『プロメテウスの創造物』("Die Geschöpfe des Prometheus" )作品43は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲したバレエ音楽。現在はもっぱら序曲のみが演奏される。ベートーヴェンは生涯で2作のバレエ音楽を残している(もう1作は「騎士のバレエ」WoO1)。作曲の詳しい経緯は知られていないが、振付師のサルヴァトーレ・ヴィガーノ(Salvatore Viganò)との密接な協力によってこのバレエ音楽が生まれ、1800年から1801年にかけて作曲された。同年の3月28日に、ウィーンのホーフブルク劇場で初演され、好評を博したと伝えられている。しかし現在は序曲以外ほとんど演奏されることはない。ベートーヴェンはこのバレエをドラマと舞踊と音楽の緊密な結びつきを実現しようとし、当時彼がバレエ音楽として舞台にかけたとき、きわめてモダンな意図が秘められていた。そしてこの音楽は、当時既に詩人ゲーテとシラーのあいだで論議されていた、一種の「総合芸術作品」としての趣をもつ例となった。ベートーヴェンは作品の中にあるプロメテウスの素材をその後も活用した。『交響曲第3番』、『エロイカ変奏曲』作品35などに、このバレエ音楽で用いた音楽的な素材を流用している。序曲と7曲から成る。序曲はハ長調、4分の3拍子のアダージョの導入部と、アレグロ・モルト・コン・ブリオ、ハ長調、2分の2拍子の展開部を欠くソナタ形式の主部から成る。演奏時間は約5分。バレエ全曲版はそのまま終わらないでバレエ音楽に繋がっていく。全曲は1時間ぐらいかかる。フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ1対、弦5部。序曲のみは比較的演奏される機会が多いが、バレエ音楽の全曲録音はエドゥアルト・ファン・ベイヌムによるもの(デッカで発売されたが現在は廃盤)以降、ほとんどなされなかった。しかし近年は、『アテネの廃墟』や『エグモント』などと同様に全曲録音が増えつつあり、本作についてもニコラウス・アーノンクールやチャールズ・マッケラスらによる全曲版のCDが発売されている。
出典:wikipedia
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