『〈古典部〉シリーズ』(こてんぶシリーズ)は、米澤穂信の推理小説のシリーズ。角川書店より2001年10月から刊行されている。文化系部活動が活発なことで有名な進学校・神山高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女4人が、学校生活に隠された謎に挑む、「日常の謎」に分類されるシリーズ。基本的に、主人公であり探偵役でもある折木奉太郎の一人称で語られる。ライトノベルの新人賞である角川学園小説大賞のヤングミステリー&ホラー部門で奨励賞を受賞し、角川スニーカー文庫のサブレーベルである<スニーカー・ミステリ倶楽部>から刊行された著者のデビュー作『氷菓』から連なるシリーズ(『氷菓』は第1回配本)。2作目『愚者のエンドロール』も同レーベルで刊行されたものの、<スニーカー・ミステリ倶楽部>の企画が頓挫し、続編が出せない状態となった。しかしその後、米澤が別の出版社で発表した『さよなら妖精』が高い評価を受けたため、2005年にシリーズ3作目『クドリャフカの順番』が角川書店から単行本(四六判)で刊行され、同時に『氷菓』と『愚者のエンドロール』も角川文庫から新装丁で刊行された。以降、シリーズ作品はまず単行本で刊行され、後に文庫化されている(詳しくは既刊参照)。シリーズの舞台である神山市は、「中部地方にあると推定される緑豊かな地方都市」とされている。アニメ版の舞台のロケハンは、主に作者の出身地である岐阜県高山市で行われた。十六銀行は、ファンの「聖地巡礼」による高山市内への観光客を年間15万人と想定し、岐阜県内への経済効果は21億円と算出した。2013年2月1日には、アニメのモデルとなった場所を案内する高山市公式ガイドマップが1万枚制作され、市役所や市内の観光案内所等で配布されている。2012年のライトノベルの売上において、〈古典部〉シリーズが767,236部で第3位となった。2016年10月まで〈古典部〉シリーズは、文庫だけでも累計191.7万部を突破している。シリーズは奉太郎が高校を卒業するまで続く予定。<スニーカー・ミステリ倶楽部>の作品は別途英題が付けられることになっており、角川文庫に移籍後も表紙に英題が書かれている(この際『氷菓』の英題は「HYOUKA」から「You can't escape」に変更され、さらに2012年3月31日発行の第28版から「The niece of time」に変更された)。単行本で出版された作品についても、文庫化の際に英題が付けられている。2012年6月現在、文庫版すべておよび単行本『遠まわりする雛』は「岩郷重力+WONDER WORKZ。」が装丁を担当している。単行本『クドリャフカの順番』は「遊空龍+WONDER WORKZ。」、単行本『ふたりの距離の概算』は「岩郷重力+WONDER WORKZ。+K・S」名義となっている。カバー装画の担当は、スニーカー文庫版『氷菓』が上杉久代、同じくスニーカー文庫版『愚者のエンドロール』が高野音彦、単行本『ふたりの距離の概算』が北沢平祐。角川文庫の既刊4巻は2012年のアニメ化の時期に、アニメデザインのキャラクターが大きく描かれたブックカバーと同じ大きさの超特大帯が巻かれて販売されている(実質的に、本来のブックカバーとアニメ版のブックカバーの2枚が付属)。この超特大帯の裏にはアニメの設定資料が掲載されている。また、2012年6月に発売された文庫版『ふたりの距離の概算』は、裏面にアニメのイラストが描かれたリバーシブルカバーとなっている。どちらも京都アニメーション描き下ろし、期間限定仕様。登場人物の学年は、特記のない限り奉太郎たちが1年生の時点のもの。古典部員の設定・性格は、シャーロック・ホームズシリーズにおけるホームズを奉太郎、依頼人をえる、ワトスンを里志、レストレードを摩耶花と当てはめて作られた。※複数回登場した人物のみ記載。『氷菓』(ひょうか)のタイトルで、2012年4月から9月まで独立局他にて放送された。テレビシリーズ22話とOVA1話の全23話構成。制作を京都アニメーションが手掛け、2003年の『フルメタル・パニック? ふもっふ』および2005年の『フルメタル・パニック! The Second Raid』と同じく、武本康弘が監督、賀東招二がシリーズ構成を担当している。本作はシリーズを時系列順に構成し、その中で大筋においては原作を踏襲しているが、古典部の部室の場所など、原作から変更されている部分も一部存在する。最も大きな変更点は時代設定で、原作の2000年から放送年と同じ2012年に変更されている。それに伴い「33年前の真実」が「45年前の真実」となり、関係者の年齢もそれに合わせて変更されている。放送開始時にはネット上で作画の美しさを評価する声が多く寄せられていた。またBIGLOBEが運営するアニメ総合ポータルサイト「アニメワン」で発表された「2012年春季放送アニメ 人気ランキング」で1位を獲得している。アキバ総研が運営するアニメポータル「あにぽた」で2016年3月3日から実施した人気投票企画「京アニ作品で一番好きなTVアニメは?」において1位を獲得。本編中にはフォーレ「シシリエンヌ」、バッハ「G線上のアリア」「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 前奏曲」、ベートーヴェン「月光第1楽章、第3楽章」のクラシック曲が使われている。これらは原作者の米澤が作品のイメージの参考曲として挙げたものであり、それを音楽担当の田中公平が編曲して使用された。また、例えばフォーレ「シシリエンヌ」にはピアノ伴奏を付けるなど、これら劇伴には伴奏を付け、テンポをはっきりさせてクラシック奏者ではない演奏家に演奏させている。ほか、クラッシック以外の曲にも、バイオリン、チェロ、フルート、ファゴット、ピアノなどを使用し独特の世界観を作り出している。アイキャッチには二十四節気と暦便覧における文章が挿入されている。Blu-ray Discは限定版のみ、DVDは限定版と通常版と計3系統となっており、各巻2話収録で全11巻。限定版はサウンドトラックとシリーズ構成である賀東招二が脚本書き下ろしたオリジナルドラマとラジオダイジェストを収録したCD、特製ポストカード2枚等、また、特定の巻にはアニメ本編に関連した封入特典(古典部の文集「氷菓」の表紙・文化祭のしおり・千反田えるのコスプレブロマイド等)が収録された。オリジナルドラマは本編を元ネタにしているがコメディ基調となっている。また、第1巻・第4巻・第7巻・第10巻など特定の巻には複数巻のBDケースが収納出来るBOXが封入されている。また、第9巻には放送時点で単行本未収録である小説『連峰は晴れているか』を収録した冊子が付属した。通常版との共通特典として、ブックレットの他、音声特典のスタッフオーディオコメンタリーや映像特典のノンテロップオープニング&エンディング(第1巻・第6巻のみ)、ロケハン映像、BGMレコーディング映像、オープニングエンディング収録映像(第7巻・第8巻はこだまさおりによるインタビュー映像)等が収録される。第4巻には試写会の模様の映像が収録された。オーディオコメンタリーには武本康弘(監督)と賀東招二(シリーズ構成)が参加、3巻のみ賀東の代わりに伊藤敦(プロデューサー)が加わっている。2013年1月13日発売のコミック版『氷菓』3巻限定版では、テレビ版の第11話と第12話の間に相当する完全オリジナルエピソードである第11.5話を収録したBlu-ray Discが付録した。シリーズのBlu-ray Discと同じく監督の武本康弘とシリーズ構成である賀東招二の二人によるコメンタリーと映像特典として舞台となったプールのロケハン映像が収録されている。第11.5話は2012年7月8日0時よりUstreamで先行配信された。2016年2月24日、KADOKAWAが発表した2016~17年のラインナップに示された映像化プロジェクト始動作品の中で、『氷菓』(ひょうか)のタイトルで実写映画化されることが判明した。3月22日にロケ地の栃木県足利市映像のまち推進課ホームページ上でエキストラの募集が締め切られた後、3月25日には群馬県安中市のホームページ上でもエキストラの募集が告知された。脚本・監督は安里麻里、制作は角川大映スタジオ。公開日・キャストなどは現時点では発表されていない。『古典部の屈託』のタイトルで2012年4月20日(毎週金曜22時更新)から2012年12月21日まで、ランティスネットラジオにて配信された。全36回。
出典:wikipedia
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