『テラプレーン』(原題:"Terraplane")は、ジャック・ウォマックの長篇小説。1988年発行。ウォマックによる「アンビエント」シリーズ(「ドライコ」シリーズとも呼ばれる)の第2作。日本では、黒丸尚の翻訳で早川書房より発行された。題名は、ハドソン社の自動車であるテラプレーンと、同名の自動車を題材にしたロバート・ジョンスンの『テラプレーン・ブルーズ』から。これらは作品内にも登場する。『アンビエント』の続編という形をとりつつ、登場人物を一新して物語が展開。黒人の退役軍人を語り手にすえ、危険な任務や道中で遭遇する人種差別と平行して、内戦の悲惨な体験、成功者となる過程で得た苦しみが回想されてゆく。本作品でのウォマックの言語のこだわりは、ロシア語と1930年代の英語、モールス信号などに表れている。特に、語り手たちと1930年代の人物によるちぐはぐな会話は、ユーモラスにも読めるようになっている。『アンビエント』では、創世の際に神が二つに分かれて狂ってしまったというアンビエントの教義が語られた。本作品では、過去の地球に似たもう一つの世界が登場し、アンビエントの教義が物理的に裏付けられる。シリーズ6部作を時系列に並べると4番目にあたる作品。最初にあたる『ランダム・アクツ・オブ・センスレス・ヴァイオレンス』は1998年が舞台であり、その約19年後が想定されている。ルーサーとジェイクは、モスクワでロシア人のスクラートフと会う。表向きはビジネスだが、真の目的は、科学者アリョーヒンの捕獲だった。アリョーヒンは、特殊な移転装置を開発したという噂が流れており、ドライコは彼の発明と身柄を欲していた。アリョーヒンの行方がつかめないため、彼の仲間のオクチャブリャーナのもとへ向かうルーサーたち。彼女の住まいで移転装置を見つけるが、スクラートフの裏切りにあう。間一髪でスクラートフを捕らえたルーサーとジェイクは、オクチャブリャーナを連れて小型飛行機で逃亡する。しかし国境を越える前に敵に追いつかれ、最後の手段として移転装置を作動させる。移転装置によって、一瞬で北米上空へ到着したルーサーたち。助かったと思ったのも束の間、通信から流れる言葉にはなじみがなく、ドライコからの緊急連絡も受けつけない。不時着をした彼らが目にしたのは、いまだ1939年のマンハッタンだった。移転装置は、別の世界へと移動する機能を持っていたのだ。黒人医師のノーマンに助けられたルーサーは、もとの世界へ戻ろうと苦闘するが、その身に危険が迫る。さらに、彼らの知らぬところで刻々と事態は悪化し、双方の世界に重大な影響を与えてしまう。以下は、シリーズ6作の記述をもとに本作品の出来事を年表にしたもの。特に1998年以降については、数年のずれが生じている可能性あり。ページ数は、ハヤカワ文庫版による。シリーズ作品を時系列に沿って並べると、以下のようになる。
出典:wikipedia
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