『ジャイアンツ』(原題:"Giant")は、1956年公開のアメリカ映画。第29回(1956年)アカデミー監督賞(ジョージ・スティーヴンス)を獲得。また、アメリカ国立フィルム登録簿に2005年度新規登記された。『シマロン』(1931年に映画化)などの小説で知られる女流作家エドナ・ファーバーが書き終えるのに12年間かかったベストセラー小説を映画化した、ジョージ・スティーヴンス監督の大河ドラマである。ドラマの中心となるベネディクト家は、移り行くテキサスを映す鏡である。監督は、その日常的な細部を克明に悠然たるテンポの演出で描くことによって、雄大なテキサスのエピックを完成しようとした。リアリズムを基調として、澎湃たるテキサスの発達史を描きだそうとしたわけで、野心的な試みである。また、女性の自立の問題や人種問題など、21世紀になった現在でも直面している問題に対して、先駆的な問題意識を観客に届けている。ロック・ハドソン(撮影当時28歳)、エリザベス・テイラー(当時23歳)、ジェームズ・ディーンの主役3名が出演。ディーンは、この作品の撮影終了後の1955年9月30日、交通事故により24歳で急死した。テキサスに59万エーカーもの広大な土地を持つ牧場主ジョーダン・ベネディクト2世(ロック・ハドソン)が、東部の名門の娘レズリー(エリザベス・テイラー)を妻に迎える。初めてテキサスを訪れた彼女はその途方もない広さに驚き、東部とはあまりにも異なる人間の気質と生活習慣に戸惑う。夫の姉ラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)の冷たい視線にも苦しめられ、一時は夫婦の間の絆にも危機が訪れるが、レズリーは持ち前の粘り強い性格でそれを乗り越えていく。このレズリーに密かに心を寄せるがひねくれ者の若い牧童のジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)。彼は自分に対する唯一の理解者であったラズが落馬事故で亡くなり、遺言で自分に土地の一部を残してくれたことを知る。ジョーダンは自家の農地が分割されることを嫌い、相場の2倍でその権利を買い取ることを申し出るがジェットはその土地に賭けてみることを決心する。彼は油田ブームの到来を知り、自分の土地でも石油が出ると信じ、土地を抵当に石油の採掘を行う。資金が底を尽きかけたときついに油田を掘り当て、大金持ちになる。吹き出した原油を全身に浴びた姿で、泥酔してベネディクト家に乗り込んでレズリーに馴れ馴れしい態度を示すジェットは、夫のジョーダンに殴られるが、隙を見て彼を殴り返し、そのままトラックで逃走することに成功する。ジョーダンと叔父のバウリーは「もっと早い段階で奴を倒しておくべきであった」と後悔する。歳月は流れ、米国でも屈指の大富豪になったジェットは、私財を投じて病院建設などの慈善事業を展開し、地方の名士の仲間入りを果たした。これに対し本業の牧畜業がうまくいかなくなったが、やはり石油事業に乗り出し巨万の富を得たジョーダンであったが成り上がり者のジェットの成功を苦々しく思っている。やがてジェットは巨大なホテルを建設し、その祝賀パーティにベネディクト一家を招待する。ジェットの富に張り合うためジョーダンはダグラスDC機を新調しパーティ会場に一家で乗り込む。しかしながら祝賀パレードで娘のラズ2世が、自分に断りもなしにジェットをたたえる王女役でオープンカーに乗っているのを見て不機嫌になる。ホテルで息子のジョーダン3世のメキシコ人の新婦が人種差別を受けたこと発端として、ホテルの祝賀パーティの席で両者は対決の時を迎える。パーティの席で、ジョーダン3世を打ちのめされたジョーダンは、ワインセラーで決着をつけることを申し出る。しかしながら泥酔しふらつくジェットを見て、打ちのめす価値もない男と感じたジョーダンは、ならんだワインの棚をドミノのように押し倒して去る。しかしジョーダンもジェットに富で張り合おうとした自分の非を悟り、帰途は自家用車でドライブ旅行することにした。ふと立ち寄った白人のテキサス男が経営するレストランで、経営者がメキシコ人を差別して追い出そうとする場面に遭遇し、意見をしたことから両者は殴り合いのけんかとなる。大男同士の激しい殴り合いの結果、ジョーダンは打ちのめされてしまう。帰宅後、ジョーダンはソファーでレズリーの膝枕で横になり、レズリーは彼の行動をほめたたえる。そして白人の孫とメキシコ人との混血の孫を満足げにながめる。この物語にジョーダン3世(成長してデニス・ホッパー)、ラズ2世(成長してキャロル・ベイカー)、アンヘル2世(サル・ミネオ)らが複雑に絡み合い、メキシコ人差別の問題も盛り込みながら30年間のドラマが繰り広げられる。
出典:wikipedia
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