カナダオオヤマネコ("Lynx canadensis"、英名:Canadian Lynx)は北アメリカに生息するネコ科の動物の一種。ヨーロッパオオヤマネコとは近縁で同一種とみなす専門家もいるが、本種にはヨーロッパオオヤマネコよりむしろボブキャットに近い特徴も存在する。ボブキャットとは生息域が一部重なるが、本種の方がより大型である。ヨーロッパオオヤマネコと形態的によく似ているが、本種は体長67-110cm、尾長5-17cm、体重7-17kgとやや小型である。オスはメスより体が大きい。シルバーがかった茶色の毛皮に黒みがかった斑点をもつ。ひだ襟のような首毛をもち、耳の先端には黒い房毛がある。虹彩は黄土色から黄緑色で、瞳孔は円形に収縮する。4月から5月と10月から11月に換毛する。夏毛は冬毛に比べて短く、赤みがかった茶色になる。長い脚と深い毛におおわれた足は、深い雪の中を歩き回るのに適している。単独で生活し人前に姿を現すことは少ない。灌木などの茂みの中や岩陰によくいる。夜行性で広い縄張りをもつ。木登りや泳ぎもできる。南や南西に面した斜面に巣を作ることが多い。春になると1-5匹(通常3-4匹)の仔を産む。若い個体が生き延びられるかどうかは、縄張り中に獲物となる生物がどれだけいるかに懸かっている。子どもは8-10か月で成獣の被毛に生え換わる。メスは、子どもが離乳し自力で獲物を探すようになるまで育て上げる。カンジキウサギ("Lepus americanus")が彼等の主食である。ノウサギなどのげっ歯類に加え昆虫、ネズミ、リス、鳥類も捕食する。このため、約10年のスパンで個体数が減少するカンジキウサギに合わせて、本種の個体数も激減する。ハドソン湾会社(Hudson's Bay Company, HBC)とカナダ政府にこれについての1730年代からの記録が残っている。グラフには特徴的で顕著な増減が繰り返し記録されており、ピーク時の生息数と最低時では10倍ほどの差がある。ピークから底までは約5年かかり、その後すぐに生息数は増加し始める。カナダオオヤマネコの分類については、この種を"Lynx canadensis"とするか"Felis canadensis"とするか、さらに言うならオオヤマネコ属の4種(ヨーロッパオオヤマネコ、カナダオオヤマネコ、スペインオオヤマネコ、ボブキャット)は独自の属に分類されるべきか、ネコ属の亜属に分類されるべきか、という議論がなされている。現在では独自のオオヤマネコ属に分類する方法が受け入れられている。また、オオヤマネコ属はベンガルヤマネコ属やネコ属、ピューマと共通の祖先を持つと考えられている。現在3つの亜種が認められている。カナダ、アラスカの森林に生息する。またアメリカ合衆国モンタナ州、アイダホ州、ワシントン州にも数多く生息し、イエローストーン圏生態系の中心であるイエローストーン国立公園の中にもその姿を見ることができる。ユタ州、ミネソタ州、ニューイングランドでは稀にしか見ることができない。カナダオオヤマネコは毛皮のための捕獲、各地での生息域減少が原因でその数を減らしつつあるが、IUCNリストではLeast Concern(軽度懸念)にリストアップされている。アメリカ合衆国の大陸中部の48州(contiguous United States)では、米国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)によって絶滅危惧種に指定されており、コロラド州では1999年から本種の再導入が取り組まれていた。そして2003年には野生で生まれた最初の子供が確認され、再導入は成功を収めつつある。
出典:wikipedia
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