委任(いにん、ラテン語:mandatum )とは、当事者の一方(委任者)が一定の行為をすることを相手方(受任者)に委託すること。民法における委任(委任契約)は、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方(受任者)がこれを承諾することを内容とする契約。日本の民法では典型契約の一種とされる()。委任の法的性質は諾成・無償・片務契約であるが、特約による有償委任の場合には諾成・有償・双務契約となる。委任の内容は「法律行為をすること」であるが、それ以外の事務の委託も後に述べる準委任()として委任の規定が準用されるので両者の区別に実益はなく、委任は一般に他人を信頼して事務処理を委託する契約であると把握される。現代では診療契約、弁護士依頼契約、不動産取引仲介契約など委任契約の定型化が進んでいる。委任は雇用や請負などと同様に労務供給契約の一種である。委任は他人のために労務やサービスを提供する契約であるという点で、雇用、請負、寄託ならびに事務管理と共通する。しかし、以下の点で区別される。ただ、実際の具体的な契約の類型化は難しい場合が多く、特に雇用と委任とは契約内容によってはその区別が困難で明確にできないことも多い。また、寄託についても物の保管を内容とする事務処理を委託するものとみて、寄託は実質的には委任の一種であるとみる説もある。委任と寄託や事務管理とは類型的には差異があるものの、一定の類似性が認められることから寄託や事務管理には委任の規定が準用されている(寄託につき、事務管理につき)。古くから代理は委任を内部契約として発生するものと理解され、民法もそれを想定している。しかし、雇用・請負・組合など委任以外の契約にも代理権が授与されることがあり、また、問屋や仲買人のように委任関係にありながらも代理権授与のない法律関係も存在することから、現在では委任契約と代理権授与行為(授権行為)とは区別して捉えられている。委任は当事者の信頼関係を基礎とするものであり、受任者が自ら受けた仕事をさらに他者に委託すること(復委任)は委任者の信頼に反することになるが、通説は復代理に関する・の規定を類推適用し、委任者の許諾がある場合あるいはやむを得ない事由がある場合には復委任が認められるとし、原則として委任者は選任及び監督につき責任を負うと解する。ただし、復代理の権限に関するの類推適用については学説に争いがあり、この点について判例によれば復委任が復代理となるときは類推適用されるが、復代理とならない場合には類推適用されないとする(最判昭31・10・12民集10巻10号1260頁)。公法上、委任における契約自由の原則は一定の制約を受ける場合がある。受任者は契約の本旨に従い、委任された事務を処理する義務を負う。受任者の中心的義務である。なお、商行為の委任(商事委任)の場合には商法に特則がある(後述)。上記の本質的な義務に対して、事務処理上必要となる付随的な事項について3つの義務が規定されている。受取物等引渡義務の対象となる金銭や委任者のために使うべき金銭を勝手に消費した場合には、消費した日からの利息支払と損害賠償をする責任が課せられる()。後段の損害賠償責任については、履行期前から法定利率以上の実損害についても責任を負うことになる点で1項の特則である。受任者が事務処理にあたって損害を被った場合、受任者に過失がなければ委任者に対してその賠償を請求することができる(第650条3項)。この責任は無過失責任であり、委任者は自己に過失がなくても損害賠償義務を負う。委任は当事者の死亡、破産、および受任者の後見開始(成年後見制度を参照)によっても終了する()。その他、契約期限の到来や事務の完了、債務不履行による解除によっても委任は終了する。委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者(その相続人、法定代理人を含む)は、委任者(その相続人、法定代理人を含む)が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない()。契約の余後効の効果とされる。委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、その相手方に対抗することができない()。委任が終了していることを知らないことにより、当事者が損害を受ける可能性があるためである。なお、任意解除権(651条)の行使の場合には、相手方への意思表示によって契約終了を知りうることになるので本条の適用はない。準委任(じゅんいにん)とは、法律行為ではない事実行為の事務の委託することをいう。準委任にも、委任の規定が準用される()。商行為に関する委任関係を商事委任といい、商事委任における受任者は委任の本旨に反しない範囲内で委任を受けていない行為もすることができる()。
出典:wikipedia
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