タイレノール(Tylenol)は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが販売するアセトアミノフェンを単一成分とする解熱鎮痛剤である。アセトアミノフェンは胃を刺激しないことから空腹時にも使用できることが特徴である(ただし、かぜによる悪寒・発熱時を除く)。米マクニール研究所(1959年にジョンソン・エンド・ジョンソンによって買収)はアスピリンの副作用に対して、1953年にアセトアミノフェンを含む鎮痛剤の開発を開始。1955年に小児用にタイレノール・エリクシールを発売する。はじめは小児用として売り出されたものだったが、これがすぐに大人にも支持を得て、現在アメリカでは鎮痛剤市場の約35%をタイレノールが占めるに至る。タイレノールというブランド名は、アセトアミノフェンの正式な化学名、「N-acetyl-para-aminophenol」から取ったものである。アメリカ国内向けのボトルは、子供が容易に開けられないようなボトルとなっている。開け方はキャップをねじって、キャップの矢印をボトルの矢印と合わせ、キャップを引き上げる。キャップを引き上げる際、かなりの力を要するので、布巾などで包んで引き上げると良い。日本で販売されているOTC薬品の中で唯一のアセトアミノフェンの単一製剤である。当初武田薬品工業がライセンスを得て2000年9月に発売。発売にあたっては他社商品を列挙した比較広告を打ち出したものの、シェアを獲得することができず、2004年10月にジョンソン・エンド・ジョンソンは提携を解消し直販とした。 この頃から片仮名から英語のブランドロゴをメインにしたパッケージデザインに変更された。当時のテレビCMは安田成美や山岡由実が出演していた。なお、2012年10月からジョンソン・エンド・ジョンソンの一般用医薬品全ブランドが武田薬品工業からの販売に変更されたため、販売提携ながら再び武田薬品工業がタイレノールの販売を行うこととなった。日本発売の製剤は次のとおり。1982年9月29日、シカゴ近郊のイリノイ州エルクグローブ村の12歳の少女が「タイレノール Extra Strength(カプセル)」を服用したところ混入されていたシアン化合物によって死亡。以後計5瓶のタイレノールによって計7名の死者を出した。この他に毒物が混入された3瓶が回収された。事件は未解決で、この後シカゴ周辺では1986年エキセドリン殺人事件のような多くの模倣事件が発生した。この事件でジョンソン・エンド・ジョンソンは「タイレノールにシアン化合物混入の疑いがある」とされた時点で迅速に消費者に対し、125,000回に及ぶTV放映、専用フリーダイヤルの設置、新聞の一面広告などの手段で回収と注意を呼びかけた(1982年10月5日、タイレノール全製品のリコールを発表)。およそ3100万本の瓶を回収するにあたり約1億USドル(当時の日本円で約277億円)の損失が発生。事件発生後、毒物の混入を防ぐため「3重シールパッケージ」を開発し発売。この徹底した対応策により1982年12月(事件後2ヶ月)には、事件前の売上の80%まで回復した。ジョンソン&ジョンソンには「消費者の命を守る」ことを謳った「我が信条」(Our Credo)という経営哲学があり、社内に徹底されていた。緊急時のマニュアルが存在しなかったにもかかわらず迅速な対応ができたのはこのためである。この事件は危機管理における対応策の定石として認識されている。
出典:wikipedia
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