有機ガラス（ゆうきガラス、organic glass）は、透明なプラスチックでできた「ガラス」である。この場合の「ガラス」とは、ガラス転移性のアモルファス固体という、化学での意味である。なお、「有機」は有機化合物ということで、生体物質由来ということではない。特に、ある程度の強度があり、普通のガラス（珪酸ガラス）の代用に使えるものを有機ガラスとすることが多い。有機ガラスの代表は、である。PEDCの例としては、アリルジグリコールカーボネート () がある。この他にも「有機ガラス」といえる化合物は多く、たとえばアクリル樹脂のポリブチルメタクリレート (PBMA) も優れた物性を持つが、生産・使用は希である。ポリスチレン (PS)、ポリ塩化ビニル (PVC) などが使われることもあるが、強度や透明度の面でガラスのようには使えないことが多い。用途はガラスに似るが、向き不向きがある。ガラスに対する長所として、などがある。逆に短所としてはなどがある。このほか、長所とも短所ともなる特徴としてはなどがある。東宝の特殊美術スタッフは、化粧クリーム等のベースに使われる固体素材を「有機ガラス」と呼んで多用していた。溶かしてドロドロの状態になったものが、『美女と液体人間』の液体人間を始め、『宇宙大怪獣ドゴラ』の単細胞体、『ゴジラ対ヘドラ』のヘドロなど、さまざまな特殊美術で使用された。

出典:wikipedia