美術モデルとは、絵画、彫刻、版画、素描など、あらゆる美術作品に資するための人体モデルである。絵のモデルについては絵画モデルともいう。日本では、明治時代には芸用モデル、といわれていたが、戦後外来語が多用される時代に至りデッサンモデル、クロッキーモデル、美術モデルなどと、用途や使命によって呼ばれ方が変わる。”写真起こし”では得られない、生身の立体モチーフでの練習などでは必要である。ルーブル美術館の入館案内書の記述によれば、美術モデルは紀元前からその存在は確認されているとあり、モデルと名のつく物の中では最古の存在であるとの説もある。日本においては、明治時代の1871年頃より宮崎菊という女性が裸婦モデルをしたのが最初とされるが、江戸時代の浮世絵や春画にも裸婦像がみられる。春画の場合、上半身には着物を着ている場合も多い。美術モデルは、立ち・座り・寝ポーズの基本的ポーズをとるのが普通である。ポーズは通常、毎回同じポーズをとる場合(固定)と、毎回違うポーズをとる場合がある。前者はデッサン、後者はクロッキーと呼ばれることが多く、後者の場合は短時間でモチーフの形状をつかむことを主眼に行われる。そのため、クロッキーでは5分以下で順次ポーズを変えることもしばしば行われる。20分ポーズをとり、10分休憩をとるのが一般的である。ポーズと休憩の合計時間は、3時間というケースが多い。美術モデルとして求められるのは、ポーズ中動かないこととされている。固定ポーズの場合は、休憩をはさんでも同じポーズをすることが当然求められる。クライアントの要求により、ポーズを決めるのに、数分かかることもある。また、ポーズはモデルに任せられることが多いため、その場の描き手の技量や求めるものに応じ、瞬時にポージングしていくことが必要とされる。また、動きの大きいポーズほど体力的にきついものとなり、相応の慣れと忍耐を必要とする。そのため、多くの場合、専門の事務所に登録したモデルを使用するのが通例である。体型や年齢としてはさまざまな体型、年齢のモデルを描くのが理想であるが、モデルを確保するのは大都市部の美術系大学や絵画教室以外では、かなり困難である。中高年のモデル希望者も減っていることから、必然的に標準体型か痩せ型の若いモデルが増加している。モデルの需要としては、現在ではモデルを使用するのが絵画系の美大や絵画教室だけでなく、デザイン系、マンガ系、服飾系など様々な学校から個人的なサークルまである。ヌードから民族衣装、バレエ衣装まで職種は多様であるが、女性ヌードモデルの需要が圧倒的に多い。着衣のモデルの場合、費用自己負担で民族衣装やバレエの衣装を用意することもある。構図や採寸の基本となる骨格や筋肉のつき方を習得するのに最適であるし、人体そのものが無限の曲線からなるため、モチーフとしてもきわめて追求しがいのあるものである。美術モデルの需要について見ると、男性は女性よりも圧倒的に少なく、実際の現場でも女性モデルの雇用が多い。ただし、ジェンダーフリーの世の中を反映して、また実際的な要求としても筋肉や骨格を把握しやすいことや、男女差の認識の必要性等、昔よりも男性モデルを目にする機会は少し増えてきた。学校によっては、女性モデルしか使用しないが、一方では半数ずつカリキュラムを組む場所もあり、要は講師の考え方しだいである。専業としている美術モデルも少なからずいる一方、美術・舞踏・バレエ・現代舞踊・演劇・音楽系の仕事をしていて(あるいは目指しながら)兼業として美術モデルをしている人も多い。時給は、着衣で時給1500円、裸婦で時給2500円から3000円以上が相場である。クロッキー会や絵画教室、美術大学では、モデルに対する迷惑行為はしてはならない。例えばクロッキー会の後に、モデルにしつこく言い寄るような行為のことである。彫刻のモデルの場合、ポーズをつける際に手や腕にふれてポーズをつけることもある。アート作品製作上、写真撮影を求められる場合もある。女流美術家として名を上げた人も含まれる。
出典:wikipedia
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