家電芸人(かでんげいにん)とは、特定の家電製品を持ち上げて詳しくかつ熱く語る芸人である。テレビ朝日のトーク番組『雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!』(以下、『アメトーーク』)から発した語である。同じく『アメトーーク』により有名になった「ひな壇芸人」とともに、2009年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた。『アメトーーク!』の2008年3月27日放送回「第5回持ち込みプレゼンSP」でペナルティのヒデが家電に詳しい芸人を集めて家電に関するトークをする企画「家電芸人」をプレゼンした。番組プロデューサーの加地倫三によると、番組MCである雨上がり決死隊の蛍原徹の夫人が企画に一票投じたことで、制作を決めた。同年6月19日放送回で、実際に企画が放送された。加地によると当初は1週のみ放送する予定だったが、スタジオに来ていた観客の反応が予想以上に良かったため、2週続けて放送することになった。『アメトーーク』は深夜枠ながら、10%台の視聴率を誇っているが、家電芸人をテーマにした回は特に高い(ビデオリサーチ調べ)。家電芸人の特筆すべきところは、実際の商品売り上げに影響している節が見受けられ、それをメーカーや小売店も認知しているところにある。日経流通新聞の取材では、『アメトーーク』を見てブランドを指定する顧客の存在や家電量販店の営業が家電芸人のトークに唸り参考にする報告があった。この背景には家電芸人のコメントはあくまで使用者の視点から述べられており、それだけ説得力が強いためと分析される。中でも劇団ひとりは『ITボーイ』として現在のパソコンなどのIT家電の便利機能などを紹介している。『アメトーーク3時間スペシャル』では、写真を動かし更に声を吹き込む事のできるソフトを紹介した。ヤマハのホームシアター用スピーカー「YSPシリーズ」は、『アメトーーク』でチュートリアルの徳井義実が語った後の2009年1-2月の売り上げがメーカー計画の3倍になった。シャープ担当者も、同社掃除機「EC-VX 200」の売り上げが急上昇した理由を雨上がり決死隊の宮迫博之が静音や空気清浄効果を同番組にて上手く伝えた点を挙げた。同社では、土田晃之が取り上げた加湿空気清浄機「KC-W65」でも一時品切れ状態を起こした。この他にも細川茂樹が紹介したオークローンマーケティングの商品など、家電芸人のトークによる売り上げ急増例は散見される。家電芸人のひとりである土田晃之は日経流通新聞のインタビューにて、「結局家電芸人たちは自己の興味や実用に基づいた情報収集の結果を話しているに過ぎない」と語った。品川祐のパソコンや関根勤のマニアックな商品などもそうで、土田晃之の場合は6人家族ということもあり白物家電に関心が傾いているという。番組プロデューサーの加地倫三は自然体で商売がからまない立場にいながら語る、芸人のプレゼンテーション能力の高さが背景にあると見ている。土田晃之は「家電芸人は語る家電の単なるいちファンであり、知識は量販店員やマニアに全く及ばないとしながらもメーカーの機嫌を伺う必要が無い立場にいる点が逆に効果を生んでいるのでは」と語る。メーカー側もこの点は認識しており、CMに品川を起用したパナソニックのような例もある。一方で、自社商品を紹介した家電芸人を広告に抜擢することが逆効果ではとためらうケースもある。放送作家の鈴木おさむは、『アメトーーク!』の企画により家電芸人に注目が集まり始めたときに有名な家電量販店の凄腕の店員を集めた企画を放送しようというスタッフがいたという。しかし、鈴木は家電をテーマにした面白い企画が制作できたのは、それを紹介したのが芸人だったからであり、そうでなければそこまでブームにはなっていなかったとそのスタッフに意見に反対したというエピソードを明かしている。箭内道彦は「家電芸人は広告である」とし、CMよりも効果があり面白いものだと述べている。
出典:wikipedia
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