


新金貨物線(しんかね/しんきんかもつせん)は、東京都江戸川区南小岩七丁目にある小岩駅と東京都葛飾区金町六丁目にある金町駅を結ぶ総武本線の貨物支線の通称である。路線名は新金線(しんかねせん/しんきんせん)とも呼ばれる。金町駅付近(新小岩信号場駅起点6.0kmポストから金町駅寄り)のみJR東日本東京支社、それ以外の区間は同千葉支社の管轄である。明治期及び大正期の国鉄総武本線の東京側の終着駅は両国橋駅であった。隅田川への架橋がなかなか行われなかったためである。そのため国鉄の貨物列車は次のような経路で千葉県内外との連絡をはかっていた。総武本線亀戸駅/東武亀戸線亀戸駅 -(東武亀戸線)- 曳舟駅 -(東武伊勢崎線)- 東武北千住駅/常磐線北千住駅。あるいは、千葉県内から輸送されてきた貨物は両国橋駅で荷馬車や船に積み替えて隅田川を渡り、隅田川西岸へ運ばれた。総武本線の貨物列車が隅田川を渡れないことは物流にとって非常に不便なことであり、千葉県の経済にも影響が大きいため、1920年(大正9年)に総武本線新小岩信号場 - 常磐線金町駅を結ぶ本貨物線 (7.1km) が計画され、1926年(大正15年)7月1日に開通する。同時に貨車の入れ換えを取り扱うために新小岩操車場も開業する。本貨物線の開業により、総武本線の貨物列車は本貨物線と常磐線を経由して隅田川西岸へ直通することができるようになった。その後、両国橋駅止まりだった総武本線は関東大震災の復興計画として中央本線御茶ノ水駅まで延伸することになり、総武本線は隅田川西岸へと伸びることになる。ただし、ここで延伸された御茶ノ水 - 両国間は、秋葉原駅の前後が電車列車のみ通過することを前提として33‰の急勾配で敷設されたため、その後も貨物列車は本貨物線経由で運転された。1984年(昭和59年)2月1日の国鉄貨物輸送の大改革によって貨物列車の運行形態が大きく変わったが、その後も本貨物線は総武本線と常磐線を結ぶ連絡線として役目を果している。イベント列車の経路としても使われることがある。全区間が単線。用地は複線分確保されているが、一部は駐車場等に転用されている。葛飾区・江戸川区区域は東西を結ぶ鉄道路線に恵まれる一方、南北に走る鉄道は総延長 2.5km の京成金町線のみであり、公共交通は路線バスに依存している。そこで当貨物線を旅客化して新小岩駅とJR金町駅をつなぐ南北公共交通手段とする構想が浮上し、検討されている。例えば1953年の第16回国会では、天野公義が当時の吉田内閣に対し「地元民間にある」「熱烈な要求」として当路線の複線・旅客化を求める「金町駅、新小岩駅間客車運行に関する質問主意書」を提出している。これに対して政府は多額の設備費を理由に困難であると回答している。貨物輸送量の減少など状況の変化はあるものの、現在でも採算性(高砂・金町間は京成金町線と並行する)や設備の問題(葛飾区新宿地区で国道6号を踏切で横断する)など、数々の課題が存在し、計画は検討中断状態にある。また一部区議会議員が、LRTでの運行計画などを提唱しており、あくまで企画旅行ではあるが、社会実験もかねて旅客列車が新金貨物線を走行したことがある。2014年6月14日から翌年3月29日の土日祝日に、京成バス・京成タウンバスと葛飾区が連携し新小岩駅南口から金町駅南口を結ぶバス社会実験路線「新金01系統」を運行させた。全駅東京都に所在。
出典:wikipedia
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