ひたちおよびときわは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に品川駅・上野駅 - 土浦駅・勝田駅・高萩駅・いわき駅間を常磐線で運行している特急列車である。本項では、常磐線内で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。「ひたち」は1969年(昭和44年)10月に上野駅 - 平駅(現在のいわき駅)間を運転する季節特急列車として運転を開始した。季節列車扱いであったのは当時同列車に使用されていた80系気動車が「いなほ」の間合い運用であったためである。1971年4月には上り列車のみ東京駅に乗り入れている。1972年(昭和47年)7月には臨時列車の「ひたち」51・52号に485系電車がはじめて充当され、同年10月には定期列車にも485系電車が投入され運転区間を拡大、エル特急に指定された。「ときわ」は、国鉄時代に快速列車→準急列車→急行列車として運行されていたが、1985年に「ひたち」に統合される形で消滅していた。1989年(平成元年)3月11日に651系電車を投入して「スーパーひたち」とし、さらに1997年(平成9年)10月1日にはE653系電車による「フレッシュひたち」が運転を開始した。1998年(平成10年)12月7日には全列車が651系またはE653系に統一され、485系電車による「ひたち」の運転を終了した。651系導入以来、車両によってほぼ系統が区別されていたが、2012年(平成24年)3月には、651系・E653系の置き換え用としてE657系電車が導入され、2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正ですべての定期特急列車がE657系による運転に統一された。ただし、E657系の改造工事に伴い、2013年10月1日から2015年3月13日までの間、「フレッシュひたち」1往復に限り、651系の運用が復活していた。2015年3月14日からは再び全列車がE657系での運転に統一された。また、上野東京ライン開業に伴い、速達タイプの列車の名称が「ひたち」、停車タイプの列車の名称が「ときわ」に改称され、「ひたち」のほぼ全列車と日中を中心とした「ときわ」が品川駅発着となった。それにより東京駅・品川駅が乗り換えなしで利用できるようになり、東海道新幹線や東海道線、羽田空港方面(京急本線・空港線)とのアクセス利便性が向上した。なお、「ひたち」はいわき駅発着、「ときわ」は茨城県内発着(いわき駅発着の1往復を除く)であり、列車名の由来と発着駅が逆転している。2015年3月13日までは「ひたち」の列車愛称には「スーパー」・「フレッシュ」という冠文字が付されており、基本的に上野駅 - いわき駅間の系統は「スーパーひたち」、土浦駅・勝田駅・高萩駅発着の系統は「フレッシュひたち」となっていた。ただし、いわき駅発着の「フレッシュひたち」も1往復設定されていた。「ひたち」単独での愛称は1998年12月7日の改正で485系電車による運転終了とともに消滅したが、2015年3月14日改正で速達タイプとして16年3ヶ月ぶりに復活した。また、1998年12月6日までは朝の上りの「さわやかひたち」と夜の下りの「ホームタウンひたち」があった。かつての「ときわ」は、現在の特急「ときわ」に相当する準急・急行列車であった。その後、特急「ひたち」への格上げ統合が行われ、「スーパーひたち」誕生後は停車タイプの特急「ひたち」となり、新型車両導入による「フレッシュひたち」への改称を経て、再び特急列車名として復活した。速達タイプとして「ひたち」、停車タイプとして「ときわ」が運転されている。「ひたち」はいわき駅発着で、「ときわ」は主に勝田駅・高萩駅発着で、いずれも上野駅・品川駅を起点として運転されている。停車駅に関してはほぼダイヤパターンなどで固定化されているが、早朝・夕方の時間帯などは停車駅の加減がある。号数は、「ひたち」は1号から30号、「ときわ」は51号から95号(他に定期的に運転される臨時列車として96号がある)。列車番号は、品川駅発着・東京駅乗り入れ列車が1000+号数+M、上野駅発着列車が2000+号数+Mである。下り列車は、上野発7時から21時までの毎正時(00分)発は「ひたち」、7時から22時までの毎時30分発と18時から22時までの15分発、22時・ 23時の00分発は「ときわ」であり、23時00分発の「ときわ」95号が最終である。品川駅発着列車は、上野駅正時発が品川駅を44分、東京駅を53分に、30分発は品川駅を14分、東京駅を23分に発車する。上り列車は発駅が違うためまちまちではあるが、勝田駅 - 上野駅間では最初の「ひたち」(2号)以降は「ひたち」と「ときわ」が交互に運転する(土休日のみ66号と土休日運転の68号が連続する)。水戸駅では、9時 - 21時台は「ひたち」が27分発、「ときわ」が53分発に統一されている。水戸発の最終は21時53分発の「ときわ」94号である。常磐線の特急の表定速度は約90km/h強である。これはJR在来線特急としては速い部類である。「ひたち」の上野駅 - 水戸駅間ではほとんどの列車が表定速度100km/h強である。2015年3月14日現在、全列車がE657系(10両編成・グリーン車連結)により運転されている。全車指定席であるが、座席未指定券で普通車の空席を利用できる。なお、座席の発売状況を示すランプが設置されている。車内販売は日本レストランエンタプライズが「ひたち」のみ担当しており、「ときわ」は全列車で行っていない。2015年現在、本列車に対して有効な特別企画乗車券は「定期券用ウィークリー料金券」1つのみである。2015年3月14日のダイヤ改正以前は、現行の「ひたち」が「スーパーひたち」、「ときわ」が「フレッシュひたち」として運転されていた。「スーパーひたち」は号数+M、「フレッシュひたち」は号数+1000Mであった。「フレッシュひたち」については、2013年3月までは651系・E657系充当列車(グリーン車連結)が号数+2000M、E653系充当列車(グリーン車なし)が号数+1000Mと区別されていたが、使用車両がE657系に統一されたことで解消された。また、2013年10月より、651系が再び運用に就いていたが、列車番号は変化していなかった(時刻表では、車両が異なる旨の注記があった)。号数は、両者区別されず通しでつけられていた(「スーパーひたち3号」の次に運転する列車が「フレッシュひたち5号」、次が「スーパーひたち7号」)。651系・E653系とともに運転された2012年3月17日から2013年3月15日までは、E657系で運転する列車には「新型車両で運転」との注記がなされていた。この当時は現在よりも停車駅が多く、1日に数本しか停車しない駅もあった(これらの駅は、現行制度への移行時に整理された)。「スーパーひたち」では、途中停車駅が水戸駅・勝田駅・日立駅・泉駅・湯本駅の5駅のみという列車(現在の「ひたち」には日立駅 - 泉駅間を無停車で運転する列車はない)や、水戸駅以南の停車駅が「フレッシュひたち」と大差ない列車(土浦駅のほか、赤塚駅・友部駅・石岡駅にも停車)もあった。なお、水戸駅・勝田駅で当日中に改札を出ずに特急列車に乗り継ぐ場合は、特急料金は乗車駅からの通算で計算することができた。「ひたち」「ときわ」ではこの乗り継ぎ料金制度は採用していない。2011年3月11日の東日本大震災発生前は、上野駅 - 原ノ町駅・仙台駅間の系統も運行されていた。上野駅・仙台駅は正式には東北本線の駅であり、寝台特急や臨時特急などに東北本線経由の列車があることから、上野発仙台行き・仙台発上野行きの行先表示器の字幕表示は下部に小さく「常磐線経由」と表記されていた。また、朝にはいわき発仙台行きが1本(「スーパーひたち」1号・いわき駅7時31分始発)設定され、夜間は7両編成が原ノ町駅で留置されていた。上野駅 - 仙台駅間の所要時間は約4時間12分 - 4時間23分 (362.9km)であった。2010年12月6日のJR東日本プレスリリースにて、2012年春以降新型車両のE657系を導入して651系を置き換え、常磐線の特急列車の運行形態を見直して上野駅 - いわき駅間と、いわき駅 - 仙台駅間(E653系で運行)に分割すると発表した。いわき駅 - 仙台駅間で運行される特急の名称については、2011年2月にJR東日本水戸支社で募集を行い、同年4月上旬以降に発表される予定であった。これに対し相双地域からは直通特急の運行継続を求める声も上がっていた。しかし、そのような中、2011年3月に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)および東京電力・福島第一原子力発電所事故による影響により、常磐線は広範囲での運転見合わせを余儀なくされ、その後運転が徐々に再開されるも、「スーパーひたち」の運行は上野駅 - いわき駅間に限られることになった。なお、E653系付属編成については、2015年3月14日の北陸新幹線延伸開業に伴い新潟駅 - 上越妙高駅間に新設される特急「しらゆき」に全編成が転属することとなったため、常磐線内での同系列の転属計画は事実上の中止となった。震災後、2012年3月17日のダイヤ改正では、当時(上野駅 - いわき駅運行)のダイヤ全体の4割をE657系に置き換えた。当初の予定では輸送体系の見直しを実施し、E653系はいわき駅 - 仙台駅間の特急に充当し、上野駅 - 土浦駅・勝田駅・高萩駅・いわき駅間の系統はE657系と651系のみの運転となる予定であったが、上野駅 - いわき駅間における輸送体系に大幅な変化はなく、E653系も引き続き「フレッシュひたち」で使用されることになった。また、E657系の導入完了時期も、「2012年秋」から「2012年度中」に変更となった。改正後は以下のような運用となった。このダイヤ改正により、東日本大震災以降「当面の間運休」とされていたいわき駅 - 仙台駅間は「スーパーひたち」の運行区間から正式に外れ、「スーパーひたち」は全列車が上野駅 - いわき駅間の運転となった。このため、いわき発仙台行きの「スーパーひたち1号」の運行は打ち切りとなり、下り列車は「1号」を欠番として「スーパーひたち3号」からはじまることになる。2012年度末となる2013年3月16日のダイヤ改正で「スーパーひたち」「フレッシュひたち」は全列車がE657系での運行に統一された(2013年10月1日に651系が復活したため、未統一に戻る)。なお、運行体系については計3本の増発や停車駅見直しは行われるものの、ほぼ2012年のダイヤ改正当時と変更はない。列車名も「スーパーひたち」「フレッシュひたち」のまま変更はなく、「1号」の欠番もそのままである。その後、2015年3月14日のダイヤ改正で「スーパーひたち」を「ひたち」、「フレッシュひたち」を「ときわ」に改称するとともに、列車名の号数も「ひたち」を1号から、「ときわ」を51号からと変更したものの、運行形態自体には大きな変化はない。水戸駅 - 原ノ町駅間で101km以上となる区間の自由席特急料金は1,300円だった(東日本大震災後、適用区間なし)。2014年3月までは1,260円だった。なお、不通区間の特急料金は震災後も設定されていたが、2015年3月14日のダイヤ改正に伴う制度変更により廃止されている。この特定特急料金も同時に廃止された。常磐自動車道を経由する高速バス(「みと号」・「ひたち号」・「いわき号」など)や自家用車との競合があり、通常より割安にした特別企画乗車券が多く設定されていた。一部を除き、利用期間の制限もないものが多かった。しかし、2013年までに大半が廃止されている。
出典:wikipedia
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