インドシュモクザメ はシュモクザメ科に属するサメの一種。最大1.9mで、体は細長く、第一背鰭は高い。ハンマー型の頭部(”cephalofoil”)は非常に長く、全長の半分の長さに達する。この頭部により立体視や嗅覚能力、電気受容器や機械受容器の量が向上していると考えられている。インド太平洋西部の沿岸に分布し、硬骨魚や甲殻類・頭足類を食べる。胎生で、毎年6-25匹の仔を産む。人には危害を加えない。漁業により個体数が減少している地域が多く、IUCNは保全状況を準絶滅危惧としている。1785年、ドイツの博物学者マルクス・エリエゼル・ブロッホは"Squalus zygaena"(現在のシロシュモクザメのシノニム)の1個体を記録した。1817年の『』 において、フランスの動物学者ジョルジュ・キュヴィエは、ブロッホの記録した個体に"z. nob. Blochii" の名で言及し、シロシュモクザメとは別種であることを明らかにした、キュヴィエは本種に適切な学名を与えなかったが、1822年にアシル・ヴァランシエンヌが別の標本を記録した時には、キュヴィエを命名者とする形で "Zygaena Blochii nobis" の学名が用いられている。1862年、テオドール・ギルは新たに "Eusphyra" 属を設立し、本種を含めた。この名はギリシャ語の "eu"(真の)・"sphyra"(鎚)に由来する。だが、当時の専門家は本種をそれまで通りシュモクザメ属に含めることを好んだ。"Eusphyra" 属は1948年にHenry BigelowとWilliam Schroederにより復帰され、1979-1988年にレオナルド・コンパーニョによってさらなる分類学的研究が行われた。だが現在でも、本種の学名は "Sphyrna blochii" とされることがある。他の英名としてはarrowhead・arrow headed hammerhead shark・slender hammerheadなどがある。シュモクザメ科はメジロザメ科と近縁である。かつては、最初にウチワシュモクザメのようなcephalofoilが小さいグループが出現し、その中から本種のような長大なcephalofoilを持つ派生的なグループが進化したと考えられてきた。だが、アロザイム・mtDNA・核DNAを用いた分子系統解析からは逆の結果が得られ、本種やヒラシュモクザメのような長大なcephalofoilが先に進化したと考えられるようになっている。分子時計からは、本種が他のシュモクザメ類から分岐したのは、1500-2000万年前の中新世であると推定される。頭部のcephalofoilは細長く、少し後退角がついている。左右の幅は全長の40–50%に達する。吻はcephalofoilより少し前に突き出す。各鼻孔の前方にも隆起がある。鼻孔は口の2倍程度の長さで、cephalofoilの前縁に沿うように位置している。眼は丸くて瞬膜を備え、cephalofoilの前方の角に位置する。口は比較的小さく弧を描く。片側の歯列は上顎で15–16、下顎で14で、顎の中央には1列の小さな正中歯があることもある。各歯は小さくて縁は滑らかで、三角形の傾いた尖頭を持つ。鰓裂は5対で、第5鰓裂は胸鰭の基部に位置する。体は細く流線型で、第一背鰭は鎌型で細く非常に高い。胸鰭・第二背鰭はこれよりかなり小さい。第一背鰭は胸鰭の基底の上から、第二背鰭は臀鰭の基底の後ろ1/3から起始する。臀鰭は第二背鰭よりもさらに1/2程度長い。尾柄の背面には、尾鰭の基部から前方に溝が走る。尾鰭上葉は下葉より長く、後縁の先端に欠刻を持つ。皮膚は重なり合った皮歯に覆われ、各皮歯には後縁の鋸歯に続く3本の隆起線が走る。背面は灰褐色から灰色、腹面は灰白色。鰭に模様はない。最大で1.9mになる。インド太平洋西部の熱帯域で見られ、東はペルシャ湾から、東南アジア一帯・ニューギニア・クイーンズランド州北部、北は台湾、南は西オーストラリア州のモンテベロ諸島までに分布する。沿岸に近い浅瀬に生息し、河口域にも入る。長大なcephalofoilの機能については、様々な仮説が提唱されている。本種のcephalofoilは長すぎて、他のシュモクザメのように、水中での運動性を高めるために用いるのは困難であると推測される。主に海底近くで獲物を探す。最も多く捕食するのは小魚で、次に甲殻類、頭足類が続く。寄生虫として条虫の ・ ・ ・・・、回虫の・ 属の一種・・ 属の一種、ウオジラミ属の、アイメリア属のが知られている。他のシュモクザメ同様に胎生で、胎児は胎盤によって母体に栄養される。成体雌は右側の卵巣のみが機能するが、子宮は両側が機能する。妊娠中は、胎児1個体につき1個の仕切りが子宮内に形成される。ムンバイ周辺では、交尾はモンスーン期の7-8月に行われ、雄は雌に噛み付いて交尾を促す。雌は毎年繁殖する。産仔数は6-25で、母体の大きさにつれて増える。妊娠期間は、インド西部では8–9ヶ月、オーストラリア北部では10–11ヶ月になる。妊娠中の雌は互いに争うことが報告されている。他のサメと同様、初期の胎児は卵黄によって成長する。4.0-4.5cmになるとcephalofoilと鰭の形成が始まる。12-16cm頃に卵黄をほぼ使い切り、卵黄嚢と子宮壁に襞が生じ始める。その後、この襞は結合して胎盤となる。この時点では、胎児の発達は完了しておらず無色ではあるが、成体の基本的な特徴は備えている。cephalofoilは体にそって背中側に折り畳まれ、鰓裂からは長い外鰓が突き出す。20-29cmになると胎盤の形成が完了し、最初の歯、皮歯が生え、皮膚に色素が現れ、外鰓が縮小を始める。30cmになると、姿は成体とほぼ同じになる。出産は、ムンバイとパランギペーッタイでは5-6月、マンナール湾では3-4月、オーストラリア北部では2-3月に行われる。胎児は尾から先に産まれ、総排泄孔を抜けるまではcephalofoilは折り畳まれている。出生時は32-47cmで、雄は1.0-1.1 m、雌は1.1-1.2 mで性成熟する。寿命は最低でも21年。人には無害である。分布域の大部分で刺し網・地曳網・張り網・延縄・釣りなどによって漁獲される。鰭がフカヒレとしてアジアに輸出されるほか、肉は食用に、肝臓は肝油、粗は魚粉に加工される。特にタイランド湾やインド・インドネシアなど、特に本種に対する漁業が盛んな地域では、個体数が減少している事例証拠がある。IUCNは保全状況を準絶滅危惧とし、漁業の盛んな地域では危急種となりそうだとしている。オーストラリア沿岸では漁獲されることは稀であるため、この地域では軽度懸念とされている。
出典:wikipedia
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