大津市民病院（おおつしみんびょういん）は、滋賀県大津市にある医療機関。地域医療支援病院である。1937年（昭和12年）4月に大津市・滋賀郡雄琴村・坂本村・下阪本村の組合立伝染病院として大津回生病院が膳所平尾町に開院したのが始まりである。第2次世界大戦後に進駐軍の軍政部から大津市長への申入れを受けて伝染病以外にも診察範囲を広げることになり、大津回生病院の建物を活用して、1948年（昭和23年）8月に大津市立病院が開院した。この大津市立病院は「新設廉価」を掲げた市民向け医療機関として運営されるようになった。1963年（昭和38年）12月に竣工した地下1階・地上5階建ての新館に、1964年（昭和39年）1月に移転して新装開業した。この新館では、主要な機能は同一の建物内に配置されたが、伝染病棟は隣接する形で設置された。その後、1984年（昭和59年）4月に新病棟や管理棟の建設を含めた総合整備事業が完了して機能が拡充レされた。さらに、同一敷地内に併設されていた付属看護専門学校は石場のガスタンクの跡地に移転することになり、1987年（昭和62年）1月19日に新校舎へ移転した。その後、外来や検査などの機能拡充を図るために大規模な増改築をすることになり、隣接する京阪バスの車庫を移転してその跡地を活用する計画を立てた。ところが、京阪バスの車庫が移転することで生活環境が悪化することを懸念した市民からの反対運動が発生し、こう着状態に陥ることになった。その結果、1996年（平成11年）10月26日にようやく滋賀県内初とされたホスピス病棟の新設を含む増改築の起工に漕ぎ着け、1999年（平成11年）3月に新病棟が竣工して、同月末に入院患者なども移転することになった。しかし、2014年（平成26年）度決算で約13.11億円の赤字となり、同年度末までの累積赤字が約139.2億円となるなど、損益面では不振に陥った。そのため、大津市が大学教授や医療関係者等の専門家による経営形態検討委員会を設置して2015年（平成27年）2月6日から会合を行い、指定管理者制度や民間譲渡も含めて検討して、同年7月29日に「地方独立行政法人化が相当」とする答申書を大津市長あてに提出し、同年8月3日に大津市が全額出資して理事長等の経営者の任命などの権限を保つ形で地方独立行政法人化する方針を大津市長が表明した。救急診療「ＥＲおおつ｣は24時間・365日体制で、本館屋上にヘリポートも有する。

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