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地球温暖化詐欺 (映画)

地球温暖化詐欺(ちきゅうおんだんかさぎ、)は、イギリスのドキュメンタリー番組である。地球温暖化の主な原因は人間活動であるという科学的なコンセンサスに異論を唱え、論争を巻き起こした。この映画はイギリスのテレビプロデューサーである によって製作された。番組の内容は、人為的な温暖化という科学的なコンセンサスに懐疑的な科学者や、経済学者、政治家、作家などを紹介するものである。この番組の宣伝資料には、人間による地球温暖化は「嘘」であり、「近代で最も大きな詐欺」であると書かれている 。イギリスのチャンネル4はこのドキュメンタリーを2007年3月8日に初めて放映した。テレビ局によるこの映画の説明は次のようなものであった。「この映画は多くの一流の科学者が同じ結論にたどり着き、十分に立証された視点を集めたコンセンサスに対する反論である。賛否両論の映画であるが、私たちは論争のすべての立場が放送されることが重要だと考える。」このドキュメンタリーは地球温暖化の懐疑派には歓迎されたが、多くの科学組織や科学者たちに激しく批判された。批判した科学者の中には、映画に登場した2人の科学者も含まれている。映画を批判した人によれば、この映画はデータを誤用したり捏造したりしており、古い研究に立脚しており、誤解を招く議論を用いており、IPCCの立場を不正確に伝えている。このため、この映画は多くの科学者やジャーナリストらによって、「映画自体が詐欺」「純粋なプロパガンダである」などと批判された。科学者たちからの抗議を受けて、2008年7月21日、イギリスのメディア規制機関のOfcomは、放送された番組は不公平性と偏向についてイギリスの放送コードを破っていると判断を下した。この判断に基づき、チャンネル4はOfcomの調査結果をまとめて放送することが要求されるが、処罰はない。この映画の基本的な前提は、地球温暖化の人為的な原因についての現在の科学的なコンセンサスには多くの科学的な欠陥があるということと、市民や科学者のコミュニティがこのことについて知ったり議論したりすることを科学者の権威やメディアの既得権益が妨げているということである。映画によれば、公表された科学的なコンセンサスは『温暖化活動家産業』の産物であり、その活動は研究費を求める研究者によって後押しされているということになっている。映画が他に犯人として挙げるのは欧米の環境保護主義者であり、アフリカで安い化石燃料の代わりに高価な太陽光発電や風力発電を宣伝し、アフリカの国々の工業化の足を引っ張っているとされる。映画の中で多くの学者、環境保護主義者、シンクタンクのコンサルタントや作家がインタビューを受け、映画の主張を支持した。その中には、グリーンピースの初期メンバーであったがここ21年は批判をしている や、マサチューセッツ工科大学の気象学の教授の 、バージニア大学の環境科学の教授の 、1962年から1966年まで 誌の編集者をしていた ナイジェル・コールダー、アラバマ大学の地球システム科学センターの教授であり所長の 、パスツール研究所の 、イギリスの元財務大臣の 、イギリスの気象予報士の がいた。映画に登場した科学者のうち、Christy、Lindzen、Michaelsを含む8人は、アメリカの新保守主義や右翼のシンクタンクと関係があり、それらのシンクタンクは石油メジャーであるエクソンモービルから数千万ドルを受け取っている。マサチューセッツ工科大学の海洋学の教授の もインタビューを受けたが、彼は映画の結論とインタビューの使われ方に強く反対すると言った。映画の立場は現在の気候変動に対する科学的な考え方に対して強く懐疑的なものである。映画によれば、気候変動についてのコンセンサスは「数十億ドルの世界的な産業」の産物であり、狂信的な反工業主義の環境保護主義者によって作られ、恐怖話を振りまいて研究費を取ろうとする科学者に支持され、そこに加担した政治家とメディアに支えられたものだということになっている 。この映画では、一連のインタビューとグラフを使い、証拠の不整合と思われるものや、イデオロギーと政治が果たしたといわれる役割に焦点を当てることによって、科学的なコンセンサスに挑戦している。映画は、人為的温暖化の理論を支持する証拠の矛盾と不整合であると映画の製作者が思ったものを明らかにするところから始まる。実際には、これらの論点は、間違ったデータや捏造されたデータに基づいているか、近年の気温の上昇が人為的な二酸化炭素の放出によるものかどうかには関係のない論点であり、多くの科学者が反論している。番組は、財政的、観念的、政治的な利益によって気候研究の正しさは傷つけられているという主張をいくつも行った。気候学者の間の地球温暖化についてのコンセンサスと思われているものは存在しない、と映画は論じた。この番組は 250万人の視聴者を得、視聴率は 11.5% であった。イギリスの規制機関である Ofcom には2007年4月25日の時点で 246通のクレームがあり、その中には番組がデータを改竄していることや、 Durkin のこれまでの経歴を公開していないということを指摘するものもあった。チャンネル4はこの番組について 758 の電話とメールがあり、賛成のものと抗議のものの比率は6対1であったと明かした。科学者からの批判に従い、映画の内容は初めて チャンネル4で放送されたものから変更された。ひとつのグラフの時間軸が付け替えられ、火山が人間よりも多くのCOを排出するという主張は削除され、 Carl Wunsch のインタビューは、本人がインタビューの使われ方に異議を唱えたので、番組の国際版と DVD 版からは削除された。映画で使われたその他の科学的な議論についても、関係する分野の科学者によって反証済みであったり誤解を招くものであったりするとされたものがある。さらに、この番組は一面的で、多くの工業化した国の学会や科学機関に支持されている主流の温暖化に対する立場が間違って説明されている、という批判もある。映画で取り上げられた科学者のうち、 と の2人は、映画の中での使われ方に同意しないと言った。 はマサチューセッツ工科大学の海洋物理学の教授であり、初めは番組に取り上げられた。後に彼は映画の中で「完全に間違って」取り上げられ、インタビューされることに同意したときは「まったく誤解させられた」と言った。彼はこの映画について「ひどく歪められたもの」で、「第二次世界大戦以来の純粋なプロパガンダに近い」と言った。Wunsch は法的手段も考えており、イギリスの報道規制機関であるOfcomに抗議を申し立てたと報じられた。制作会社は、誤解させたことを否定し、Wunsch の担当者ははっきりと番組は「COの排出が主に最近の地球温暖化を引き起こしているという考えを批判的に検証する」と伝えた。映画製作者のDurkin は、「Carl Wunsch はだまされて番組に出演したなんてことはまったくない。これは我々の彼への対応から完全に明らかだ。彼のコメントが文脈から外れているということもない。彼のインタビューは番組で使われたように、彼の言ったことをそのまま伝えたものだ。」と答えた。Wunsch はその後、「Durkin は私の視点をはっきり理解してるのに、映画の中での使い方によって私が言おうとしたことの逆を伝えようとした」と言った。Wunsch は、気候変動の議論の極端な主張はまずいことを認めたが、彼は2007年3月15日の手紙の中で、「気候変動は『現実であり、大きな脅威であり、人間由来の大きな部分がほとんど確実に存在する』と信じている」と書いた。さらに彼は、科学的な事実が過剰に脚色されて保証のない外挿をされていることに対してバランスをとろうとする番組に貢献するつもりだった、と言った。彼はインタビューの使われ方に意義を申し立て、次のように書いた。2007年3月11日、インデペンデント紙は Carl Wunsch の反論を取り上げ、チャンネル4に対して、「信頼に対する深刻な挑戦」であると言われたものに応答するよう要求した。チャンネル4の広報は次のように言った。Wunsch は、制作会社である Wag TV から、間違った演出もされていないし誤解もさせられていないという表明をしないなら名誉毀損で訴えると脅す手紙を受け取ったと言った。Wunsch はこれを拒否した。Wunsch の抗議によって、彼のインタビューは海外版とDVD 版からは削除された。Durkin は Wunsch が彼のインタビューを削除するように要求した理由を発表したが、2007年12月7日に Wunsch はその発表は新しいさらなる歪曲だとして次のように応答し、Durkin が発表した削除要求の理由は間違いだと述べた。オーストラリア放送協会(ABC) がこの映画を放送した後、ABC の Lateline のインタビューの間、Wunsch は彼の Durkin の『詐欺』 への批判を繰り返し強調した。 の研究は、気候への太陽活動の影響についての主張を支持するために、Durkin の番組とその後の弁護に使われていた。Friis-Christensen は環境研究員の Nathan Rive とともに、太陽のデータが使われた方法を批判した。番組が科学的に正確かどうかというインデペンデント紙の質問に答えて、Friis-Christensen は次のように言った。「いや、科学者として私だったら説明するいくつもの点が説明されていなかったと思う。(中略)番組が正確でなかったのは明らかだ。」番組で使われた "Temp & Solar Activity 400 Years" のグラフ(このグラフでは1610-1710の100年間の線が完全に一致しているが、元のデータにはこの時期のデータにはなかった)に対する Eigil Friis-Christensen の批判の後に、Durkin は Friis-Christensen に間違いを明らかにしたことに対する次のような感謝の電子メールを送った。「これは我々全員が見逃していた困ったミスで、将来の放送では修正されるだろう。我々の議論を変更することはない。」イギリス王立協会の元広報の Bob Ward は、イギリスのメディア規制機関 Ofcom に対して映画の不正確性について抗議した(イギリスの放送法は、大きな政治問題や産業の議論について公平性を要求している)。37人の気候学者が Martin Durkin に対して手紙を書き、映画のDVD の発売を中止するよう要請した。手紙には、「Durkin は科学的な証拠と研究者の解釈を間違って伝えている」と書かれていた。Durkin はこれに対し、「彼らが"The Great Global Warming Swindle" を抑圧しようとするのは、映画の科学が彼らを傷つけたからだ」と書いた。

出典:wikipedia

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