雄橋(おんばし)は広島県庄原市東城町の帝釈峡にある天然橋。1987年(昭和62年)5月12日に国の天然記念物に指定された。ここでは雄橋の下流にある雌橋(めんばし)についても解説する。カルスト地形での浸食作用によって形成された。もともとは鍾乳洞であったものが、侵食の進行によって落盤し、橋状に残されたと考えられている。台地の浸食が始まり橋が形成された時期は資料によってまちまちであるが、最近では第四紀の終わり、数十万年前以降。とされている。長さは90 m, 幅19 m, 高さ40 mの規模であり、下を流れる帝釈川の水面からは橋の裏側まで18 mの高さがある。スイスのプレビシュ、アメリカ合衆国バージニア州ロックブリッジ郡の とともに世界三大天然橋とされている。文政8年(1825年)の『芸藩通志』にも、雄橋が「神橋」(こうのはし)として紹介されている。また地域住民にとって雄橋は長く信仰の対象でもあった。橋の上は過去に実際に未渡地区と宇山地区の生活道として使用されていたことが遺残する古地図や石像から判明しており、馬や馬車も通行していた。周辺の道路整備によって雄橋の上の道は使われなくなり獣道となった。橋の上には円礫層も見つかっており、かつて帝釈川が現在の30-35m上の位置を流れていたとされる。付近に「鬼の唐門」という同様の形成行程の天然橋が存在し、下を歩いてくぐることができる。「鬼の唐門」の上側には「鬼の窓」と呼ばれる鍾乳洞跡を望むことができ、ともに帝釈川の支流によって形成されたと考えられている。少し下流には雌橋と呼ばれる天然橋がある。雄橋よりも小型であるが、雄橋と雌橋を題材にして2匹の鬼が橋を造ったとされる伝承民話も伝えられている。1924年に下流に帝釈川ダムが建設されると帝釈川の水位が上昇し、小石などの堆積が進行した。以前は雌橋も下を船で通過できるほどの高さがあったが、増水時にはアーチ部分が水没するようになった。1996年10月、雌橋の手前の遊歩道で石灰岩の露頭の崩落が多発したために通行止めとなった。これにより徒歩では観光することができなくなったが、付近には「素麺滝」・「屏風岩」などの観光名所も多いために町議員と付近住民らは遊歩道の復旧を願い、署名活動を行って広島県に働き掛けを行ったが、山岳部を経由する危険個所の迂回路が造られたのみに留まっている。従来ルートの本格的な復旧には12億円が必要とされ、広島県自然環境課では予算調達困難としている。そのため1996年以降は渇水期限定で、カヤックまたは観光船でしか雌橋を見ることはできない。
出典:wikipedia
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