『ゼロセン』は、加瀬あつしによる日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて2008年34号から2010年36号まで連載された。従来、加瀬あつしの作品は、典型的な「外道やヘタレ」を主人公としていたが、この作品の主人公「旭 歳三」は正義感・腕力・ルックスを兼ね備えた正統派主人公となっている(単行本8巻あとがきより)。また加瀬は機会があれば続編を描きたいともしている。太平洋戦争時代から蘇った旧日本軍兵士である旭歳三(あさひ としぞう)が中学教師となり、その大和魂をもって現代の不良学生を教育する。作者の過去作と同じくギャグ描写が多いが、ギャグの少ないシリアスな展開もある。タイトルは同じく教師ものの漫画である『ごくせん』になぞらえており、松本学園に着任時にゼロセンに乗って登場したため、旭歳三には「ゼロセン」という呼び名がつく。太平洋戦争時の1943年7月。北太平洋のとある島では日本軍の守備隊が米軍の攻撃の中で撤退を行っていた。そして最後の大発(上陸用舟艇)が島を離れたその時、米軍の攻撃によって船体が破損し、浸水が始まる。指揮官である芹沢少佐は負傷兵である松本菊造二飛曹に銃を向け、艇を軽くするために島に戻るように強要するが、その芹沢を殴りつける男がいた。松本たちの隊長である旭歳三中尉である。上官反抗罪で銃殺される以上日本に帰る意味は無いと、自ら海に飛び込み島に戻る旭。部下たちを救うため、島に残る道を選んだのである。旭は3万を超える米軍に対したった一人で戦う覚悟でいたが、米軍上陸後、偶発的に発生した雪崩により、洞窟陣地内にて、戦う事無く氷漬けとなり、戦死する。それから60数年後。事業に成功し大企業である松本重電の会長となった菊造は、長年の捜索の末に島の洞穴の中で、艦砲射撃による雪崩で奇跡的に凍結保存されていた旭を発見する。そして現代医学の粋を結集し、最終的には菊造の孫である千代のおかげで、ついに蘇生に成功する。繁栄する日本の街を見て当初は自分の生きる意味は既に無いと自決をしようとする旭であったが、暴走族による一般人へのリンチと、それを通報もせずに見物するだけの人々を見て「物が豊かになった代わりに心は貧しくなった」と考え、そんな日本を正すという生きる意義を見出す。その直後、菊造に「軍服を脱がずウチの中学の不良共をサムライに変える教師になってくだされ」と依頼された旭は、松本グループの産業廃棄物と呼ばれている千葉の私立松本学園中学に教師として赴任する。松本学園は、窓ガラスがほとんど割られ落書きだらけ、派手な変形学生服を着こんで染髪ピアスをしたヤンキーが多数跋扈するような超不良中学であった。松本学園の中でもとりわけ問題のある生徒5人は、松中ゴッドハンドと呼ばれ、松本学園の中でボス的な存在となっている。彼らを含め、その他問題生徒のみを旭は集め「3年Z組」を作りその担任となる。その中で旭は一癖も二癖もある生徒たちと激しくぶつかりつつも、「Z組法度」や「幕張旭日維新隊」を作るなどの独特な教育によって彼らを導いていく。持ち前の正義感と大和魂でゴッドハンドの内の3人らZ組生徒たちの更正(ただしいわゆるヤンキーのままではあるが)を成した旭は、駆け落ちしていた残るゴッドハンドの2人、沖山無人と伊藤優樹菜を更正させようとするが、優樹菜の義理の父(妻の連れ子)であり、また幼少期より優樹菜に性的暴行を加え続けていた県警本部長・伊藤甲子太郎と対立する。二人は甲子太郎の手から逃げ延びるために逃避行を続けていたのであった。旭は県警を相手取り白バイを奪取し無人を救い出すなど獅子奮迅の活躍をし、甲子太郎との決戦を制し無人と優樹菜を守り切る事に成功。しかし旭は無理な蘇生が祟り時折身体が凍結すると言う身体不如意な状態にあり、また決戦場所が冷凍庫内であったため、甲子太郎は倒したものの、身体が凍結し死線を彷徨う。だが、誘拐されていたZ組生徒達の献身的な介抱(いわゆる、人肌で温める、というもの)により辛うじて息を吹き返す。その後、県警に追われる旭はキース・ブライアント(後述)の便宜により、零戦で日本警察の手の及ばない米軍空母に着艦し、そのまま一時的に海外へ逃げのびる事に成功する。直後、甲子太郎の未成年者の誘拐および旭に対する殺人未遂の罪が発覚し、事件は解決を迎える。時を経てZ組の卒業式、旭は零戦を駆り学園に帰還を果たす。そしてZ組の生徒は、旭の手により有無を言わさず米空母に拉致され、米英軍と共同しソマリア沖に跋扈する海賊の殲滅へと旅立つのであった。松本学園中学の3年生の中から、松中ゴッドハンドを中心に不良だけを選抜したクラス。後に維新隊として発足する。「Z組」という名は、旧日本海軍で決戦の時に掲げられるZ旗と、Zがアルファベットの最後の文字であることになぞらえ「悪事を繰り返してきて、もう後がない生徒達」の集まりであること、そんな生徒達の「最後の受け皿」となる組を目指して名付けられた。松中ゴッドハンドとは、松本学園中学3年の不良達の中でも、それぞれ以前の中学をシメていた様な有名な不良であり特に問題児とされている、以下に記述する木村・木戸・斉藤・無人・優樹菜の5人の総称である。維新隊の活動目的は、主に巷に問題になっている少年犯罪を生徒達の手で解決するもので、旭の本心としては「落ちようのない黒いシミになる前の灰色のシミを落としたい」として、少年犯罪を同年齢の者達で解決する事により犯罪に手を染めた少年少女に更生させる機会を与え、隊員たちも心身ともに鍛えたいという考えがある。そのため警察沙汰になる前に解決できれば全て不問とするが、逆にひったくり事件のマーサーの様な救い様のない外道に対しては容赦ない仕打ちを与えた上で警察に身柄を引き渡す。尚、任務失敗やZ組法度に対する不祥事など、旭に「士道、最モ不覚」と判断された場合、個の責任ではなく総員罰直(連帯責任)とし、仲間に罪を負わせる負い目を感じさせるとしてトイレ掃除等の罰を与えられる。共に松中ゴッドハンドであり、松中の「ボニー&クライド」と恐れられる、ゴトなどの犯罪を繰り返す幕張最凶カップル。中学生にも関わらず、半年前に突然新婚旅行に行くと言って、盗んだシボレー・インパラと共に駆け落ち同然で幕張から消えてしまう。噂では行く先々でパチンコ店を狙って二人でゴトを繰り返し、豪遊していたようである。しばらく行方をくらましていた後、ようやく幕張に共に帰ってくるが…。
出典:wikipedia
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