長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(ながさきげんばくぎせいしゃいれいへいわきねんしきてん)は、毎年、長崎県長崎市に原爆が投下された8月9日の原爆忌に平和公園(荒天時は長崎ブリックホール)で行われる、原爆死没者の霊を慰め、世界の恒久平和を祈念するための式典である。一般的には略して長崎平和祈念式典(ながさきへいわきねんしきてん)と呼ばれている。式典は会場である平和公園の平和祈念像前において、原爆死没者の遺族をはじめとして、市民多数の参加のもとで挙行されるものである。毎年長崎市長によって行われる平和宣言は核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けているものであり、世界各国に送られている。原爆が投下された11:02に長崎の鐘やサイレンを鳴らし、式典会場のみならず、家庭、職場で原爆死没者の冥福と恒久平和の実現を祈り、1分間の黙祷を行ったあと、長崎市長が平和宣言、平和への誓いを行うのが通例である。また当日の長崎市の各所では、原爆死没者に対する慰霊と核兵器廃絶を訴える式典が行われている。近年は、平和教育の一環として、式典の司会進行を、市内の高校生に行わせている。また、水を求め死んでいったという故事を受け、「献水」が行われるが、これにも市内の小中学生代表を参加させている。平和公園での式典において、小学生による平和の誓いが行われるが、これは爆心地に近い山里小学校と城山小学校の六年生が毎年交代でおこなっており、奇数年は城山小、偶数年は山里小となっている。なお、当初原爆の投下目標とされた北九州市小倉北区においても、同時並行で式典が行われており、長崎市長が毎年メッセージを寄せている。式典の流れは次のとおり。広島の式典に比べ、長崎の式典中継はあまり行われておらず、地元からはこれを批判する声も挙がっていた。最も積極的に中継を行っているのはNHK長崎放送局であるが、それでも九州沖縄のブロックネットに止まっている期間が長かった。完全に全国ネット化されたのは2000年代に入ってからで、地元からの強い要望の末に実現したものであった。NHKでは総合テレビ、ラジオ第1放送、NHKワールドTV(映像は日本国内と同じだが、テロップは英語に差し替え)、NHKワールド・プレミアム(ノンスクランブル放送)で同時放送し、NHKワールド・ラジオ日本でも13時台と17時台に通常番組を差し替える形で録音放送される。テレビの放送は2か国語放送(総合テレビ、NHKワールドTV、NHKワールド・プレミアムのいずれもモノラル二重音声)を実施し、総合テレビではリアルタイム字幕放送も実施。2010年までは衛星第2テレビでも放送されていた。2016年は、総合テレビでは10:30から11:50まで、ラジオ第1放送では10:55(長崎県内は10:35)から11:30まで放送。民放は長崎県内のみの放送にとどまることが多い。以下、2016年の実績。1946年9月に着任した占領軍長崎軍政部司令官のビクター・デルノア中佐は、第二次世界大戦中、ヨーロッパ戦線において戦車隊長としてドイツ国内ワイマール近郊のブーヘンヴァルト強制収容所の収容者や近隣にて収容されていた連合国側捕虜を解放し、その際にナチス親衛隊が収容所においてナチスに抵抗したドイツ国民や同性愛者、ユダヤ人に対する拷問・人体実験の証拠隠滅の為にした収容者の虐殺遺体を見てアメリカの正義への確信を深めていった。1946年10月12日の長崎市西坂公園の真宗大谷派の門徒の原爆犠牲者の慰霊式を見て、また小学校を仮病棟にした長崎医科大学付属病院の被爆者の患者の惨状を見て、原爆投下は兵士でない一般市民が犠牲になった事で上記のアメリカの正義がドイツのナチスの所業と同じではないかと感じるようになった。GHQ占領当時、米国兵と米国民の安全を確保するために反米運動の契機となる情報提供が禁止されていたのと、東京裁判において日本軍の一般市民に対する空爆が戦争犯罪として審理対象になっていなかったことから(ジョン・ダワー談)、原爆についての報道の全面禁止が占領軍の方針であった。しかし、原爆投下の正当性を疑問視していたデルノア中佐は、長崎着任後半年後に当時14歳の石田雅子の被爆体験手記を出版させようとしてGHQに許可を取ろうとした。GHQはそれを認めなかった。1948年にデルノア中佐は、長崎軍政部司令官として「原爆は人類を滅亡させる無用の長物、二度と原爆を使ってはいけない」「あの日の事、死んだ人の思いを生きている人が伝える」と述べて、第1回長崎平和祈念式典を長崎市に許可した。この式典で行った演説原稿を含む、デルノア中佐の個人文書類が、アメリカ合衆国メリーランド州、メリーランド大学、ゴードン・W・プランゲ文庫にて保管されている。1949年にデルノア中佐は長崎を離任した(2011年8月8日 NHK総合放送『二度と原爆を使ってはいけない』(NHK長崎製作・著作)参照)。長崎電鉄松山町下車
出典:wikipedia
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