.357 S&W マグナム()(9x33mmR)あるいは、単に.357マグナムは、リボルバーカートリッジとして、、フィリップ・B・シャープ(Phillip B. Sharpe)、銃器メーカーであるスミス&ウェッソンの、そしてウィンチェスター・リピーティングアームズによって作られた。スミス&ウェッソンの.38スペシャル弾がもとになっている。.357マグナム弾薬は1934年に発表され、次第に広く使われるようになった。この弾薬によって、拳銃弾のマグナム弾の時代が始まった。.357マグナム弾薬は、優れたストッピングパワーを持つことで知られている。.357マグナムは1930年代の初めから中盤にかけて、コルトに直接反応した個人のグループによって共同開発された。当時.38スーパー・オートマチックは、銃撃戦の盾としての自動車や、第一次世界大戦後の「ギャング時代(も参照)」に出現し始めた初期のボディーアーマーを貫通できる唯一の拳銃弾だった。当時のテストでは、これらのボディーアーマーは、速度が約を上回る拳銃弾ならば貫通できることが判明していた。コルト.38スーパー・オートマチックは、この速度をわずかに上回っていたので、自動車のドアや、酒の密造業者()やギャングが着用していたボディーアーマーを貫通することが出来た。.38と.357は異なる口径のように見えるが、実際には、同じが.38スペシャルの弾頭の正しい直径である。.38スペシャルという用語は、(のような)以前使われていた"heeled"()弾に由来する。これは、薬莢と弾頭が同じ直径である。したがって、これら二つの弾薬の外見上の差は、長さがわずかに違うだけである。これは、単に、下で説明するような安全上の理由による。.357マグナムの初期の開発の功績の多くは、狩猟家であり実験家でもあったに帰せられる。キースの初期の仕事は、.38スペシャル弾をより高い圧力になるようにロードすることで、スミス&ウェッソンの.38-44「ヘビー・デューティー」や「アウトドアーズマン」のような、標的射撃用の重い44口径のフレームを用いた.38口径リボルバーのおかげで可能になった。.38-44 HV ロードは、通常の.38スペシャル弾薬よりも大幅に高速になるように.38スペシャル弾薬にロードしたものである。.38-44リボルバーは、.44スペシャル弾を使う銃の、銃身とシリンダーを.357口径(つまり、.38スペシャル弾の本当の直径)にしたものである。フレーム、シリンダー、および銃身が、通常の.38スペシャル用の部品よりかなり頑丈なので、より高い圧力に耐えることが出来る。.38-44 HV 弾薬はすでに入手できないが、ほとんどの場合、後の.357マグナムに匹敵する、通常の.38スペシャルの二倍以上の圧力を発揮した。.357マグナムは、以前の弾薬の安全性の問題に配慮して、約薬莢を延長し、高い圧力の.357マグナム弾薬が、より短く低い圧力の.38弾薬用に設計された銃に装填できないようにしている。エルマー・キースは、また、弾頭の薬莢の外に出ている部分を増加させ、それによって薬莢内部の発射薬を装填する空間を広げた「キース・スタイル弾」に貢献した。キース弾は、また、大きく平たいを採用したので、より大きな殺傷力を発揮するために、エネルギーを効率よく伝達できた。同時に、この弾頭の形状はホローポイント弾のように凹んだ形ではなかったので、貫通力も高かった。このような特徴によって、キース弾は標的射撃だけでなく、狩猟にも非常に適していた。法執行機関に対する銃器の提供者として再び首位に立つために、スミス&ウェッソンはD.B.ウエッソン大佐の主導で社内の努力を結集し、また、全米ライフル協会の技術部門のスタッフだったフィリップ・B・シャープの技術的な助言を仰いで、.357マグナムを開発した。新しい弾薬はスミス&ウェッソンの既存の.38スペシャル弾薬をもとに開発された。これは異なる発射薬を装填しており、最終的に薬莢は1/8インチ()延長された。ケースの延長は、必要だからではなく、安全上の問題からである。.38スペシャルと、キースによってロードされた初期の実験的な.357弾薬の物理的な寸法は同じだったので、実験的な.357マグナム弾薬を.38スペシャルのリボルバーに装填することが可能で、これは悲惨な結果を招くおそれがあった。スミス&ウェッソンの解決方法は、薬莢を延長することで、これによってマグナム用の発射薬をロードした弾薬は、その大きな圧力で使うために設計されていないリボルバーに装填できないようになった。.357マグナム弾薬用の弾頭としては、開発中に様々な候補が上がった。スミス&ウェッソンにおける開発中に、オリジナルのキース弾は少し変更され、シャープ(Sharpe)弾のような形になった。それ自身はキース弾をもとにしていたが、キース弾の5/6の座面を持っていた。キース弾は通常はオーバーサイズで作られ、後から小さくされた。しかし、ウィンチェスターは、弾薬の開発中に実験を重ね、シャープ弾の形状を、弾頭の輪郭を保ったまま、少し変更した。最終的な弾頭は、キースとシャープの弾頭をもとにしていたが、どちらとも少し異なるものになった。この弾薬は、多くの人々によって、優れた護身用の弾薬とみなされている。ホローポイント弾は、拳銃弾におけるストッピングパワーの究極の基準として高く評価され、「きわめて信頼できる一撃必殺の弾薬(extremely reliable one shot stopper)」と評価されている。ただし、有蹄類やクマなどの大物は、人間よりもかなり頑丈な体格を持っているので、.500S&W弾、.50アクションエクスプレス弾、.44マグナム弾、.454カスール弾、.41マグナム弾などの、より大きなマグナム弾を使った方が良い。しかし、.357マグナムは、小型から中型の獲物に対しては適している。また、正しいロード(以上の重さのホローポイント弾か、ソリッドな)を優秀な射手が注意深く用いれば、適切な距離では、鹿を倒すこともできる。さらに、.357マグナムのの距離における速度は、もとの.38スペシャルの銃口の速度よりも速い。獲物に対するストッピング・パワーは.45ロング・コルト弾とほぼ同じだが、より平らな弾道を持っている。.357マグナムは非常に汎用性に富んだ弾薬で、護身、、狩猟、標的射撃などの分野で成功している。.357マグナムのリボルバーは、.357マグナムより安価で、、銃声、およびが小さい.38スペシャル弾薬を発射できるという点で、非常に便利である。この特徴によって、.357マグナム・リボルバーは、通常の.357マグナムを撃ったことはないが、より威力が低い練習用の銃を購入したくはない初心者には、理想的な銃である。しかし、.38スペシャルは、通常は.357マグナムの自動拳銃、たとえばのデザートイーグルや自動小銃には使うべきではない。これらの銃は、正しく動作するためには.357マグナムの強いリコイルが必要である。.357マグナムは、西部開拓時代のレバーアクション・ライフルのような短くて軽いライフルに使う「二つの用途(dual use)」の弾薬としても人気になった。ライフルの場合、.357マグナム弾は銃口初速まで加速されるので、.30カービン弾や.32-20ウィンチェスター弾よりもはるかに汎用性に富んでいる。1930年代、鋼板を入れたボディーアーマーに対して非常に有効であることが判明し、金属貫通弾はハイウェイ・パトロールなどの警察組織で一時流行した。.357マグナム・リボルバーは、警察用としては、ほとんどが現代の装弾数の多い自動拳銃に置き換えられたが、バックアップ用に、市民の護身や狩猟用に、また、野外活動家(outdoorsman)や警備員の間で、今でも非常に人気がある。.357マグナム弾薬のいくつかについて、一般的な性能をあらわすパラメータのいくつかを下の表に示す。弾頭の重さは、が一般的である。125グレインの JHP(ジャケッテッド・ホロー・ポイント) は護身用に人気があり、それより重いものは狩猟によく用いられる。用途とリスク評価に応じて、初活力は400から700 ft·lbf (540から950 J)、貫通力はから以上の弾薬が入手可能である。注)エキスパンション – (着弾して)拡がった弾頭の直径(バリスティック・ゼラチン) 貫通力 – 貫通する深さ(バリスティック・ゼラチン) PC (permanent cavity volume) – 永続的な空洞の容積(バリスティック・ゼラチン、FBI方式) TSC (temporary stretch cavity volume) – 一時的な空洞の容積(バリスティック・ゼラチン).357マグナムの直接の競合相手は、自動拳銃用に設計された.38スーパー弾である。この二つの弾薬の弾道特性は非常に似ている。しかし、.357マグナムは通常はリボルバーの口径であり、リボルバーは通常の自動拳銃の銃身よりも長い銃身にすることができるので、そのようなリボルバーから発射された.357マグナム弾薬は、より良い性能を発揮することができる。精度の面では、.357マグナム弾は精密射撃において、最低でも、その基準となる.38スペシャル・弾と同じ潜在能力を持っている。良い.357マグナム・リボルバーは、.38スペシャル・ワッドカッター弾を発射しても、良好な結果を得られる。このような精度と威力、それに、より安価で扱いやすい.38スペシャル弾薬を使える汎用性によって、.357マグナム・リボルバーは、の精密射撃から長距離のフォーリング・プレート(も参照)まで、様々な練習に使うのに非常に適している。また、ハンドロードにも適しており、これは経済的なのでよくおこなわれる。これまで述べた通り、.357マグナムは.38スペシャルをもとに開発された。これが可能だったのは、.38スペシャルがもともと黒色火薬を使っていたので、同じ弾頭で同じ速度を発揮させるには、より効率的な無煙火薬の2倍から5倍が必要だったからである。つまり、.38スペシャルは薬莢が比較的大きかった。9x19mmパラベラム弾は、同じ年(1902年)に発表されたが、最初から無煙火薬を使い、高い圧力(最大39,200psi)になるように設計されていた。したがって、.38スペシャルよりかなり大きなエネルギーを発揮するが、その反面、薬莢の容量は1/2以下しかない。ほとんどの9mmパラベラムの火薬は、弾頭の底面までいっぱいにロードされており、圧縮されているものさえある。 多くの.38スペシャルは同じ火薬を使っており、同じような量がロードされているが、薬莢が大きいので、薬莢のほぼ半分にしかならない。速燃性の火薬を用いた標的射撃用のライト・ロードは、薬莢の1/8しかロードされていないこともある。遅燃性の火薬をいっぱいにロードすると、より大きな威力が得られるが、同時に圧力も高くなる。これは、古くて小さなフレームの.38スペシャル・リボルバーに対しては、かなり高すぎる。このような高圧と高威力に耐えられるように、より長い.357マグナム弾と、それを扱うためのより頑丈なリボルバーが、一緒に開発されたのである。
出典:wikipedia
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