フラッグ・キャリア(英語:)とは、一国を代表する航空会社のことである。ナショナル・フラッグ・キャリアとは、「もともと海運用語で国旗を掲げた運送業者」である。外航(国際線)の船舶が、夜間に着岸したときに、国旗を照らし、国籍を明示する慣習からきていて、20世紀に入り航空用語ともなった。明確な定義はないが、「国を代表し、国際線を運航している航空会社のこと。かつては国営など国家主導で育成され、様々な保護を受けた」とされる。2000年時点で世界の70社に各国政府が50%以上出資していた。国際海運の原則として、「定期船同盟行動憲章条約(コード条約)」がUNCTAD(1972年)において採決された。コード条約には、政府が国を代表すると承認した定期船会社「ナショナルライン(National shipping Line、当事国海運会社)」があった。ナショナルラインは1国単位なので複数の会社や民間会社も該当した。定期船同盟(海運同盟)は、形骸化後、2008年に完全消滅した。1920年代から1980年代の国際航空の歴史においては、「原則的に1か国1社」の公企業体(かつ唯一の航空会社であることもあった)や、民間会社(アメリカ合衆国と少数のラテン諸国)や半官半民の特殊会社(日本航空、ブリティッシュ・エアウェイズなど)で国策のもとに国際線を運航する航空会社がフラッグ・キャリアとされた。複数国が共同でフラッグ・キャリアを運営(例:スカンジナビア航空やアビアンカ航空)することもある。現在は自由化が進み、複数の航空会社が国際線を運航しているため、違いは必ずしも明確ではない。なお、民営化された航空会社(例:日本航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、ともに1987年に民営化)は、厳密にはナショナル・フラッグ・キャリアではないと言う意見もある。パリ条約(1919年、別名は国際航空条約で、日本を含めた33カ国が参加)締結をきっかけに、欧米諸国では世界各国に散らばる植民地を結ぶ国際航空会社が国家の支援を受け、創設や合併により誕生してゆく。また南米諸国や日本でも、国際航空会社がこの頃誕生した。さらに第二次世界大戦後の1950年代から1960年代にかけて、植民地から脱したアジアやアフリカ諸国をはじめとする新興国が独立国家の象徴ともいえる国際航空会社を誕生させてゆくことになる。1944年のシカゴ条約採択をきっかけに、国際航空路線は二国間協定に基づくものになった。二国間協定には、国籍条項(航空会社はその国の航空会社でなければならない)があり、各1社が政府に指定されていた。1978年にアメリカ合衆国から始まる航空の自由化まで、国際航空はフラッグ・キャリアの全盛期といえた。その後の航空自由化のあおりを受けて、アメリカ合衆国やペルー、ベルギーなど一部の国では経営破綻による消滅でかつてのフラッグ・キャリアが消滅し存在しない国もあること、1997年に完全自由化がされたEU圏内においては、国内最大の航空会社が他国の航空会社の傘下となっていること、経済規模の大きな国では国際線を新興航空会社(LCC含む)も含めた複数の会社が運航していることもあるため、「ナショナル・フラッグ・キャリアという概念は消えつつある」という意見もある。「航空業は通常の産業とは異なる特別な存在であるという見方もある。元々、多くの国で航空業が国営企業で政府出資を仰いでいたことからも、この点は明らかだ。多くの国がフラッグ・キャリアを維持しようとしている」という意見もある。実際に、日本やアメリカ、マレーシアやオーストラリアなどでは、国防面や公共交通機関の安定維持などの観点から、フラッグ・キャリアにかかわらず外資や外国人による航空会社の株保有の上限規制を設けており、法の下でフラッグ・キャリアを含む自国の航空会社が他国の航空会社の傘下になることを防ぎ、自国政府や企業の直接影響下に留まるようになされている国がある。
出典:wikipedia
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