真福九端(しんぷくきゅうたん、)は、正教会において最も頻繁に用いられる祈りの1つであり、題は日本正教会による訳語である。マタイによる福音書5章3節から12節までから取られた句に由来する。全体的に謙遜を意味していることから「謙遜の祈り」とも呼ばれる。カトリック教会では聖書の同箇所を真福八端(しんぷくはったん)と呼ぶ。正教会とは句の数え方が違うため数字が異なる。真福九端は、信者の精神性・生活態度のあるべき姿について、イイスス・ハリストス(イエス・キリストのギリシャ語読み)が山上の垂訓において教えたものであるとされる。聖体礼儀で頻繁に歌われ、特別な祭日ではない主日(日曜日)においては殆ど欠かさず歌われる。聖体礼儀においては、冒頭に「主や、爾の国に来らんとき、我等を記憶ひ(おもい)給へ」という善智なる盗賊(ぜんちなるとうぞく…イイスス・ハリストスが十字架に架けられた際に、その右側にともに十字架に付けられた盗賊のこと:「右盗」とも)の言葉を置き、その後にマタイによる福音書5章3節から12節から引用された祈りが続く。階梯者聖イオアンの、天国への階段の教えと絡めて理解される事が多い。一段一段、信徒が上っていくべき心の状態を示しているとされる。日本正教会では真福九端という呼び名が定着しているが、日本語以外の言語では"'"(『爾の國に』教会スラヴ語)、"'"(『爾の國に』英語)のように、祈祷文の冒頭の句を題名として用いているものがある。正教会に限らず、キリスト教では祈祷文の題名に冒頭の句を用いること(インキピット)は一般的に行われる。日本正教会においても祈祷文の冒頭の句を祈りの題名として用いるケースは数多くあるが(天の王など)、真福九端の場合、「主や爾の國に来らん時」などと表記することはまず無い。聖体礼儀において第3アンティフォン(, )として歌われる事が多いが、第3アンティフォンに用いられる祈祷文は真福九端に限定されず、日によって他の讃詞も用いられる。従って「真福九端=第3アンティフォン」といった理解は誤りである。以下は、日本正教会で聖体礼儀に用いられている祈祷文である。日本正教会発行の『時課經』(時課経)に拠ったが、一部、旧字体を簡略化するなどしている。聖体礼儀において、単純な伝統的旋律にのせて歌われるほか、作曲されたものを歌うこともある。聖体礼儀に含まれる祈祷文であるため、聖体礼儀全曲を作曲した作曲家であれば、真福九端も殆どの場合において作曲している。
出典:wikipedia
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