アスワンとは日本の競走馬である。ノーザンテースト初期の産駒で、種牡馬としてはメジロアルダン・リリーズブーケ・ツルマイアスワンなどを輩出した。競走成績6戦3勝。主な勝ち鞍京成杯・NHK杯。馬名はナイル川のダム「アスワン・ハイ・ダム」から命名されたもので、母馬・リリーオブザナイル（ナイルの百合）からの連想である。1981年11月29日中山競馬場ダート1200mの新馬戦でデビュー。1番人気に推されたが2着に敗れた。12月13日の芝1600mの新馬戦で再度1番人気に推され勝ち上がった。1982年1月10日京成杯に出走。6番人気と評価は高くなかったが、ダッシングハグロを頭差退けて勝利し、クラシックの有力馬の1頭と目されるようになった。2ヶ月の休養を挟んで出走した3月7日の弥生賞では、サルノキングの3着となり、皐月賞の出走権を得た。4月18日の皐月賞では7着と敗れ、5月9日のNHK杯では皐月賞馬アズマハンター、後のダービー馬バンブーアトラス、ワカテンザン、ハギノカムイオーなどの有力馬を退け2度目の重賞勝ちを飾り、ダービーの有力馬となるかと思われたが、翌日骨折が判明しダービーへの出走はならず、結局そのまま引退し種牡馬となった。種牡馬としては、初年度から東京優駿（日本ダービー）2着のメジロアルダンを出したものの、その後はこれを超える産駒は出していない。サイアーランキングでは、1990年から1998年までは13位から51位と内国産種牡馬の中では上位に位置していたが、それ以降は活躍馬も少なく、2004年をもって種牡馬を引退した。重賞レースを勝っているにもかかわらず功労馬繋養展示事業の対象馬になっておらず、その後の消息は分かっていない。 なお、母の父として秋華賞を勝ったブゼンキャンドルを出している。※母・リリーオブザナイルの牝系からは、ショウワモダン（安田記念、ダービー卿チャレンジトロフィー勝ち）・ユメノシルシ（新潟記念）兄弟やセンリョウヤクシャ（阪急杯）、トーセンシャナオー（セントライト記念）などが出ている。

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