賃貸不動産経営管理士(ちんたいふどうさんけいえいかんりし)は、賃貸不動産管理に必要な専門的な知識・技術・技能・倫理観を以って、賃貸管理業務全般にわたる、管理の適正化・健全化に寄与することを目的とする資格制度であり、賃貸住宅管理業者登録規程において登録されている賃貸不動産管理業の専門的な立場として重要事項の説明などの業務を行う。「賃貸不動産経営管理士」と名乗るためには、資格試験に合格し登録手続きを行う必要がある。賃貸不動産経営管理士は、これまで公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、公益社団法人全日本不動産協会が、それぞれ団体ごとに独自に運営していた賃貸不動産管理の資格を業界統一資格として位置付けるため、賃貸不動産経営管理士協議会を設立し、賃貸不動産経営管理士制度を創設した。不動産業法はこれまで、「宅地建物取引業法」により不動産の取引の公正化を、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」により分譲のマンションの管理の適正化の推進を図っているが、賃貸不動産の管理については、現状で特別な法規制やルールなどが存在せず、特に賃貸住宅は、我が国の住宅戸数の4分の1以上を占めるなど非常に重要なストックとなっているにもかかわらず、敷金の返還にかかるものを筆頭にトラブルが年々増加している現状である。こうした流れを受け、国土交通省は2011年12月に賃貸人、賃借人の利益保護を図る目的で「賃貸住宅管理業者登録制度」を施行し、賃貸住宅管理を行う事業者の登録制度を設け、管理委託契約時や賃貸借契約更新時、および終了時などに説明や書面交付を行う等のルールを課した。登録された賃貸住宅管理業者はこれらのルールに則り、適切な管理業務を行うことが義務付けられ、本制度が普及することで、消費者が適正な管理業務を行っている管理業者や賃貸住宅を選択することが可能となり、賃貸住宅の管理に関する共通のルールが普及するとともに、賃貸住宅に関するトラブルを減少することが期待されている。こうした登録制度の中でも専門性の高い人的資源が求められており、管理にかかわる様々な法令に関する深い知識や、業務に関する豊かな経験を持つ者として、賃貸不動産経営管理士が中心的役割を果たしていくことが期待されている。2016年に行われた賃貸住宅管理業者登録制度に係る検討委員会におけるとりまとめ結果を踏まえ、「賃貸住宅管理業者登録規程」及び「賃貸住宅管理業務処理準則」、「賃貸住宅管理業者登録規程及び賃貸住宅管理業務処理準則の解釈・運用の考え方」を改正(平成28年8月12日国土交通省告示 第927号・第928号)、それにより賃貸住宅管理業者登録制度に登録をしている業者には「賃貸不動産経営管理士」(若しくは管理事務に関し6年以上の実務経験者)の設置義務、また賃貸不動産経営管理士による重要事項の説明義務などが追加された。2016年9月1日の賃貸住宅管理業者登録制度改正により、「賃貸不動産経営管理士」(若しくは管理事務に関し6年以上の実務経験者)の設置義務、また賃貸不動産経営管理士による重要事項の説明義務などが追加されたが、経過措置により2018年6月30日までは該当規程が適用されず、実務経験者等を置いていないことをもって登録抹消されることはなく、また重要事項の説明などの義務もない。しかしながら、実務経験者等配置状況の届出により設置義務者を届け出た場合は、経過措置前でも当該義務が発生する。なお実務経験者等配置状況については2018年7月30日までに届出を行う義務がある。賃貸住宅管理業者登録制度に登録をしている業者には事務所ごとに「賃貸不動産経営管理士」(若しくは管理事務に関し6年以上の実務経験者)の設置義務を負う。(規定7条)賃貸管理業務に必要な専門知識の習得と実務能力を高めるための公式テキストを使用した講習(全2日間)であり、講習の修了者が賃貸不動産経営管理士試験を受験した場合、知識を習得した者の証しとして、(出題40問のうち)4問が免除される(2年間有効)。なお賃貸不動産経営管理士講習の申込は、東京地区では1会場あたり約300名程度で行われるが、定員に達し次第、受付が終了となるので受講には注意が必要である。試験合格後、資格登録を行うには以下の登録要件が必要になる。宅地建物取引士(注1)、又は協議会が認める賃貸不動産関連業務(注2)に2年以上従事している又は従事していた者。注1 登録手続き時において、有効な宅地建物取引士証の交付を受けている方。注2 協議会が認める賃貸不動産関連業務の従事者とは、宅地建物取引業、不動産管理業、不動産賃貸業(家主)及び協議会構成団体の会員とその従事者のほか、協議会が認める者。※協議会構成団体は、(公財)日本賃貸住宅管理協会、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全日本不動産協会の3団体 登録後は賃貸不動産経営管理士証の発行や、協議会ホームページのデータベースに追加され、資格者名簿の検索が可能となる(資格者名簿への公開を希望した者のみ)。賃貸不動産経営管理士協議会のホームページの登録番号の検索結果から、2014年6月1日現在、約28,889名程度が登録されていると考えられる。
出典:wikipedia
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