵衛は江戸城から忽然と去っていく。三年前から大奥へ上がり、御台所孝子に仕えていた妹の柳生茜は、この騒動で閉門蟄居となった柳生家へ戻っていた。茜は優しかった十兵衛が乱心したとは信じらず、動揺が収まらない。そんな茜に宗矩は道場で実力を確かめる。後日、家光以下幕閣諸侯が集まる閣議の場で、宗矩は十兵衛を勘当したと報告。その場にいた島津宰相は「柳生家が上様より拝命された、中山道巡検使を返上せよ」と宗矩へ迫る。巡検させず、街道周辺に居る反徳川勢力を結集することを企んでいた島津宰相は、ゆくゆくは江戸幕府転覆を目論んでいた。しかし宗矩は「将軍家安泰のために、中山道の整備は急務。巡検使は末娘の茜に拝命していただきたい」と願い出た。幕閣諸侯から異論が噴出したものの、宗矩は「お役目を失敗したら、柳生一族郎党全て切腹する」と言い切る。十兵衛の乱心は幕府に反逆を企てる敵を欺くために、宗矩や家光と示し合わせた狂言芝居であった。宗矩は十兵衛が巡検使として中山道に赴くと、反徳川の陰謀の噂ある街道の諸藩や江戸・京の要人たちも警戒を強め、鳴りを潜めるばかりであぶりだせず、これら反徳川の黒幕を島津宰相と睨んでおり、十兵衛を表舞台に立たせず、確かな証を掴ませようとしていた。宗矩は十兵衛と秘かに再会。十兵衛は「女の嗜みを身につけさせるために、茜を大奥へ上げていたはずだ。侍へ戻すとは手前勝手」と父へ苦言を呈するが、「茜は柳生の子だ。巡検使は柳生家のお役目」という宗矩の覚悟を知る。「茜は必ず守ってみせる」と誓った十兵衛は、野に下る。正式に家光より巡検使を拝命した宗矩は、茜へ「又十郎は柳生の里を離れられん。今日より男になれ。『柳生縫之介』を名乗り、十兵衛に代わり中山道巡検使として京へ向かえ」と命じ、随行には柳生家家臣・鏑木太郎兵衛と裏柳生の阿里助・朱実兄妹をつけた。男装した茜は京を目指し、中山道六十九次へ旅立つが、十兵衛が影ながら見守っていた。彼らは訪れた宿場町で様々な人々と出会いながら、巡検する。市井では十兵衛乱心の芝居を興行した芝居小屋・夢乃屋お駒一座が江戸所払いを命じられ、座員も千平・万十以外は全て逃げられていた。途方にくれていたお駒を励ましたのは、正体不明の権兵衛爺さんで、座員を集めてくると約束する。新しい座員(裏柳生)と共に旅へ出るよう促され、あたかも誘導されるように茜たちと同じ中山道へ出立。茜・太郎兵衛・阿里助と夢乃屋お駒一座は、中山道の先々で出会う間柄となっていく。十兵衛は賞金首のお尋ね者になったため各地で賞金稼ぎに狙われ、幻天狗・権兵衛爺さんに変装して敵を晦ましながら、裏柳生を引き連れ、茜ら巡検使一行を隠密裏に助けていくが、幕府転覆を狙う島津宰相が率いる薩摩藩の刺客、中山道周辺の諸藩、徳川を怨む真田忍群・鞍馬衆・野洲一族、幕閣で柳生家の失脚を図る大目付と配下の江戸甲賀百人組、尾張柳生、剣豪、妖術使いらと壮絶な死闘を繰り広げる運命が待ち構えていた。基本的に旅姿の十兵衛が、街道筋を歩くシーンがほとんどだが、タイトルバックで馬に乗って水辺を走る十兵衛が、待ち受けていた茶色の忍び装束姿の薩摩藩隠密と戦うために下馬し、壮絶な殺陣を披露するなど、随所に十兵衛の殺陣シーンが織り込まれている。なお、前作では主なキャストの紹介がほとんどであったが、本作では前述のシーンをバックに、それぞれの回に出演する俳優たちが役名付きで(役名なしの場合もあり)紹介されている。十兵衛がメインのオープニングと異なり、縫之介(茜)・太郎兵衛・阿里助の3人が和気あいあいとした道中を行くシーンがメインで、このシーンをバックに主題歌「明日よ、風に舞え」が流れる中、それぞれの回のスタッフが紹介されている。地上波ではANN系列局各局、BS・CSではファミリー劇場・東映チャンネル・時代劇専門チャンネルで再放送が行われている。2015年に時代劇専門チャンネルで再放送がされた際には、前作『柳生あばれ旅』と併せる形でCMが放送された。シリーズ2作品のCMでは、冒頭に本作第26話の十兵衛による薩摩藩邸襲撃シーンで、台詞は第1話の「幻天狗」初登場時のものを使用。その後は前作第26話後半や本作の第1話のそれぞれの立ち回りのシーンが使われ、最後は本作のアイキャッチ(十兵衛が太刀を構える決めポーズ)が使用されている。本作のCMでは、冒頭のシーンは本作の同じ回・同じシーンの別の場面に切り替えられ、十兵衛が「柳生十兵衛推参!」と呟く箇所は、本作第1話の立ち回りで十兵衛が太刀の兜割りを構えるシーンに変更、その後は第1話や第26話のシーンを使用した後、十兵衛役の千葉真一が視聴者に向かって「『柳生十兵衛あばれ旅』、是非、ご覧になって下さい!」と呼び掛けるところで締め括られている。千葉真一が柳生十兵衛三厳に扮した作品
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。