『21エモン』(にじゅういちエモン)は、藤子・F・不二雄による日本の少年SF漫画。1968年から1969年にかけて『週刊少年サンデー』に連載され、その後『朝日小学生新聞』での連載やアニメ化など各種メディアに展開された。藤子・F・不二雄は「これまで日常の舞台にオバケやスーパーマンなどの「非日常」が入り込むことで生まれるギャップの面白さを描いてきたが、ひとつその逆をやってみようと思い、この21エモンを描きました。つまり未来という「非日常」を舞台に、今に通じる日常を描くことで新たな面白さが生まれると思ったからです」と、本作のコンセプトを後日述懐している。藤子・F・不二雄が珍しく「楽しんで描いた」と語る作品だったが、ギャグで人気を博した当時の藤子作品とは異なり連載当時は評価は芳しくなく、本作連載中のアニメ化は実現しなかった。しかし後年になるに従ってしだいに再評価されるようになり、1981年に映画化、さらに1991年に連載から22年もの歳月を経てテレビアニメ化された。2010年、小学館発行の藤子・F・不二雄大全集のラインナップとして全2巻で刊行された。2018年地球は異星との交流が進み、国際連合ならぬ星間連合にも加盟して、多くの惑星からの観光客がひっきりなしに訪れる一大観光惑星となっていた。そんな中、トウキョウシティーに居を構えるホテル「つづれ屋」は、江戸幕府の成立とほぼ同時に旅館として開業して以来、初代当主の市右衛門、二代目仁右衛門、三代目参右衛門…と二十代、四百数十年にわたって細々と続く老舗ホテルだが、利用客はサッパリで隣接する豪華なホテル・ギャラクシーやオリオンホテルなどに圧倒されて潰れる寸前であった。現当主の20エモンは閑古鳥の経営状態を立て直そうと必死になるが、その跡取り息子21エモンはホテル経営に関心を持とうとせず、宇宙へと憧れパイロットになって大宇宙を冒険したいという夢を持っていた。家業に専念して欲しい父親に叱咤されて21エモンはしぶしぶボーイとして働くが、コツコツとチップを貯め、いつかは自分のロケットを手に入れたいという夢をあたため続ける。「つづれ屋」に居候する宇宙生物モンガーやボーイとして働かされているイモ掘りロボットのゴンスケといった強烈な個性を持った家人たち、さらには宇宙からの風変わりな客が次々とホテルに押しかけて、21エモンと「つづれ屋」は毎日のように珍騒動に巻き込まれる。外見も風俗習慣も全く異なる宇宙人の宿泊客や、進歩した宇宙文明に触れて様変わりした地球文明の様子なども描かれる。基本的に「つづれ屋」が舞台となるコメディーだが、連載中21エモンは3度宇宙への旅を決行しており、物語は宇宙を巡る冒険ものへとシフトしたこともあった。なおアニメでは、テレビ版・81年の劇場版とも、宇宙への夢とつづれ屋発展の夢を両立させる形で終了している。アニメでの舞台は2051年→2071年(原作では2018年)。宇宙観光時代に突入したばかりの地球。宇宙標準語として「共宙語」が使われはじめる。しかし完全に普及しているわけではなく、トウキョウシティー内でも日本語の文字、英字、共宙語の文字が混在している。宇宙では共宙語が主流だが、共宙語が使われていない星も存在するため、万能ではない。20世紀の自動車は減少し、代わりにエアカーが主流となる。現代における自動車とは異なり、小学生であるエモンでも、ボード型、スクーター型、軽乗用車型を運転可能。個人用のほか、公共用のバス型もある。鉄道はほとんどが廃止され、代わりにチューブトレインを開設している。トウキョウシティーからシズオカシティーまでは15分で移動することが可能である。声の項は81年映画版 / アニメ版の順。1人しか記載されていない場合は特記ない限りアニメ版のキャストとし、それ以外のものは別途記載する。1991年5月2日から1992年3月26日にテレビ朝日系列で放送。全39話。原作発表から23年余、映画「宇宙へいらっしゃい!」から10年を経てテレビアニメ化となった。キャラクターデザインや設定の一部が変更(詳細は後述)され、エピソードは原作および『モジャ公』から流用がある。チーフディレクターを務めた原恵一によると、原作は古いもののため「そのままアニメにするのは難しい」という思いがスタッフ内にあり、内容をかなり脚色したという。またテンポ良くとがった演出をしようとしたため、「自分で苦手な部分を無理してやったのではないか」と語っている。第1話ではサブタイトルにもあるとおりドラえもんがゲスト出演しているが、セリフが一切ない背景キャラクターとして数秒間のみの出演であり、21エモンとも一切絡んでいない。この作品のメインスタッフは『エスパー魔美』『チンプイ』と本作まで長らく藤子作品を手掛けていたが、これを機に演出の安藤敏彦と脚本スタッフ(もとひら了は除く)以外は『クレヨンしんちゃん』へと移行し、『ドラえもん』シリーズを除いたテレビ朝日・シンエイ動画による藤子F原作のテレビアニメは本作で最終となっている。テレビシリーズおよび映画「21エモン・宇宙(そら)いけ! 裸足のプリンセス」は、当時の時代に合わせた若干のリニューアルが加えられている。※放送日時は1992年3月終了時点、放送系列は放送当時のものとする。2003年よりCS放送のテレ朝チャンネルで「シンエイアニメシアター」の一作品として全話再放送が開始され、2007年頃まで断続的に再放送がリピートで行われている。(現在はチャンネル内容が分割され2つになったうちのテレ朝チャンネル1。)2005年にはテレビ朝日の「アニメDEおめざめ」枠で1話から連続して再放送されたが、同年12月に打ち切られた。サイバーエージェントとテレビ朝日が運営しているインターネットテレビ局「AbemaTV」の家族アニメチャンネルにて2016年4月11日の本放送開始と同時に再放送を開始したが、オープニングとエンディングは割愛され、いきなり本編から放送している。劇場版以外は長らく家庭用ビデオソフト発売はされていなかった。2010年6月にローソンで企画された「藤子・F・不二雄キャラクターズフェア」の一環として、ローソン店舗限定でヴィジョネアから販売されたDVD MAGIC(一部内容がPPVで収録されている)形態のDVDビデオ「藤子・F・不二雄 アニメキャラクター大集合!!(発売元:小学館)」第2巻に第17話が収録され初のソフト化となった。2010年9月に藤子・F・不二雄ミュージアム開業記念企画として発売された「藤子・F・不二雄TVアニメアーカイブス」シリーズ(発売元:TCエンタテインメント・テレビ朝日 販売元:スーパー・ビジョン)のセレクション2と4に、それぞれ第14話、第35 - 36話が収録された。2011年8月5日にDVD-BOX「21エモンComplete Box」(発売元:小学館・テレビ朝日 販売元:TCエンタテインメント)が発売された。放送から20年を経て初の全話パッケージソフト化となる。『21エモン 宇宙へいらっしゃい!』(にじゅういちえもん うちゅうへいらっしゃい!)は、1981年8月1日に公開されたアニメ映画。上映時間は92分。同時上映は「ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ」。映画ドラえもんの公表から製作された藤子・F・不二雄原作の「21エモン」の初アニメ作品。つづれ屋での騒動を描いた前半と宇宙冒険に繰り出す後半で構成され、全体的に原作の流れをコンパクトに纏めた作品である。ギャグタッチの物語が宇宙に飛び出すことで引き締まり、緊張感のある冒険物語に仕上がったことで、原作の持つ面白さがよく再現されている。本作はテレビアニメ化に対するパイロットフィルム的な意味合いも持たせてあったが、この時点では実現せず10年を要したため、独立した作品となった。併映の『ドラえもん』とリンクする場面が1カット入っている。『21エモン 宇宙いけ!裸足のプリンセス』(にじゅういちえもん そらいけ!はだしのプリンセス)は、1992年3月7日に公開されたアニメ映画。上映時間は39分。同時上映は「ドラえもん のび太と雲の王国」。テレビシリーズの2年後という設定の中編作品で、 前半は『ローマの休日』をモチーフにした物語展開が、後半は『モジャ公』の「アステロイドラリー」をベースにした宇宙レース「銀河ラリー」が繰り広げられる。アニメ作品としては最初にDVD化された。2012年10月3日から2013年8月27日まで、藤子・F・不二雄ミュージアムのFシアターで上映。つづれ屋再建をのび太が立て直そうとするが、うまくいかず、結局ドラえもんの道具でうまくいくという流れは、後述の「オンボロ旅館をたて直せ」(『ドラえもん』てんとう虫コミックス32巻)とも共通点がある。『ドラえもん』と共演したのはこの作品が初めてではなく、何度か登場している。本作の登場人物は他の藤子作品、およびアニメに出演したことがある。ドラえもんとの競演は#『ドラえもん』との関連を参照、ゴンスケのみの登場に関してはゴンスケを参照。連載間もない「週刊少年サンデー」1968年2・3合併号で、藤子・Fを始め、当時「少年サンデー」に漫画を連載していた漫画家8名が紅白に分かれ、「紅組」は手塚治虫の『どろろ』、「白組」は赤塚不二夫の『もーれつア太郎』の1頁パロディ漫画を発表する企画「紅白ものまねまんが合戦」で、藤子・Fは紅組で『どろろ』のパロディを発表。内容は百鬼丸とどろろが旅をしていると、そこへ妖怪が現れたので百鬼丸が襲いかかるが、妖怪は突然泣き崩れ、そこへ21エモンが「御客さん、こちら」と登場、実は妖怪は宇宙人というオチであった。この作品は「藤子・F不二雄大全集」版「21エモン」第1巻ラストの特集記事や、2013年3月発刊の「手塚治虫トレジャー・ボックス どろろ」に収録されている。
出典:wikipedia
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