イスパノ HA 1112(Hispano Aviacion HA-1109/HA-1112)とは、メッサーシュミットBf109をスペインでライセンス生産した単発レシプロエンジン戦闘機である。スペイン政府は1942年にナチス・ドイツから供給されるダイムラー・ベンツ DB 605 エンジン、プロペラ、計器、武装を使用してメッサーシュミット Bf109G-2をライセンス生産する折衝をメッサーシュミット社と行った。これはドイツが自国の需要に対応するために不可能になり、結局スペインには僅か25機分の機体(尾部無し)と必要な分の半分に満たない設計図しか届かなかった。この機体にイスパノ社が1,300 hpの-89 エンジンを代わりに搭載したものが1944年にバルセロナで飛行する一方で、製のプロペラと間に合わせのエンジンマウントを取り付けた機体であるHA-1109-J1Lの初号機が1945年3月にセビリアで初飛行した。その他の24機分の機体はエッシャーウイス製のプロペラを付けて 1947年から1949年にかけて完成したが実働運用には入らなかった。イスパノ・スイザ 12Z-17 エンジンに合わせて搭載方法を改善した発展型がHA-1109-K1Lとして1951年5月に出現した。 DH 油圧式3枚ブレードのプロペラを装備した機体は「トリパラ("Tripala"、3枚型プロペラブレードの意)」と呼ばれ、1丁か2丁の12.7mm 機関銃 と製8連80mmロケット弾を装備していた。HA-1109-K1Lは1951年に初飛行を行い、200機が製造されることが計画されたが実際は65機しか造られなかった。上掲の写真の機体はタブラダ(Tablada)、モロン空軍基地()、トレホン空軍基地()、レオンに配備された後、1955年に退役した。同機は1971年5月6日に航空博物館(Museo del Aire)の所蔵となった。2番目の型のHA-1110-K1Lはタンデム複座の練習機モデルであった。最終型はHA-1112-M1L と呼ばれ、HA-1112-M1Lは1,600 hp のロールス・ロイス マーリン500-45 エンジンとロートル社製のプロペラを装着し、1954年3月29日に初飛行した。このエンジンは大きな吸入口を必要としたことから"ブチョン(Buchón":「大きな喉」の意、スペイン語で雄鳩かペリカンの意もある)の名が付けられた。武装は2門の20 mmイスパノ・スイザ HS.404/408航空機関砲と2基のエリコン製かピラタス製の8連80mmロケット弾を装備していた。この型は1965年12月27日まで現役だった。HA-1112-M1Lは1960年代半ばまで飛行可能な状態を保っていたことからBf 109EやGとして" 空軍大戦略 "、"メンフィス・ベル"や"といった映画に出演した。注目すべきことに、"空軍大戦略"の中では"ブチョン"がBf 109の敵役のホーカー ハリケーンも演じている1場面がある。
出典:wikipedia
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