エーリヒ・コッホ（Erich Koch、1896年6月19日-1986年11月12日）は、ドイツの政治家。国家社会主義ドイツ労働者党（ナチス党）の大管区指導者の一人。第二次世界大戦中にはウクライナ総督（）を務めていた。現在のヴッパータールの出身。父は陪審長だった。鉄道関係の仕事をしていた。第一次世界大戦中の1915年から1918年にかけては出征した。上シレジアで義勇軍（フライコール）に参加。1922年に国家社会主義ドイツ労働者党に入党（党員番号90）。エッセン地区指導者を経て、1928年に東プロイセン大管区指導者となる。1930年9月の選挙で国会議員となる。コッホはナチス左派の一人でグレゴール・シュトラッサーの支持者であった。1933年のナチス党の政権掌握後、東プロイセン州の州総督（Oberpräsident）となった。突撃隊員となり、1938年には突撃隊大将（SA-Obergruppenführer）になった。1939年10月26日に東プロイセンの国家防衛委員（）となる。ソ連侵攻後の1941年8月にはポーランドのビャウィストクの民政委員（Zivilkommissar）となる。さらに9月にはウクライナ国家弁務官（総督）（）に就任し、1943年10月まで務めた。1945年1月、船でケーニヒスベルクを脱出した。ドイツ敗戦後の1949年にハンブルクでイギリス軍に逮捕され、その後ポーランドへ引き渡された。1959年に死刑判決を受けたが、死刑は執行されず、1年後には終身刑に減刑された。この裁判ではポーランド人に対する犯罪のみが取り扱われ、ウクライナ人に対する犯罪は考慮されなかった。1986年にポーランドの刑務所内で自然死した。

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