レイアウトシステム(Layout System)とは、日本のアニメ制作における1工程であるレイアウトと呼ばれる設計図をもとにしてアニメを制作する方法である。日本のアニメ制作の工程の1つで、現場によって多少ニュアンスが異なるが、ラフに描かれた絵コンテから1カットの完成画面を想定し背景の構図とキャラクターの動きや配置を決定してより緻密に描かれた設計図をレイアウト(制作現場ではL/Oと略される)と呼ぶ。レイアウトシステムとはこの設計図を基本にして映画(アニメ)を制作する方法のことである。レイアウトシステムの利点は、作画作業の前に綿密にチェックが入ることで1カットの質が格段によくなり、リテイクの発生も軽減させるので全篇にわたって質が均等に保たれることにある。初めてレイアウトシステムを本格的に導入した作品は1974年放映の『アルプスの少女ハイジ』とされ高畑勲演出の下、宮崎駿が全カットのレイアウト(画面構成)を担当した 。それ以前までは絵コンテから直接背景原図と共に原画を起こすのが一般的であった。1994年、レイアウトシステムの重要性をかねてより訴えていた押井守がアニメ業界におけるレイアウトマンの慢性的な不足な状況を解消するべく、『機動警察パトレイバー2 the Movie』で使用されたレイアウトを題材に1カットごとの演出意図を解説し、現場スタッフやスタッフを目指す人々への実践教本を想定した『Methods 押井守・「パトレイバー2」演出ノート』を上梓。 アニメ業界全体のレイアウトシステム普及に大きな影響を与えた。現在では各原画マンが自分の持ちカットのレイアウトを描き、作画監督と演出がチェックするという形でほとんどのTVアニメでレイアウトシステムが導入されている。また、近年のデジタル化に伴って、作業効率化およびクオリティの底上げを目的に、建物などを3Dであらかじめ組んで大枠のレイアウトを決め込んだ3Dレイアウトシステムが普及しつつある。 また近年はレイアウトにラフ原画を添える事が主流になりつつある。本来アニメ映像の編集は動画→仕上げ→撮影を経て完成した素材で行なうものとされているが、スケジュール上の問題から原画に至る以前の段階で編集に望まなければならない状況が増えた。この場合レイアウトの段階で撮影素材を作らなければならず、編集時に芝居やタイミングがわかるようにカット内容を決め込んでおく必要がある。そのためレイアウトとともにラフな原画とタイムシートを最初から用意しなければならない状況が発生した。このように本来は制作スケジュール上の都合で生まれたシステムであるが、演出にとってはレイアウト段階でカット内容の吟味が出来るうえ原画時のリテイクも減り、作監にとってはより多くの絵に修正を入れられるため、全体的なクオリティの向上に繋がるというメリットも生まれ、スケジュールに余裕があっても最初からラフ原画からの作業を求められるパターンが増えている。しかしながら作画や演出の負担は増えて結果的にはスケジュールを圧迫するというデメリットも発生している。ラフ原画はラフな絵である以外、シートや芝居内容をほとんど決め込んだ状態で上がる場合もあれば、シートに簡単に原画番号を打っておくというとりあえずの状態で上がる場合もある。そのラフ原画を第一原画(一原)とし、原画作業を別のアニメーターに第二原画(二原)として発注する事も多い。また、作画と絡む3Dアニメのアタリとしてラフ原画が使われる事もある。
出典:wikipedia
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