ジャパン・ヴィンテージ(和製英語:Japan Vintage)とは、主に1970年代~80年代に製作された、一部の高品質とされる日本製ギターの通称である。1960年代後半以降、フェンダーやギブソンなど米国の著名なエレクトリック・ギター・ブランドの製品は、経営権の移転やコスト削減のために、品質がそれまでよりも劣ったものとなっていった。そして両社が人気モデルのリイシューに積極的でなかったのに対し、日本のギターメーカーがそれらのコピーモデル製作を通じての製作技術の蓄積や、NCルータをはじめとする新型の製作機器の導入により、1970年代以降円熟期を迎えた。これら日本製のコピーモデルや各社独自のモデルにおいて、時には本家を凌駕する品質と価格を実現していた。この時期の日本製ギターへの再評価として、2000年以降シンコーミュージック社の書籍などの影響でこの呼び方が定着した。1990年代以降は、米国のギターブランドも製作方法の逆輸入などを通じ品質を回復したとされ、少数生産のカスタムショップやメーカーから独立したギター職人のブランドなどの選択肢も増えた。その一方で、日本・米国とも安価な楽器の需要にこたえるため、大量生産の楽器としてコスト重視で製作されている。その為、一部のブランドや機種以外の多くは、1990年代後半以後は韓国、2000年代よりは中国、2010年代よりはインドネシア等、人件費の安い国での生産に移行され、日本のギター生産は衰退した。この時期に発表された、海外ブランドからのコピーモデルや派生モデルではない日本独自のデザインのギターのうち、1960年代の第一次・エレキギターブーム期の「ビザール・ギター」とは明白に異なり、また80年代の流行であったヘヴィ・メタル・ギターでもない優美なデザインのものが幾つか生まれた。こういったモデルを、現在にも通用するデザインとして再評価する流れがあり、ジャパン・ヴィンテージ・モデルとして再生産なども行われている。こうしたモデルの例として、2006年発行の書籍では以下が挙げられている。1982年5月設立のフェンダー・ジャパン製品には、その後数年の間「JV」から始まるシリアル番号が用いられた。これはそのまま「Japan Vintage」の意と取られるが、当時他国生産・逆輸入という形で世界戦略を端緒に付けた米国フェンダー社が、シリアル番号の区別・整合をとる為「日本製のヴィンテージ・スタイル・モデル」という程度の意味合いで要請しただけで特に強い意味はない。しかし一方、当時の関係者らの「日本のヴィンテージとして後世に残るものを作る」という意気込みの表れであると受け取るような俗説もあるようである。ともあれ、この時期のフェンダー・ジャパン製モデルは「手の届きやすい価格の高品質ヴィンテージ・リイシュー」として中古市場で人気が高い事に違いはなく、日本国外にもファンサイト・研究サイトが存在する。上記シンコーミュージック刊のシリーズ一覧。
出典:wikipedia
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