『Erinyes』(エリニュエス)は、2003年から2004年にかけて牧尾屋が制作した謎解きサスペンス型のアドベンチャーゲームである。2003年3月13日にフリーウェアとして公開されたが、2014年2月12日をもって配信を終了した。本項では、続編『雪月花』(せつげっか)についても解説する。拉致され、無人島に監禁された北住隼人ら4人の主人公が脱出を試みる、現在ではめずらしい本格派の純粋アドベンチャーゲーム。Pleiades Companyオリジナルブラウザゲーム第6弾である。全9章のフリーウェアとなっており、2003年3月に第1章と2章が公開されたのを皮切りに、2004年4月まで1章ごとの連載形式で作者のHPで公開されてきた。その後ベクターからの一括ダウンロードの時代を経て、2014年2月に公開を終了した。先の読めないストーリー展開、ボリュームの多さ、グローバルスキップ(後述)などのシステム、完成度の高さなどから「窓の杜」や「ベクター」などで高い評価を得た。ベクターのゲーム部門では、2004年の完成当時ダウンロード数1位を獲得している。本作品は主人公が複数制となっている。ひとつの謎に対する解決が、プレイヤーの選択している主人公、プレイヤーが組んでいるパーティー、今までの行動によって得られた知識やパラメータ、主人公が装備しているアイテムなどによって変化する。そのため、解決策は複数用意されており、その組み合わせによって物語は変化していく。マルチエンディングとなっており、全部で20種類存在する。他に主人公が死亡したり捕まったりするバッドエンドも多数存在する。事件の全貌を知るためには、20種類すべてのエンディングを見る必要がある。イベント踏破数を確認できるようになっているが、同じエンディングを迎えるにも複数のイベントの組み合わせが存在するため、作者が用意した全てのイベントを見るには時間を要する。背景は軍艦島の写真素材を多く利用している。また音楽はフリー素材のものが使用されている。エンディング20(作品全体のトゥルーエンドという位置付け)の続編として、アドベンチャーゲーム『雪月花』(せつげっか)が制作された。全7章の予定で、第1章が2005年10月に公開されたが、未完に終わっている(後述)。フリーウェア版と別に、画像やムービーの画質および音質を向上させた「ハイグレード版」が存在し、サーパラマーケットで販売されていた『Overwhelm2006』に収録されていたが、シェアウェアの販売終了に伴い2011年8月29日にフリーウェアとして公開された。これもまたフリーウェア版と同様に公開終了している。コマンド選択型のアドベンチャーゲームであり、プレイヤーは「主人公」が取る行動を選択することによって物語を進める。第1章は主人公が北住隼人で固定されているが、章が進むにつれて仲間が増え、最終的には4人となる。4人はそれぞれパーティーを自由に組むことができ、プレイヤーは常時視点を切り替え(=「主人公」を変更)、行動することが可能である。ただしイベントによっては登場人物が別行動を取るため、「主人公」が強制になっている箇所もある。プレイヤーが選択した内容によって、第7章以降の主人公及びルートが確定する。ただし、第7章以降も選択肢は数多く、主人公が取る選択によってエンディングは変化する。また第6章までに迎えるエンディングも複数存在する。プレイヤーは背景画面をマウスでクリックして調べることにより、アイテムを入手したり、移動したりすることができる。またパーティーを組んでいる仲間とは常時会話が可能であり、相談することによってヒントを得たり、危機を回避したりする箇所もある。入手したアイテムを装備することによって「主人公」の行動は変化し、敵を倒したり、困難な状況を打破したりすることができる。またアイテムはパーティーを組む仲間に渡したり、捨てたりすることができる。4人の登場人物には体力ゲージが設定されている。攻撃を受けたり疲れたりすると体力は下がり、ゼロになるとゲームオーバーとなる。また4人の登場人物には隠されたパラメータが設定されており、その結果によっても進むシナリオが異なってくる。本ゲームの特徴の一つにグローバルスキップがある。その章をクリアした後であれば、グローバルスキップをONにすると、その章を再プレイするとき、通過したルートがダイジェストで紹介されるため、プレイ時間を大幅に短縮することが可能である。また選択肢の中に「他の方法を試す」が出てきたときは、まだ通過したことのないイベントがあることを示しており、他のルートを探索、クリアするためのヒントとなる。目を覚ましたとき、北住隼人は牢獄に閉じ込められていた。所持品は全て奪われている。思い出したのは、半年前から倭国各地で起こっている謎の行方不明事件。自分がその被害者の1人に加わったことを悟った隼人は、牢屋に落ちていた物などを利用し、脱出に成功する。同じように拉致されていた舞阪南を助け出した隼人は、自分が長岬県の近くにある隅島(すみじま)と呼ばれる、かつて炭坑で栄えたが今は誰もいない無人島にいることを知る。謎の敵の目をかいくぐり、建物を抜け出したところに現れたのは、拉致事件を調査に来た工作員、ブラッド・イーストウッド。3人は迷路のような廃墟の市街地を抜け、ブラッドが用意した隠れ家に逃げ込んだ。そこで隼人が出会った謎の少女、ナサ。拉致事件を起こしているのは、隣国にある社会主義国家、リーク共和国のテロリスト組織エリニュエスであった。4人は島の秘密を探りつつ、脱出を試みる。エリニュエスたちの目的とは。この拉致事件の真相は。廃墟の島に隠された秘密とは。そして4人は島を無事に脱出することができるのか。作者サイトには、ゲーム本編の過去および特定エンドの後を描いた外伝小説が掲載されている。Erinyesは、ギリシャ神話に登場する女神エリーニュスより取られている。主人公の4人は東西南北をもじって名付けられている。テーマやストーリーから、戦争やテロの肯定、もしくは日本の戦争責任を訴えていると見られることもあるが、作者は明確に否定しており、作中でテロに加担した者どもが悲惨な結末を迎えていることを強調している。詳しくは外部リンクに挙げている作者の日記を参照。『雪月花』(せつげっか)は『Erinyes』エンディング20(作品全体のトゥルーエンドという位置付け)の続編として制作された伝奇アドベンチャーゲーム。全7章の予定で、第1章がフリーウェアとして2005年10月に公開された。第2章も制作過程が作者のHPで公開されていたが、作者の都合により未完に終わった。第1章はベクターからのダウンロードが可能である。途中まで制作された第2章はそのままの形で、一時期作者の許可の下で入手することができた。『Erinyes』よりさらに自由度の高いゲーム性とシステムを有していた。拉致事件の3年後、倭国の山奥の方にある田舎町「雪宿町」を舞台としている。幼馴染みであり、雪宿神社の巫女でもある神代 深雪(かみしろ みゆき)が失踪したことを発端とし、主人公である中学2年生の柾 亮太(まさき りょうた)が、神社に伝わる伝説の謎を解き明かす物語である。第1章ではテレビにナサや南らしき人物が映っており、また第2章からはブラッドが登場する予定となっていた。ゲームの紹介や、ゲームそのものが付録として収録された雑誌を列挙。
出典:wikipedia
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