任 峻（じん しゅん、? - 建安9年（204年））は、中国の後漢時代末期の政治家。字は伯達。司隷河南尹中牟県の人。子は任先、任覧。後漢末の混乱の中で、任峻は、中牟令楊原に河南尹を堅守するよう進言し、その主簿に任命された。さらに、楊原を行河南尹にするよう朝廷に上表している。その後、曹操が中牟に入ってくると、任峻は同郡の張奮と協議して、曹操に付いた。曹操は大いに喜び、任峻を騎都尉とするよう上表し、さらに自身の従妹を娶わせて、頗る信任した。曹操が征伐するときは、常に任峻が輜重補給のために留守を預った。棗祗・韓浩らが屯田制の実施を進言すると、任峻が典農中郎将に任命され、屯田制の実際の運用を担当した。任峻はこれに成功し、曹操陣営の軍事的・政治的強化に大きく貢献した。また、官渡の戦いでは、補給部隊の守備を強化して袁紹軍の攻撃を阻止した。これらの実績を評価され、任峻は都亭侯に封じられ、封邑300戸を有した。さらに長水校尉に昇進している。建安9年（204年）、死去。曹操はしばらく涙を流して悲しんだ。子の任先が後継したが、任先死後に子が無かったため、改易された。魏の文帝（曹丕）により任峻は成侯と諡され、真ん中の子である任覧が関内侯に封じられた。任峻は寛大にして度量があり、事を行うに合理性があった。意見を述べるたびに、曹操からその多くを善言と評価された。飢饉の際には、友人の孤児たちを世話し、一族の貧困の者を救援したため、信義がある人物と評価された。小説『三国志演義』では、典農中郎将に任命された際等で名前が出るのみで、特に活躍は無い。むしろ、彼の配下の倉官として登場する王垕の方が、作中では目立っている。

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