『スター・トレック』(原題: "Star Trek")は、2009年のアメリカのSF映画で、『スタートレック』の劇場版第11作。『宇宙大作戦』の登場人物が出演するものとしては劇場版第7作であるが、以前の作品からの直接的な続編ではないリ・イマジネーション・リブート作品である。ファンの間の略称は、「STXI」や「AOS(Alternate Original Series)」、監督がJ・J・エイブラムスであることから「JJTrek」など。劇場版『新スタートレック』の最終作である前作の公開直後から第11作目の噂は存在しており、出演者の一人であるブレント・スパイナーは「興行しだいでは(『新スタートレック』の)新作が制作されるかもしれない」と語っている。また、劇場版『新スタートレック』の終了後には、劇場版『』が制作される予定であった。だが、前作の興行としての失敗と『エンタープライズ』の打ち切りをうけて、これらの計画は立ち消えとなる。2005年2月には、『エンタープライズ』の製作者であったリック・バーマンが、脚本家のとともに、『Star Trek: The Beginning』という新しいシリーズの劇場版を企画する。2007年夏に公開予定であったこの企画では、『エンタープライズ』の直後(ちょうどロミュラン戦争にあたる)を舞台に、カークの先祖である「タイベリアス・チェイス」が活躍することになっていた。しかし、提出された脚本が没となったため、この企画は頓挫してしまう。2006年4月には、別の劇場版が2008年夏に公開予定(後に全米脚本家ストライキにより公開が2009年夏に延期)であり、カークとスポックが登場する『宇宙大作戦』の再映画化になることが明らかにされた。脚本を担当したロベルト・オーチーが『スタートレック』シリーズのファンであるのに対して、もう一方のアレックス・カーツマンや、監督のJ・J・エイブラムスはむしろ『スター・ウォーズ・シリーズ』のファンであり、本作を「ファンでなくても楽しめる作品」になるよう心掛けたと語った。結果として、タイムトラベルとそれにともなう歴史改変(オリジナルシリーズの歴史は変わらずに続いているため、本シリーズは正確には歴史改変ものではなくパラレルワールドものである)を題材にすることにより、『新スタートレック』までの流れを引き継いだ続編でありながら、『宇宙大作戦』の設定を新規の視聴者のために一新したリブート作品となっている。またCBSは本シリーズのタイムラインをオリジナルシリーズのタイムラインと区別して「ケルヴィン・タイムライン」という正式呼称を設けている。謎の巨大宇宙艦の攻撃により、幼い頃に宇宙艦隊士官だった父を亡くしたカークは、酒とケンカに溺れる荒れた日々を送っていた。ある時、パイク大佐はバーで騒ぎを起こしたカークに、父は12分だけ船長だったが800名の命を救ったと語り、宇宙艦隊アカデミーへの入学を勧める。在学中のカークは、演習「コバヤシマル・シナリオ」で不正を行い、聴聞会が開かれることになるが、その最中にバルカン星からの緊急救助要請が届き、カークの同期生らは急遽バルカン星に向かう艦隊に召集される。当のカークには謹慎が言い渡されていたが、マッコイの機転によりパイクが指揮するエンタープライズ号に潜り込むことに成功する。そこには同期生のウフーラのほか、スールー、チェコフ、そして聴聞会でカークを尋問したバルカン人のスポックも副長として乗り込んでいた。ところが、艦隊の目の前に現れたのは、かつてカークの父を殉職させた巨大宇宙艦ナラーダ号であった。その圧倒的な戦闘力によって艦隊は壊滅的な被害を受け、パイク船長はナラーダ号の船長である、ロミュラン人のネロによって連れ去られてしまう。また、ネロは人工的に重力の特異点を発生させることができる「赤色物質」をバルカン星に投下し、スポックの母アマンダを含む多くの住民を道連れに、バルカン星を消滅させてしまう。パイク船長を奪われたエンタープライズ号のブリッジでは、今後の方針をめぐってカークと船長代理のスポックが対立し、立場の弱いカークは近くの惑星に放り出される。ところが、この惑星にはカークの知るスポックより、129歳ほど年をとったもう一人のスポックがいた。老スポックはカークに精神融合し、自分の力不足で未来のロミュラン星が消滅に至ったこと、生き延びたネロはバルカン星や地球を含む惑星連邦を故郷の敵とみなし、過去にタイムトラベルしたことに乗じて惑星連邦を滅亡させ、より強大なロミュラン帝国の確立を目論んでいること、カークの父の殉職をもたらした最初の攻撃により、歴史はすでに書き換えられていることなどを明かす。同じ惑星の研究所に左遷させられていた技術者のスコットとともにエンタープライズ号に戻ったカークは、故郷と母を奪われて情緒不安定にあったスポックを故意に激昂させて、指揮官不適格の状況へ追い込み、指揮権を掌握する。そして、故郷と母を奪われた憎しみに気付き理性との間で悩んでいたスポックも、最終的にはカークと協力して戦うことを選ぶ。二人は地球を攻撃していたナラーダ号へと潜入し、その破壊とパイク船長の救出に成功する。地球を救った功績を認められたカークは、正式にパイクの後継のエンタープライズ号船長に就任する。そして、若き日の自分の前に姿を現した老スポックは、カークとの信頼関係が二人の未来に大きな意味を持つことを説く。スポックは副長として、カークの下で働くことを決意するのだった。本作の前日譚として、オーチーとカーツマンが脚本を担当する『Star Trek: Countdown』というコミックが発売された。『新スタートレック』からのバトンタッチをになう本コミックでは、ロミュラン星の崩壊からネロと老スポックがタイムトラベルするまでの物語が描かれ、ピカード、データ、ウォーフなどの『新スタートレック』のキャラクターも登場する。以前の作品で語られていた正史といくつか設定上の矛盾点が見受けられるが、そのうちいくつかはオーチーとカーツマンによって「ネロの歴史改変の結果」として説明されている。2009年10月、『Star Trek Online』の公式サイトにおいて「STO and Abrams(Star Trek XI)」と題する、これまでの映像作品と本作の位置付けを解説するコラムが掲載された。このコラムには非常に分かり易い時系列の図式が添えられており、この中で本作はこれまでの作品の直接の過去の出来事ではなく、並行世界での出来事である事が明かされた。従って本作に登場する若いカークやスポックは『宇宙大作戦』などに登場したカークやスポックと完全に同一の人物という訳ではなく、異なる量子現実に存在するもう一人の彼らである。また、『宇宙大作戦』以外の作品からは、『』の主人公であったジョナサン・アーチャーの名前が言及されている。スコットはアーチャーの愛犬を転送実験に使ったために左遷されたという設定である。他にも、ミランダ級や『』に登場したプロキシマ級に似たデザインの宇宙船が登場する。『宇宙大作戦』を再映画化する形となったため、配役が一新されることになり、不確かな情報が飛び交うことになった。カーク役については、ベン・アフレックやマット・デイモンが演じるのではないかという噂が流れ、一部メディアでは出演決定とまで報道された。なお、デイモンには実際にカーク役の依頼が来ていたが、断っていたことが後に報道された。なお、宇宙船内のコンピュータ音声は、これまでの作品と同じメイジェル・バレットが演じている。2009年11月6日にパラマウント ジャパンよりBlu-ray DiscとDVDが発売された。
出典:wikipedia
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