ジェンセン・FF("Jensen FF" )はイギリスの自動車メーカーであるジェンセン・モーターズが1966年から1972年まで製造販売していた高級GTである。量産乗用車としては世界初の四輪駆動車である。同社の高級車・ジェンセン・インターセプターをベースに、エンジンルームのバルクヘッドを約10cm延長し、イギリス・ファーガソン研究所()が開発した常時四輪駆動(フルタイム4WD)システム「ファーガソン・フォーミュラ("Ferguson Formula")」とダンロップ製の航空機用アンチロック・ブレーキ・システム 「マクサレット(")」を組み込んでいる。車名の FF は Ferguson Formula の頭文字である。「ファーガソン・フォーミュラ」は前後の軸へ駆動力配分するトランスファーに遊星ギア式ディファレンシャル(デフ)を用い、旋回時の前輪と後輪の旋回半径差に起因する軸回転数差を調整する「センターデフ」システムであり、前後トルク配分率は37:63としている。また軸回転数差はワンウェイクラッチにより制限されており、加速時は前輪は後輪に対し+16.5%、後輪は前輪に対し+5.5%、減速時はそれぞれ-16.5%、-5.5%を限度とし、余剰トルクを片方へ伝達する機構が内蔵されている。ジェンセン・FFではこのシステムをトランスミッション後端に追加設置し、ここから前後のデフへプロペラシャフトが繋がる。「マクサレット」を組み込んだブレーキは67年型以前はダンロップ製、68年型以降はガーリング製の4輪ディスクである。安定した走行性能の確保を目的として四輪駆動を採り入れた世界初の量産車であったが、もともと高価格なインターセプターを更に30%上回る価格と、右ハンドル専用設計によりアメリカ市場へ投入できなかったことで生産台数はわずか320台に留まった。そのため、アウディ・クワトロに14年先んじたにもかかわらず、その先進性はのちの自動車開発に影響を与えるには至らなかった。
出典:wikipedia
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