剛拳(ゴウケン、Gouken)は、カプコンの開発・販売する対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。ゲームでは『ストリートファイターII』の頃からキャラクター設定が存在し、各種メディアミックスでも何度か描かれていた。『ストリートファイターIV』においてゲーム本編に初登場。『ストリートファイター』シリーズの主人公格であるリュウとケンの師匠で、豪鬼の兄。『ストリートファイターII』(1991年)のコミカライズ作品『ストリートファイターII -RYU』(神崎将臣、1991年 - 1994年、ファミリーコンピュータMagazineに連載)に登場したのが初出で、単行本1巻に収録された設定資料にはカプコンによるラフスケッチが見られる。その後、2008年に稼働した『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)において、初めてゲーム本編で動くキャラクターとして登場。アーケード版では1人用ゲームで条件を満たすと最終ボス戦後に登場するCPU専用の敵キャラクターであり、家庭用移植版では条件を満たすと隠しキャラクターとして使用可能である。バージョンアップ版の『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』と表記)では最初から使用可能であり、隠しボス版として服の色が異なる強化版も登場する。『ストIV』における剛拳のテーマ曲はリュウのテーマ曲のアレンジ版。ボスキャラクター版剛拳のテーマ曲は豪鬼のテーマ曲のアレンジ版となっている。『ストリートファイターV』には参戦していないが、リュウのストーリーモードなどで姿を見せる。日本国外版での豪鬼の名称は「Akuma(悪魔)」に変更されているが、剛拳は豪鬼より早く初出していたため、変更されていない。アシスタントプロデューサーの塩沢夏希によると、「Akumaと変更されてしまったために、豪鬼・剛拳・轟鉄で「GOU」シリーズという関係性が分からなくなったデメリットがある」と語られている。鍛え抜かれた肉体を持つ屈強な老人。背中に「無」の文字を背負った胴着を着、首から巨大な数珠を提げ、足は雪駄履き。頭髪は後頭部を残して禿げ上がり、顔中にヒゲを生やしている。『ストリートファイターII -RYU』ではベガに殺害され、リュウが師の仇を追ってベガと戦う筋書きになっている。1994年に稼動した『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパIIX』と表記)からはゲームのバックグラウンドに剛拳の存在が公式に設定された。師匠の轟鉄(ゴウテツ)から受け継いだ暗殺拳を洗練して、格闘術として完成させてリュウとケンに伝授。隠しキャラクターとして登場する豪鬼は剛拳の実弟であり、轟鉄を師とする兄弟弟子でもある。『ストリートファイターZERO』(1995年)の豪鬼のエンディングでは豪鬼の回想に現れ、轟鉄とともに倒されたと語られている。このときから左眉の上に大きな十字の傷が描かれるようになった。同作のベガのバックストーリーではベガと対峙するが、己の拳の極意を悟らせないためにあえて波動の力を使わず戦い敗れている。『ZERO2 ALPHA』では、殺意の波動に目覚めたリュウが豪鬼を「師の仇」と呼んでおり、剛拳が豪鬼に殺害されたことを示唆している。なお、かつてはダンも弟子にしていたが、彼が父親を殺したサガットへの復讐心を捨て切れていないことを拳から感じ取り、破門にしている。この時に「今まで身に付けた格闘術を悪用されぬために、破門者の拳を破壊し、格闘家として再起不能にする」という鉄の掟を彼に施すことはなかった。そんな彼を豪鬼は「格闘家としては甘い」と評しているが、それは彼の優しさゆえであり、それが弟子のリュウとケンを始めとする多くの格闘家に敬慕される所以である。細かい部分で従来の作品との差異が存在するが、「豪鬼との戦いに敗れ、倒れた」「無の拳」などの基本的な設定は受け継がれている。外見デザイン上は筋骨隆々の白い髭を蓄えた老人となり、後頭部の白髪は長く伸び先端を縛ってまとめている。濃い灰色の胴着は右半分が破れてなくなり袈裟のようになっている。胴着のズボンは白(ただしCPU専用豪鬼は上下とも胴着・ズボンともに濃い灰色)。帯は豪鬼のように荒縄を締めており、両手両足にはレガースや履物などは身につけていない。厳しいながらも心優しい老人であり、弟子たちの成長を何よりの楽しみとしている。対戦相手に対しては対戦後、相手を諭すような台詞が多く、僧侶であるダルシムやムエタイの帝王サガットには敬意を持って接する。また、豪鬼に対しては「人にも鬼にもなれない甘い男」と語っている。なお春日野さくらは彼を「リュウにすごく似ているが、それよりもっと大きい」と評している。『ストIV』では「意識回復に時間が掛かったため、(リュウとケンに)死んだと思われても仕方なかった」と本人が語っており、豪鬼に負けはしたものの死んではいなかったと判明した。また、これらの新たな設定をもとに、『ストリートファイターII -RYU』の作者である神崎将臣による短編漫画『復活 RYU-After-』も描かれた。『ストIV』のエンディングは、リュウが豪鬼と闘うことで殺意の波動に目覚めてしまうことを危惧し、事前に「無の拳」で殺意の波動を封印した後で、殺意の波動を嗅ぎつけてきた豪鬼と対峙する内容になっている。『スパIV』のエンディングでは、いまだにリュウとケンから師匠として尊敬されていることが窺え、二人が一人前の格闘家になったことを認めた剛拳は再び姿を消そうとするが、彼らの追跡に遭い失敗している。また、同作のエンディングで語られている水汲みの様子は家庭用版『ストIV』公式サイトのノベルで描かれている。『スパIV』では殺意の波動に目覚めたリュウと狂オシキ鬼のライバルキャラクターとしても登場。殺意の波動に目覚めたリュウでは「真の死合」を求める彼を命懸けで制止し、狂オシキ鬼では自身の手で葬ろうとするが、いずれも撃破され最後は殺害されている。剛拳が辿り着いた波動の境地であり、豪鬼の殺意の波動に対抗する剛拳の波動である。『ストIV』のリュウのプロローグによると「全てを無に還す拳」で、リュウが目指し、越えるべき境地でもあるという。無の波動による無の拳の詳細については不明だが、本人および豪鬼のエンディングでは、殺意の波動を封印する力を持っていることが示唆されている。リュウやケン、豪鬼とは同門の出という設定から、使用する技は彼らと似たものが多いが、一部の技に独自のアレンジが加えられており、まったく性質が異なる技になっているものも少なくない。代表的なものとして「昇龍拳」を禁じ手としており使用に制限があるため、対空攻撃は「波動拳」と「竜巻旋風脚」を変化させたもので代用していることが挙げられる。キャラクターの特徴としては相手を空高く打ち上げ、落ちてきたところに追撃を決めることを得意としており、リュウたちのようないわゆる「波動昇龍系」というよりも、コンボや連続技に特化したキャラクターであるといえる。また、正面から斜め上空にまで撃ち分けられる「剛波動拳」や、相手の攻撃を受けてから発動するカウンター技を使えるなど、駆け引きや先読みを重視した戦い方も特徴。老齢ながら体力値や気絶耐久値はリュウやケンと同等の標準的な値を誇る。初出となった『ストリートファイターII -RYU』以外では中平正彦によるコミカライズでも剛拳が多く描かれている。漫画『ストリートファイターZERO』(1995年)では、少年時代のリュウとケンとともに回想シーンに登場する。同作ではゲームでの設定とは異なり、暗殺拳を格闘技へ昇華させたのは轟鉄とされている。また、「昇龍拳」を禁じ手とする設定も登場しており、そうと知らずに「昇龍拳」を放ったリュウを剛拳が厳しく叱責する場面も描かれた。おまけ漫画『その後の談(ダン)』では剛拳の墓が登場しているが、豪鬼とダンに破壊されている。『ストリートファイターZERO 外伝 〜春麗旅立ちの章〜』のドラマCDでは春麗の父・介臣と格闘のライバルでもあり友人という設定で、この繋がりがきっかけとなり、介臣を探す春麗が剛拳のいる寺に向かった時にリュウと出会う。この後、剛拳と介臣の2人を知っている爺さんと師匠のことを知っているリュウから、闘いで未熟だったベガから介臣が倒した後、サイコパワーで強化されたベガがリュウとケンの目の前で剛拳に戦いを挑んだが、剛拳が「波動拳の極意」を見破られないために、この技を封じ敗北している。さらに、この戦いの直後に介臣がカンフーを辞めたエピソードが語られている。このCDでは「ゴウケン」という記述になっている。『ストリートファイターIII』のコミカライズ『RYU FINAL』(1997年 - 1998年)では、剛拳と豪鬼の一騎討ちで山野が崩れ、森がなぎ払われる激しい戦いが描かれた。豪鬼が勝利した後、剛拳の数珠を持ち去っている。によるアメリカンコミック『ストリートファイター ザ・コミック』では豪鬼に殺害されている。墓には数珠がかけられていたが豪鬼によって奪われた。リュウの回想にも登場し豪鬼と戦っているが、その時は勝利を収めている。OVA『ストリートファイターZERO ジェネレーションズ』ではゲームやコミカライズとは風貌が異なる。この作品では豪鬼と共に若き日の姿が描かれている。『ストリートファイターIV』発売後に発行された『ストリートファイター アート・コミック・アンソロジー』において、『ストリートファイターII -RYU』の作者である神崎将臣の短編漫画『復活 RYU-After-』が描かれ、剛拳が登場している。同作において剛拳の生死については「殺意の波動をまともに受けて遺体が残らなかったと勘違いした=剛拳の死を確認したわけではなかった」とされており、剛拳の墓も実際に遺体が埋葬されているわけではなく「剛拳が最期を遂げたとされる廃寺が墓の代わり」ということになっている。実写映画『ストリートファイター 暗殺拳』では若き日の修行、豪鬼が鬼になる時、リュウを拾う時、リュウとケンの旅立ちの時までが描かれている。剛拳の修行時代の設定は『ストリートファイターZERO ジェネレーションズ』に近く、轟鉄と轟鉄の姪さやか、剛拳、豪鬼で静岡県の山奥に暮らしている。リュウとケンの修行時代は和歌山県の山にある寺で暮らし、波動を教えるためにかつての修行の地に戻る。暗殺拳の修行をする中、まだ殺意の波動を教えない轟鉄に反発する豪鬼と、豪鬼を止めようとする剛拳。豪鬼が破門されてからしばらく経ち、鬼となった豪が戻ってくるのを感じ、轟鉄が瞬獄殺で殺されたところに到着し戦いを挑むが「うぬではまだ覚束ない」と言われる。さやかに思いを寄せていた剛拳だったが、さやかは豪鬼に思いを寄せていたため家を出てしまう。剛拳はただ1人、広い家で時間を過ごしていたがそこに現れた謎の老人が連れてきた少年を育てることで自分自身を取り戻していき、「殺意の波動の継承者はこの世に一人しか存在が許されない」という殺意の波動の歴史に反する勇気を取り戻す。リュウとケンを殺意の波動の伝説に巻き込まないようにするため、二人が寺から旅立った後に、一人、豪鬼と闘う。
出典:wikipedia
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