レーティッシュ鉄道ABe8/12 3501-3515形電車(レーティッシュてつどうABe8/12 3501-3515がたでんしゃ)は、スイスのレーティッシュ鉄道の本線系統およびベルニナ線で使用される山岳鉄道用電車である。スイスの鉄道では、1990年代以降、低床式の客車や電車の導入により、バリアフリー化が推進されており、レーティッシュ鉄道でも1999年製のBDt 1751-1758形部分低床式制御客車の導入によって一部列車のバリアフリー化および終端駅での機関車付替作業の省略による効率化を図ってきたが、引続き近い将来代替が必要となる旧型の機材による運行が主体となっていた。そのため、2007年にはさらにバリアフリー化や冷房化などのサービス向上と運行の効率化を図り、旧型の機材を代替するための4ステップからなる長期計画が以下の通り策定されている。本形式はこの計画の第1ステップ用の機材として計画されたもので、スイスのシュタッドラーとボンバルディア・トランスポーテーションによる提案を受け、結果前者に発注がされた機体であり、1947、53年製で本線系統用のGe4/4形電気機関車および1964-72年製でベルニナ線用のABe4/4 41-49形電車を代替できる、電化方式AC11kV 16 2/3Hzの本線系統とDC1000Vのベルニナ線の双方で使用可能な交直流電車である。なお、本形式は片運転台式の電車であるABe4/4 351形電車と中間客車のBi 356形部分低床式客車、同じく片運転台電車のABe4/4 350形電車からなる3両固定編成を総称してABe 8/12形としたものである。本形式の設計は、スイスのシュタッドラーが1997年から製造している、走行機器を集中搭載した4輪単車の動力車に1車体片側1台車で片持ち式の部分低床式客車を組み合わせたGTWシリーズや、2004年から製造している都市近郊列車用で、両先頭車の先頭部に走行機器を集中搭載した連接式部分低床式電車であるFLIRTシリーズといったモジュラー式構造の電車をベースとしているが、本形式はこれらの機体とは異なり、固定編成の電車列車で客車列車を代替するものではなく、従来の機関車兼用電車と同様に長編成の客車列車を牽引する運用を想定した設計となっているのが特徴で、可変電圧可変周波数制御により、本線用のGe4/4形電気機関車に匹敵する2600kWの定格出力、260kNの牽引力と100km/hの最高速度の性能を持ち、35パーミルで245tを牽引可能な性能を持つ強力機であるとともに、低床部の床面高さをレール面上480mmとしたバリアフリー対応の機体でもある。車体と機械部分の製造および最終組立をシュタッドラーが、主要な電機品の製造をABB Schweizが担当している。なお、本機は2007年長期計画の第2ステップで導入されるクールおよびラントクアルト近郊用の電車であるABe4/16 3101-3105形とともにレーティッシュ鉄道沿線で使用されているロマンシュ語で「こんにちは」「ようこそ」などを意味する「Allegra」の名称がつけられており、レーティッシュ鉄道内では本形式をALLEGRA-Zweispannungstriebzüge (ZTZ)、ABe4/16形をALLEGRA-Stammnetztriebzüge (STZ)として区分している。各機体の編成番号と各車の機番、発注年、製造(予定)年、機体名(グラウビュンデン州に縁のある人名)は以下の通り
出典:wikipedia
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