『万事快調』(ばんじかいちょう、仏語 Tout va bien)は、映画監督ジャン=リュック・ゴダールとジャン=ピエール・ゴランが「ジガ・ヴェルトフ集団」の名のもとに、1972年(昭和47年)に共同監督した映画である。、ゴダールの「商業映画との決別宣言」以降に結成し、9本の映画を製作した「ジガ・ヴェルトフ集団」の8本目の作品である。フランスの良心的左翼、スター歌手で俳優のイヴ・モンタン、アメリカのジョン・フォード映画のスター俳優ヘンリー・フォンダ令嬢で、国際的スター女優のジェーン・フォンダを「政治的戦略」として起用した。共演にルイ・マル監督の『地下鉄のザジ』(1960年)やイタリアのパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督の『女性上位時代』(1968年)のヴィットーリオ・カプリオーリ、当時のゴダールの妻で「ジガ・ヴェルトフ集団」と行動をともにしたアンヌ・ヴィアゼムスキーら。フランスの二大映画資本ゴーモンとパテからジャン=ピエール・ラッサムが出資を引き出し、4年ぶりで劇場用映画をゴダールは撮ったが、このあとゴランとともに「ジガ・ヴェルトフ集団」最後の作品『ジェーンへの手紙』(1972年)を製作して、同集団を解散、ヴィアゼムスキーとも別離した。スチルカメラマンとして本作の製作に参加したアンヌ=マリー・ミエヴィルとともに、パリを離れ、グルノーブルへと移住、ビデオ作品を製作する「ソニマージュ」を設立する。その後、1979年(昭和54年)に『勝手に逃げろ/人生』で「映画大陸に帰還」するまで、さらに7年間、ゴダールは再び商業映画から遠ざかる。本作は、ニューヨーク映画祭に出品され、同年10月10日に上映された後、翌1973年(昭和48年)6月の第23回ベルリン国際映画祭に出品され、ニューシネマ・フォーラム部門で「インターフィルム賞」をゴダールとゴランが受賞している。日本では長い間未公開作品であったが、1996年(平成8年)7月20日に劇場公開された。アメリカのラジオ局からフランスに派遣された特派員のスーザン(ジェーン・フォンダ)は、夫で映画監督のジャック(イヴ・モンタン)をともない、フランスのとある都市の食肉工場へ、社長(ヴィットーリオ・カプリオーリ)インタヴューに赴く。同社では、当日の朝から無期限ストに突入、一部過激派の労働者が社長を監禁、スーザンとジャックも社長とともに社長室から出られなくなる。同社の組合代表(ジャン・ピニョル)は、同社にまぎれこむ、女闘士(アンヌ・ヴィアゼムスキー)を含む極左過激派らの過激な闘争を批判、労働者に解散を呼びかける。労働者たちは、組合代表の指導を無視し、闘争をつづける。スーザンたちは社長に愛想を尽かし、労働者たちに労働条件についての取材を行なう。軍が導入され、社長は5日ぶりで開放される。ジャックは、ゴダールがそうであったように、1968年5月の「五月革命」以降、商業映画を拒絶、コマーシャル・フィルムの演出で稼ぎ、政治映画の構想を立てている。スーザンの工場取材のレポートはラジオ局が没にした。夫婦仲は険悪、スーザンはジャックと口論になる。ジャックは今回の経験をもとに、政治映画を夢想する。スーパー・マーケットでの商品と客の解放を描き、映画は唐突に終了する。
出典:wikipedia
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