海底地すべり(かいていじすべり、"Submarine landslide")とは、海底斜面上の堆積物が急激に滑り落ちる自然現象のこと。地震、メタンハイドレートをはじめとする土中の溶存ガスの崩壊、波浪、潮汐変化、堆積土の自重などが起因となる。地質的な特徴としてフィヨルド、大陸縁の河川デルタ、海底谷、大陸縁斜面、海底火山諸島、未固結の堆積層などに多くみられる。海底地すべりが引き起こす影響として、海底ケーブルや海底パイプラインの切断、資源開発など海底掘削でのプラットフォームへの障害の発生、メタンハイドレートの大規模な融解、津波の発生などが挙げられる。特に津波についてはその発生要因と頻度として海底地震性の津波が9割を占めるのに対し、地すべり性の原因は全体で0.3割と比率的には低くなってはいるが、発生した津波の大きさが局所的に大きくなることで大きな被害をもたらしている。海底に沿って泥を含んだ密度の高い水が流れて、乱泥流(混濁流)に転化することも多い。規模が非常に大きく、浅海の堆積物を深海へと運ぶことからも滑り落ちた物質が非常に広範囲に及ぶこと、小規模なものは局部的に堆積層の乱れをつくる事などが知られている。その規模は斜面の傾斜や堆積速度、堆積物の性質などに左右され、さらに過去に形成されたものだとスランピング (slumping) という海底地すべりの跡からも推察することができる。陸上の場合、大規模でも地すべり土塊の体積が数10立方キロメートルであるのに対し、確認されている最もすべり土塊の大きな海底地すべりは20,000立方キロメートルである。海底地すべりにおける地すべり土塊の体積は数千立方キロメートルに及んでいる事例が多いこと、移動距離が数十キロメートルにおよぶものがあることからもその規模の大きさが窺がえる。次に、海底地すべりの起きる斜面が必ずしも急斜面であるとは限らず、緩傾斜でも地すべりが発生し得ることである。たとえば、ミシシッピデルタで0.01 というわずかな傾斜でさえも海底地すべりを発生させたことなどが、その代表的な例である。陸上に残る痕跡は、東北地方の新第三紀・泥岩層の地域、福島県の太平洋岸に分布する鮮新統大年寺層や紀伊半島の秩父帯の地域、九州南部の四万十帯地域、高知県の古第三系室戸層など日本各地に存在する。
出典:wikipedia
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