エンテロドン科(Entelodontidae)は、約4,500万- 約1,800万年前(新生代古第三紀始新世中期- 中新世前期)の北半球に広く生息していた絶滅哺乳類の一群(科)。鯨偶蹄目- イノシシ亜目(猪豚亜目)中の初期の一群として分類される。鯨偶蹄目の中でも初期に繁栄したグループで、現生のイノシシ科と相似をなす大型の有蹄類である。「大イノシシ」など現生イノシシ類と関連付けた名で呼ばれることもあるが、系統上イノシシ科とは科レベルで別グループである。イノシシ亜目の仲間という意味で両者は「近縁」と言っても間違いではないし、科が違うという点から「やや遠縁」とも言える。ダエオドン、エンテロドン、アーケオテリウム(アルカエオテリウム)など、7属が確認されている。頑健で大型の胴体に短い四肢、長い吻部を持つ頭部が特徴的な、大型のイノシシに似た動物である。小型のものでもイノシシ並みの体格があり、最大級のダエオドン(異名:ディノヒウス)にいたっては、体長約3mとバイソンやサイほどの大きさに達した。全体の印象としてはイボイノシシに似るが、頭部の体に対する比率は大きく、またその形態は特異であった。吻部は細長い割に頬骨弓が板状の突起となって突き出ている。また、下顎の前方および中間部にも、下方へと突き出る突起がある。これは咬筋の付着部であったとされるが、オスは大きく突き出る傾向があるなど性的ディスプレイであった可能性も示唆される。また、脳函部は小さかった。口蓋部には大きな犬歯や切歯、5つの咬頭を持つ丘状歯(ブノドント)の上顎臼歯などを持ち、大半の種で真獣類の基本形である44本の歯を保持していた。その形態は雑食性であることを示している。植物や小動物、腐肉や根塊などあらゆるものを口にしていたのであろう。先述のように、脳自体はそれほど大きくなかったが、臭球が発達していた。鼻先で地面を掘り返して地下茎の在処を探ったり、腐肉を探すために嗅覚が発達していたとされる。四肢については、短いが疾走に適した細身であり、その先端は早い段階で現生の大半の偶蹄類と同じく二本指となっていた。北半球に広く分布、繁栄していた。しかし、中新世半ばに彼等は姿を消し、ユーラシア大陸においてはイノシシ科、北アメリカ大陸ではペッカリー科にその地位は置き換わっている。
出典:wikipedia
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