中京圏(ちゅうきょうけん)は、愛知県名古屋市を中心とする都市圏である。日本の三大都市圏の一つ。別名名古屋圏(なごやけん)、中部圏(ちゅうぶけん)。「中京」とは、名古屋市が東京市(現在の東京都区部)と京都市との間に位置している点から、明治時代に名古屋市が「中京」と呼称されたことに因む。「中京」の呼称は明治20年代なかばより使用例がみられる。明治20年代の名古屋を中心とする産業、鉄道、都市の発展で東西大経済圏に対する中京意識が生まれ、「東海道線の中間点」を、さらに「ひそかに全国の中心」を目指す名古屋経済圏の意味があった(実際に両京と並ぶ実勢をもつのは明治末期)。明治時代の中期に、名古屋駅が東海道本線、中央本線、関西鉄道(現在の関西本線)など鉄道の拠点となると、名古屋市を中心とする経済圏が形成されて、愛知県・岐阜県・三重県の3県(東海3県)に跨る圏域を中京圏(名古屋圏)と称するようになった。行政や経済や文化などの各面において、名古屋市への一極集中が著しい。戦国時代には、多くの武将を輩出した地域でもある。交通面で見ると、太平洋沿岸(愛知県、三重県)は東海道の、内陸側(岐阜県)は中山道の沿線になっている。中京圏は、中京都市圏や名古屋大都市圏(名古屋市の経済や文化の影響力を強く受け、人口交流のきわめて濃密な圏域を指す言葉)と重複する範囲が多い。範囲は、統計資料の定義により多様である。とされ、鉄道・道路などの影響でヒトデ型であった。交通網、情報通信網などのインフラ整備が進んだことや、圏の力が増したことにより圏域を拡大し続けている。圏域には、愛知県尾張・三河、岐阜県美濃、三重県北勢が含まれている。また、30%以上の依存率を示す地区が名古屋市と同一生活圏とされ、10%以上から30%までが近郊型地帯とされている。他にも、内閣府政府広報室の大都市地域の住宅・地価に関する世論調査では、名古屋駅を中心とした半径30kmの円内地区とし、国土交通省の大都市交通センサス調査では愛知県、岐阜県、三重県の区域とした。ただし、三重県の伊賀地域、殊にその南部(近鉄大阪線・国道165号沿線)は関西との繋がりが強く、特に名張市は大阪市のベッドタウンでもあるため、「名古屋圏」から外されることもしばしばである。三大都市圏の一つだが、他の大都市圏を「東京圏」「大阪圏」と呼ぶ場合には、「名古屋圏」の方が多用されている。濃尾平野を中心に名古屋都市圏が広がり、更に太平洋岸の中小規模な平野に都市が連なる。地質的には北部及び中部が西南日本内帯に属し、それぞれ美濃帯(丹波-美濃帯)、領家帯に区分される。三重県南部及び三河の一部は西南日本外帯に属し、三波川帯及び四万十帯に区分される。沿岸はプレート境界になっているため、東海地震や東南海地震などの警戒区域になっている。平野部は気候が温暖なので、古代から人類の定住が見られた。特に濃尾平野においては、弥生人の勢力が隆盛を誇った。律令時代には東海道(初期)や東山道が整備され、関東から畿内や北部九州へ向かう防人の通行路となった。戦国大名が乱立すると、尾張国と西三河の二地域からは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった「戦国三大武将(三英傑)」が輩出された。織田家臣団として信長に仕えた武将には、尾張国や西三河地方の出身者が多く、これらの中には、後に全国各地の藩主となった者も少なからずいる(例:山内一豊、前田利家、堀尾吉晴など)。江戸幕府が樹立されると、江戸と京都とを結ぶ東海道五十三次と中山道六十九次が整備された。主な宿場町には、東海道では岡崎宿、池鯉鮒宿、桑名宿、四日市宿、亀山宿などがあり、中山道では大湫宿、太田宿、加納宿、関ヶ原宿などがあった。また、江戸時代には綿が盛んに生産され、副業として綿織物産業が成立していた。尾張国の桟留縞など、好評を博す地域の名産品も誕生した。尾張藩第7代藩主徳川宗春の代に、現在の大都市としての名古屋の基礎が築かれた。高度経済成長期以後、特に成長する東京と西日本を結ぶ東海道と中山道の交通網が当地域の発展にとって益々重要と考えられるようになり、交通網や都市開発が進められた。このため、特に東海道線沿線は当地域における工業生産の中心地になっていった。名古屋市に近い岐阜県南部、三重県北部(北勢)との経済的な連関も一層深くなり、伊勢湾岸の中京工業地帯の形成も伴って、「名古屋圏」「中京圏」が確立された。鎌倉時代以降、国家的な見地から東西の連結が重視されてきたが、近代においても東西の幹線が重点的に整備された。温暖な気候と豊富な日照に恵まれているため、全国一のシェアを誇る菊、電照菊をはじめとする花卉、柑橘類や柿などの果樹、野菜の生産が盛んである。都市近郊では、一戸当たりの耕地面積が小さいが販売金額が大きくなっており、生産性の高さが特色となっている。愛知県では名古屋コーチンをはじめとする鶏、三重県、岐阜県では松阪牛、飛騨牛といった肉牛の生産も盛んである。太平洋ベルト上に位置しており、伊勢湾岸には日本を代表する工業地帯である中京工業地帯が形成されている。西三河地方は「トヨタ王国」とも呼ばれており、トヨタ自動車の影響力が非常に強い。なお、近年では、名古屋市を中心とした半径100kmの以内の地域を「グレーター・ナゴヤ」のブランド名で統一して、海外企業を積極的に誘致し、世界有数の産業集積地にすることを目標とした大名古屋経済圏構想もあり、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ (GNI) と呼ばれる(関連ページ)。これには名張市も支援を受けている(関連ページ)。
出典:wikipedia
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