『ハルタ』("Harta") は、KADOKAWAが発行する日本の年10回刊漫画誌。企画および制作はKADOKAWAのブランドカンパニーであるエンターブレイン。2008年10月14日に隔月誌として『Fellows!』("フェローズ")の誌名で刊行を開始し、2013年2月15日より現在の誌名・刊行ペースとなった。1月と9月以外の毎月15日頃発売。基本的に定価680円+税、平綴じB5判。兄弟誌『Fellows!(Q)』と、本誌の前身にあたる『コミックビームFellows!』についても本稿で解説する。2006年10月、『コミックビーム』(エンターブレイン(当時))の増刊企画として新作読み切り作品のみを掲載したアンソロジーコミック『コミックビームFellows!』が出版された。その後この流れを汲んで誌名を『Fellows!』と変更し、新人作家を中心に掲載するというコンセプトを持つ隔月刊の漫画誌として2008年10月14日に刊行を開始する。このコンセプトにより、連載作品数の割に読み切り作品の数も比較的多いという珍しい誌面構成の漫画誌となった。2013年2月15日刊行号からは、後述する兄弟誌を吸収し誌名をインドネシア語で「宝物」という意味を持つ『ハルタ』へと変更した上で刊行周期も年10回刊へと移行。これによって各連載作品は『Fellows!』時代と同様の掲載ペースを保つ作品と毎月掲載へ移行した作品に分かれたため、この誌名変更後から『ハルタ』volume11までは向こう1年間の掲載予定情報が毎号巻末に掲載されていた。『ハルタ』volume12からは1年間の掲載予定情報の代わりに、連載作品を掲載間隔に合わせて4つのグループに分けて告示を行なっている。他の漫画誌に見られない特徴としては、不定期で販促小冊子が付属したり分冊して発行するなどの実験的な試みが多く存在する点が挙げられる。刊行開始当初は『コミックビーム』と共にエンターブレインのコミック編集部内にて制作されていたが、2009年4月にフェローズ編集部として独立。独立後しばらくは4人の編集部員で80人以上存在する掲載作家を全て担当していたが、2012年2月時点の編集部員数は5人、『ハルタ』へと誌名を変更した2013年2月から2014年末時点までは6人となっている。なお奥付掲載の編集部名は2013年3月発売の『ハルタ』volume2時点ではフェローズ編集部のままであったが、翌4月発売のvolume3時点でハルタ編集部へと変更された。編集長は前身の『コミックビームFellows!』を企画・編集した大場渉が務める。2011年11月15日には、後述するページ数対策として本誌よりも更に新人中心の兄弟誌『Fellows!(Q)』("フェローズ(キュー)")の刊行が開始された。定価は680円+税、平綴じB5判。当初は年4回の発行を目指していたが、実際には不定期刊となっている。こちらは『Fellows!』本誌と異なり読み切り作品中心の誌面構成となるが、この刊行開始に伴い本誌から移籍した連載作品も存在するなど、その体裁は本誌とほぼ変わっていない。なお誌名の(Q)には様々な意味が込められており、号数表記として毎号異なるQから始まる英単語が用いられている(創刊号は「Quiet」、第2号は「Queen」が号数表記として使用された)。2012年9月15日刊行の第3号「Q.E.D.」を以って刊行を終了し、『Fellows!』本誌に吸収された。本誌・(Q)共に形態としては漫画雑誌であるものの流通上は雑誌ではなくコミック扱いであり、書籍扱いの〈ビームコミックス〉レーベルより発行されている。そのため、バックナンバーの購入も通常の雑誌と比べ容易である。なお2009年8月発売の『Fellows!』volume6まではエンターブレインが発行及び発売元であったが、同年10月発売のvolume7から2013年3月発売の『ハルタ』volume2までは角川グループパブリッシングが、そして翌4月発売のvolume3から8月発売のvolume7までは角川グループホールディングス(同年6月下旬にKADOKAWAへ社名変更)が発売元となっている。これは2009年9月刊行分よりエンターブレインから発行される全書籍の発売元が角川グループパブリッシングへと変更され、更に2013年4月1日には同社が角川グループホールディングス(現・KADOKAWA)へと吸収合併されたためである。更に2013年10月発売のvolume8からはエンターブレインがKADOKAWAに吸収合併されたため、KADOKAWAが発行元となっている。掲載作品の単行本は、2009年9月15日より上記したレーベル〈ビームコミックス〉から発行中。連載作品の単行本のみならず、新人作家の読み切り作品を収録した短編集も多く発行されている。本誌最大の特徴は新人作家の重点的な起用であり、創刊時からのコンセプトとして「アニメや小説のコミカライズ作品を一切掲載せずに、新人を中心とした誌面作りを行っていく」というもの掲げている。これは前身にあたる『コミックビームFellows!』から受け継がれているものであるが、このコンセプトによって新人作家率が62.5%にのぼった創刊号は増刷されるほどの人気となった。また個々の掲載作品では「ジゼル・アラン」(笠井スイ)、「狼の口 〜ヴォルフスムント〜」(久慈光久)、「ふうらい姉妹」(長崎ライチ)、「ヒナまつり」(大武政夫)、「坂本ですが?」(佐野菜見)といった、新人作家による多数の人気作品が輩出されている。新人作家以外では、森薫、福島聡、入江亜季など母体としていた『コミックビーム』から多数の作家が移っており、意欲的な作品を発表し続けている。また『Fellows!』時代の刊行ペースは隔月刊であったため、月刊と比べて長い期間原稿に取り組むことが出来た。これによって本誌には1コマあたりの線数が多い画力重視型の漫画家が多く集まっている。なお誌名が『ハルタ』となった現在は刊行ペースが年10回刊となっているが、連載作品の多くは掲載間隔が基本的に以前と変わらず隔月若しくはそれ以上のペースとなっている。本誌は連載作品中心の誌面構成を採っているものの、上記した通り新人作家を多用する編集姿勢であるため読み切り作品の数が多く、これらの読み切り作品が人気を得た際は後に連載化やシリーズ読み切り化となる場合も多い。また掲載作品の多くは通常の漫画作品と比較して1話あたりのページ数が多いため、『Fellows!』時代は1号に1話だけでなく2話以上同時掲載されるケースも存在した。そのため『Fellows!』時代は刊行される度にページ数が増えていき、volume9からはほぼ毎号1000ページ以上を保つ状態となっていた。1冊の本に纏めるためには厚さ・重さ共に限界があるため、この対策としてvolume10とvolume11は“A”と“B”の2冊に分冊、volume16では“A”“B”“C”“D”の4冊に分冊して発行している(4分冊時は1週間に1冊ずつ発行)。なお(Q)はこの分冊が追いつかなくなった事による増刊企画として刊行を開始したため、ページ数は500ページ程であった。最終的にこのページ数対策は『ハルタ』への誌名変更および刊行周期が早まった理由の1つとなっており、1冊のページ数は抑えつつ1年間の総ページ数自体を増加させる事に成功している。このような経緯があるため、誌名が『ハルタ』となった現在でも上記した掲載作家や掲載作品の特徴は『Fellows!』時代と変わっていない。なお編集部側から漫画家側への企画の提案は行なっておらず、それぞれの掲載作品のアイデアは漫画家主導となっている。この事から「原作:○、作画:○」の様に2人の作家が原作と作画に分かれた形式の漫画作品は存在せず、ごく一部を除く全ての漫画作品の作者表記は個人名義になっている。その制作においては、「見出し以外の煽り文が無い表紙」、「自社広告を含む一切の広告要素を排除」、「漫画誌としては異例の帯仕様」などといった独特の装丁を採用している。基本的に誌面にカラーページが存在しないのも特徴であるが、『Fellows!』volume15からは不定期で「カバー・ストーリー」(後述)や目次ページがカラーページとなっている。また次号予告ページでは1人の作家ごとに2ページずつ使用する事が多く、多い号では予告だけで20ページ弱に及ぶこともあった。更にこの予告には作者による描き下ろしカットが使用されるなど、予告ページには力が入れられている。なお(Q)や『ハルタ』にもこれらの装丁が受け継がれているが、(Q)にはカラーページと作品個別の予告ページは存在しない。表紙に関しては#表紙・背表紙を参照。これらの装丁は刊行開始時から全てコードデザインスタジオが手がけていたが、2012年9月発売の(Q)最終号より8823DESIGNへと変更されている。そのため、(Q)"Q.E.D."以降に刊行されたものはタイトルロゴや目次ページ等のデザインが従来までと異なっている。本誌は上記のような編集体制を用いた事により、刊行開始時から『ぱふ』(雑草社)や『コミッカーズ』(美術出版社)といった漫画情報誌の好意的な評価を受けていた。更に刊行開始より2年以上が経った2011年にも『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)誌上にて「真のマンガ好きに捧げる本格コミック誌!」と評されている。なお後述するように度々コラボレーションを行なっている『ゲッサン』(小学館)の当時編集長であった市原武法曰く、「日本で一番イカレてる漫画雑誌」であるという。※この他に毎号、各作家が「カバー・ストーリー」として4ページほど巻頭に執筆している。内容は様々だが、表紙のイラストと連動している事が多い。各号の担当作家は#書誌情報を参照。※この他に、各作家が「カバー・ストーリー」として3ページほど巻頭に執筆している。担当作家は#書誌情報を参照。『Fellows!』の表紙は全号に渡って碧風羽による各号の特集などに関連したイラストが描かれており、通常の漫画雑誌のように連載作品が表紙を飾る事は無い。その代わりに背表紙には、連載作品の描き下ろしイラストが掲載されている。一方『Fellows!(Q)』では、表紙に掲載作家によるイラストが描かれているが、その号に収録されている作品ではなくオリジナルイラストとなっている。その代わりに背表紙には、表紙とは異なる作家による掲載作品の描き下ろしイラストが掲載されている。なお誌名が『ハルタ』へと変更されてからはvolume11までは隔号で碧風羽以外の掲載作家が表紙を担当していたが、『Fellows!(Q)』と同様に自身の掲載作品ではなくオリジナルイラストとなっている。volume12以降は『ハルタ』掲載作家が持ち回りで表紙イラストを担当中。各号の担当作家は#書誌情報を参照。その他、通常の漫画雑誌に存在する宣伝文なども書かれないが、代わりに帯に宣伝文が、裏表紙に掲載作家一覧が書かれている。2009年8月発売分まではエンターブレイン〈ビームコミックス〉より刊行。2009年10月発売分から2013年3月発売分までは発行:エンターブレイン / 発売:角川グループパブリッシング〈ビームコミックス〉より刊行。翌4月から同年6月発売分までは発行:エンターブレイン / 発売:角川グループホールディングス〈ビームコミックス〉より刊行。翌7月から8月までは発行:エンターブレイン / 発売:KADOKAWA〈ビームコミックス〉より刊行。同年10月以降はKADOKAWA〈ビームコミックス〉より刊行。本誌の付録や応募者全員サービスなどで入手出来る販促本。一般販売はされていないものの掲載作品の一部は各作家の単行本に収録されている他、上記の通り一部の付属小冊子はそのまま1冊の本に纏められて一般販売されている。掲載作家の名前は、それぞれの本での掲載順に記述する。なお「○」が記述されている作者の作品は、特別企画本『Awesome Fellows! Perfect』に再録されていることを示す。一部書店とKADOKAWA(エンターブレイン)が運営するネットショップ・ebtenにて本誌を購入すると付属する小冊子で、『Fellows!』volume5から不定期に付属している。判型はA5判。応募台紙のための本誌代、応募券のための単行本代、はがき・切手代を除けば無料で応募可能。KADOKAWA(エンターブレイン)が運営するネットショップ・ebtenでの年間定期購読を利用中の読者が対象となっている。当初ハルタ編集部が主催する新人賞は『Fellows!』時代から存在しておらず、エンターブレインが主催する「えんため大賞コミック部門」が第14回より本誌の新人賞扱いとなっていた。このコミック部門は第15回から後述のプレミアム持ち込みと合体して「えんため大賞コミックグランプリ」へと改称され、高額の賞金こそ無いものの受賞者がデビューや連載に繋がりやすい構造となった。なお『Fellows!』volume22にて結果が発表された第14回コミック部門に関しては、優秀賞から奨励賞までの8作品全てが同誌volume22からvolume24にかけて掲載された。2016年4月期からは「えんため大賞コミックグランプリ」が「ハルタコミックグランプリ」へ改称され、正式にハルタ編集部が主催する新人賞となった。公式サイトには本誌にも掲載されている中西芙海による4コマ漫画「じいじとはるこ」が掲載されている。応募者全員サービスは#主な応募者全員サービスを参照。2009年4月にエンターブレイン コミック編集部からフェローズ編集部が独立した影響で人が足りなくなった事と近年の出版不況により、『コミックビーム』のインターネット上の交流サイトである「空間コミックビーム」の運営が2009年3月を以って終了している。『コミックビーム』の増刊企画として刊行されたアンソロジーコミックであり、『Fellows!』の前身にあたる。Vol.1とVol.2の同時発売で、全て新作読み切り漫画で構成されている。平綴じA5判。発行前の仮誌名は『コミックビーム増刊プラズマ』であったが、当時『コミックビーム』の編集者であった大場渉がアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』(角川書店)に掲載されていた「涼宮ハルヒシリーズ」のコラムを読んでいたところ、“Fellows”という語句を発見し「良い言葉だ」と思い誌名に使用したという。発売日出典
出典:wikipedia
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